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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

上ノ山

俺たちもう寝るけど、お前らどうすんの

おれらもねる…

真冬

柊、もうほぼ寝てるじゃん

ねてない~、

真冬

シズちゃん、柊引っ張ってきて

玄純

ああ、

んん…しず抱っこ…

玄純

ん、

上ノ山

こいつ、俺の家だってこと忘れてんじゃねえの、

真冬

いこ、上ノ山くん

上ノ山

じゃ、電気消すぞ

真冬

なんか、修学旅行みたいだね

上ノ山

だな、…なんか、中学ん時が懐かしい

真冬

…そう、だね

真冬

なつかしい、

もう、“懐かしい”思い出になっちゃったのか

夜、遅くまで話してて怒られたことも

食堂を囲んで家族みたいに笑ったことも

ぜんぶ、なつかしい

___.

真冬

…もう、みんな寝ちゃったかな、

真冬

寝れないなあ、

上ノ山くんの家だから、緊張してるのもあるけど

それより、なにより、

なぜだかすごく

さみしい

真冬

…公園、来ちゃった、

真冬

上ノ山くん、心配するかな、

真冬

…ゅき、

ふと、口から出た言葉に唾を飲む

真冬

っぁ、…

由紀と上ノ山くんを重ねてたわけじゃない

俺はちゃんと、上ノ山立夏という一人の人間として彼が好きだ

でも、なぜだろう

今はすごく、由紀に会いたい。

真冬

っ…、

寒い、凍えてしまいそう

さみしいよ…

上ノ山

真冬 !

上ノ山

やっと見つけた、お前、急に居なくなるなよ !

真冬

ぅぇのやま、くん…

咄嗟に出た言葉は、弱々しく今にも消えてしまいそうだった、

上ノ山

こんなとこで何してたんだ、

真冬

っ、あ、の…

上ノ山

…ゆっくりでいいから、

ああ、背中に触れる手があたたかい。

真冬

むかしのこと、

真冬

おもい、だして…

真冬

それで、どうしようもなく、さみしくて

真冬

…会いたくて、

上ノ山くんは、何も言わず俺の横顔を見ていた

まるで、それは自分の事ではないと分かっているかのように

真冬

でもね、

真冬

今、上ノ山くんが来てくれて、俺の隣に、こうして居てくれて

真冬

すごく、あたたかい、…安心する。

真冬

やっぱり俺、上ノ山くんが好きだよ、

過去がどうであろうと、俺は今、目の前の彼が好きだ。

上ノ山

そっか、

上ノ山

ごめん、俺も今、言葉出てこないけど

上ノ山

真冬の隣に居れて、よかったと思ってるよ

真冬

…うん、

上ノ山

でも、寂しくても、そうやって一人で溜め込むなよ、

上ノ山

俺が何かできる訳じゃないけど、それでも、

上ノ山

話してほしい、

上ノ山

ゆっくりでいい、すぐ話せなくてもいいから、

あ、

そうか、この人は俺の事、そんなに

やさしく包み込むように、俺を想ってくれてたんだ

真冬

…すきだなあ、

_ふと、スマホが鳴る

上ノ山

うげ、スマホの通知…

真冬

わ、何その数…、って俺のも、

『お前らどこいんの?!』

『なんで家いねえの?!?!』

『どこだよ!!!!!!』

上ノ山

っふは、全部柊

真冬

ふふっ、

真冬

ねえ、帰ろう、上ノ山くん

上ノ山

…だな、

大丈夫だよ、

もう、寂しくないよ

楽しくやってるよ

とある冬の、とあるふたりの話

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