主
センシティブな表現あり 法律違反は確定しています 『片鱗』のネタバレを含みます
主
きんとき視点
真っ暗な意識の中
だんだんと視界が明るくなっていく
そうして映し出したのは、
彼と、彼の両親
早口で叫ぶようにシャークんを捲し立てる母親
『あんたは良いわよね、逃げられるから』
『私は逃げられないのに!』
『なんでかわかる⁉︎』
『それはあんたがいるからよ!』
『子どもが自立するまで私はこの家から出ていけないの!』
『あんた達子どもなんて呪いだったのよ!』
『早く…!消えて…!』
『早く私を楽にしてよ…!』
なぜだか、その言葉が俺の胸を深く抉る
『嗚呼』
『普通になりたい。』
シャケの声がする
その声が、俺の意識を覚醒させる
気がつけば、俺はリビングに立っていた
全ての恐れから、全ての憎しみから。
彼を、守らなければ。
シャークん視点
気がつけば、きんときが横に立っていた
シャークん
彼は俺の方を見ない
どこか一点を見つめている
彼はゆらりと、彼は母親の方へと歩み出す
その手に、ナイフを握って
きんとき
辺りに鮮血が飛び散る
『キャァッ』
母親が絶叫する
それでも彼は、無言でナイフを突き刺し続ける
まるで何かに、「囚われた」ように
ナイフを抜いた傷口から、血が溢れ出す
『あ、ぐっ…』
『ごぶっ…』
そうして母親は、息絶えた
人間はこれほど簡単に死ぬものなのかと思う
ふと父親の方を見やる
『ばっ、化け物!』
『やめろ!こっちに、くるなっ!』
先ほどの威厳はどこへ行ったのか
きんときから逃げようとするが、
恐怖から座り込んで動けなくなっている
ザクッ
再び辺りが鮮血で染まる
『う"あ"、ぁ"ぁ"っ…』
『ぐ"、ぁ"っ…』
彼は父親に馬乗りになり、
何度も何度もナイフを刺し続けた
『………。』
そうして父親も、あっけなく絶命した
リビングに残ったのは、
二つの死体と、俺ときんときだけ
シャークん
きんとき
シャークん
きんとき
彼は黙ったままだ。
殺す理由もなく殺人を犯す彼が、怖かった
シャークん
きんとき
シャークん
きんとき視点
シャケの両親への恨みか、
ナイフを突き刺す手が止まることはなかった
別に良い
その力に抵抗する気はさらさらないのだから
殺人…したけど、罪とか、どうでもいい
シャケが幸せなら、それで
シャークん
シャケがどう思ってるのかわからない
これがシャケが望む救いではなかったのなら?
俺は…?
シャークん
言えるわけない
シャケを守りたかった。
守れてない。俺が傷つけたのか?
シャークん
きんとき
シャークん
きんとき
きんとき
シャークん
シャークん
シャークん
きんとき
きんとき
シャークん
シャークん
シャークん
シャークん
シャークん
シャークん
シャークん
きんとき
きんとき
シャークん
シャークん
きんとき
きんとき
シャークん
シャークん
きんとき
きんとき
きんとき
きんとき
シャークん
きんとき
きんとき
シャークん
シャークん
きんとき
シャークん
きんとき
シャークん
きんとき
シャークん
きんとき
きんとき
シャークん
きんとき
きんとき
きんとき
シャークん
きんとき
きんとき
きんとき
シャークん
きんとき
シャークん視点
扉を開ければ、ぼんやりとして椅子に座った祖母がいた
どうやら寝ているようで、
家の中での惨状に、一切気が付いていない様子だ
きんとき
きんとき
きんときが何かを拾い上げ、投げてきた
シャークん
シャークん
なくなっていた貯金だった
封筒には、震えた文字で
『わたしの』
と書いてある。
きんとき
シャークん
きんとき
シャークん
きんとき
きんとき
きんときは祖母の頭を鷲掴み、ゴロンと転がす
彼が上に馬乗りになって、拳を振り下ろし続ければ
その体はバキバキと音を立て、段々原型を失っていく
いとも簡単に、祖母は絶命した
シャークん
嫌ではない。
済々している。
ただ、やはり人の死は心地よいものではないと感じる
きんとき
きんとき
シャークん
きんとき
もうここにとどまっている事はできないだろう
バレるのも、時間の問題だ
ならばこれは、
束の間の逃避行だ
主
主
主
主
主
主
主
おつある〜!
コメント
1件
スゥゥ…はぁー、…うん、すこーしずつ重くなってってる感はあるね私の中では! シャケを守るためにやった行動が果たして、シャケにとって"本当"の幸せなのか…ってとこ考えると…ねぇー?w いやぁー、小説書くの上手すぎ…あるとの見本にしたいくらい…