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ピピピ ピピピ ピピピ
スマホの起床アラームをオフにする。
少し眠気がまとわりつきながらも、顔を洗い、制服に着替え、リビングに向かう。
優希の父
新聞を読んでいた父が顔を上げた。
優希の母
キッチンで手を洗っていた母も僕を見る。
中辻 優希(なかつじ ゆうき)
用意された朝食を食べ終えると、身支度と通学鞄の中身を確認する。
中辻 優希(なかつじ ゆうき)
優希の父
優希の母
朝、特に用がないときは、父と一緒に家を出る。
それを母は、いつも笑顔で見届ける。
僕の名前は、中辻優希。
黒縁メガネをかけ、長い前髪で顔が少し隠れていて、見た目からパッとしない。
小さい頃から人と関わることが苦手で、コミュニケーション能力が乏しい。
そう僕は、高校1年生なりたてのThe陰キャ。
家から少し歩き、路面電車に揺られる。
ここは、公立星来高等学校。
僕が通っている高校だ。
自分のクラスに入り、通学鞄から教科書らを取り出す。
その後は、先生が来るまで自分の席で読書をする。
僕は、学校に来て、友達に「おはよう」だとか「昨日のテレビ見た?」とかいう会話をしない。
そもそも僕には、「友達」がいない。
でも、それでかまわない。
(意見交流やペアをつくらされるとき、ちょっと困るけど…)
フッと、中学生時代のあの記憶とあの感覚がザァーっと音を立てて、心の中を駆け巡る。
ゴクッと唾を飲み込む。
もう、あんな思いをするのはごめんだ。
僕は、誰にも聞こえないような、小さな深呼吸をした。
Yの方程式
Yの方程式
Yの方程式
Yの方程式
Yの方程式
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