ATTENTION
流血表現を含みます(イラスト)
ご注意ください
アリス
キャサリン
一人のメイドが重たい扉を軽々と開ける。暗闇に光が差し込んだ。
アリス
アリス
キャサリン
キャサリン
キャサリン
アリス
キャサリン
アリス
暗い沈黙が流れる。時間の流れが遅く感じる。
アリス
キャサリン
キャサリン
キャサリン
アリス
キャサリン
アリス
キャサリン
キャサリン
キャサリン
キャサリン
……サクラが迎えに来ない時点でいやな予感はしていた。
あぁ、やっぱり。
まただ。皆が信じている神様というのはなんて酷いの。
アリス
アリス
アリス
アリスはにこりと笑ってみせた。
それからアリスは働いた。
ただただ、働いた。
兵を動かし、使用人を動かし、民を悼み、戴冠式を行い、『魔王』となってみせた。
これらは、先代『魔王』討伐からおよそ一週間のことである。
一週間でここまで国を復興させることが出来たのは彼女だけだと思われる。フィリップ王国に帰ったルークもこの事には驚いていた。
フィリップ王国に敗け、一度フィリップの下についたものの、ほんの3ヶ月程でアリスはデビッドの力を取り戻した。
そしてその結果、ルークがデビッド王国への信仰を宣言する以前と同じ、冷戦状態へと持ち込むことに成功する。
そしてある日。
アリス
キャサリン
キャサリン
アリス
アリスはその背丈に合ってるとは言えない椅子をずらし立つ。
キャサリン
アリス
酷い目眩と頭痛。喉がとても乾いている。耳鳴りもしてきた。
アリス
キャサリン
アリスはそのままバタリと倒れてしまった。残ったのは焦るメイド長と古時計の秒針の音。
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キャサリン
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キャサリン
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キャサリン
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よく喋る男である。キャサリンは思った。
見た目は寡黙そうな人間であるのに、口を開くとペラペラと言葉が出てくる。
身元が信用できて腕が立つ医者を探したところ、彼が該当したので連れてきたが本当に大丈夫なのだろうか……。
キャサリンの胃痛は絶えない。
アリス
キャサリン
アリス
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アリス
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アリス
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ヒューゴ
ヒューゴ
ヒューゴ
アリス
ヒューゴ
ヒューゴ
ヒューゴ
ヒューゴ
アリス
一方的にまくしたてられて、アリスは何がなんだがわからなかった。そもそも病み上がりの人間(?)に質問攻めをするヒューゴが悪いのだが。
キャサリン
ヒューゴ
ヒューゴ
ヒューゴ
アリス
ヒューゴ
アリス
ヒューゴ
ヒューゴ
ヒューゴ
アリス
アリス
ヒューゴ
キャサリン
ヒューゴはあっけらかんとした様子だったが、キャサリンはアリス方をチラチラ見ている。気が気でないようだ。
ヒューゴ
……あれから、いったい何日経ったのだろう。
医者は『動くな、安静にしてろ』の一点張りで外の様子すら分からない。
それに、なによりあの娘のことが心配でならない。
迎えにいくと約束したのに。私が破ってしまった。信用を失っただろうか。いや、そんな人じゃないことは私が1番知っている。
サクラ
ほんの数ヶ月前、はじめて名前を呼んだ。あのとき、私がどれだけ嬉しかったのか、あの人はきっと知らない。
はやく、逢いたい。
__デビッド王国・城下町(礼拝堂)
ヒューゴ
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ヒューゴ
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アリス
真っ暗闇の中、アリスはひとり佇む。
自分が立っているところも暗くて見えず、どこが地面でどこがそうでないのかも分からない。
アリス
夢なんて久々に見た。
アリス
ふと、前方に光が見えた。アリスは正直に光の方へと進む。
見えてきた。
アリス
慣れ親しんだデビッド王国の城下町だ。
デビッド王国を見ると様々な思考が逡巡してしまう。ここまで来ると病気なのではないか、とアリスは思う。
デビッド王国が活気に満ち溢れている様子を見ると、元気が出る。
わたしはこの人たちの生活を守るために戦うんだと。そう思える。
暫く光の中のデビッド王国を眺めていると、場面が切り替わっていくのがわかった。
アリス
そう、あの日だ。
わたしが世界を平和にすると決意した、あの日。
アリス
アリス
アリス
喉が引き攣って声が出ない。光の中のメアリーと目が合った。
アリス
アリスは目を逸らしてはいけないと、そう思い一部始終を見届けた。
アリス
ヒューゴ
ヒューゴ
サクラ
サクラ
ヒューゴ
サクラ
ヒューゴ
ヒューゴ
ヒューゴ
サクラ
正直、納得できない。
今は1秒でも早くアリス様に会いたいっていうのに、私の体は全く言うことを聞いてくれやしない。
サクラ
ヒューゴ
ヒューゴはアリスが倒れたこと、過労であることを伝えた。
サクラ
サクラ
ヒューゴ
少し歩けば会える。だというのに歩くことすらままならないなんて。
歯がゆいとはこのことか。
サクラ
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