死正
おい、荼毘。お前また無茶したな?
荼毘
さあ、なんのことだろな
死正
とぼけんな
死正
肉が焼けてる匂いがこんだけしてんだぞ
死正
それをなんのことかって知らんふりすんのやめろって言ったろ?
荼毘
うるせぇなぁ、母親かよてめぇは
死正
……いいから、さっとこっちに来い
荼毘
はいはい、分かったよ
死正
ほら、腕出せ
荼毘
はいはい
死正
治癒
皮膚が治る
死正
これでよし
荼毘
というか、毎回お前の個性には驚かされるな
荼毘
今まではここまできれいには戻らなかったからな
死正
俺も使いたくはないがな
死正
だからもうこんな無茶すんな
荼毘
それは約束できねぇかもな笑
死正
お前な…
死柄木
やあ、ここにいたんだな
死正
……死柄木か
死正
なんかあったか?
死柄木
いや、少しばかり頼みたいことがあってね
死正
なんだ
死柄木
敵情視察ってやつだよ
死正
おいおい、俺の顔は向こうは知ってんだぞ?
死正
そんなの自ら捕まりに行こうとしてんのと同じじゃねぇか
死柄木
でも、あんたならできるだろ?
死正
……そんな感じの「個性」があるだろ、って?
死柄木
あぁ
死正
はぁ、ねぇことはねぇが……
俺の個性のひとつ、干渉は
相手に触れることにより、 個性に干渉し自分のものにする
また、自分のものにした後の 個性をいじり
新たな個性を作ることもできる
死正
だが、別に俺じゃなくてもいいだろ?
死柄木
ちょうど空いてるのがあんただけだったんだよ
死正
……はぁ、拒否できないの分かっててやってるな?
死柄木
もちろん
死柄木
だが、何も1人で行かそうとはしてないよ
死柄木
荼毘も連れて行くといい
荼毘
……俺もかよ
死正
お互いに苦労するな、荼毘……
雄英高校付近
荼毘
しかし、ほんとに気づかれないんだな
死正
あまり離れるなよ
死正
範囲があるんだから
荼毘
…そういうとこはシビアなんだな
死正
うるせぇな、初めて使うんだから探り探りなんだよ
死正
それよりもうすぐ雄英だぞ
出久
行くよ、麗日さん!
お茶子
うん!
出久
そぅれ!
ブンッ!
お茶子
ゼログラビティ!
フワッ
出久
わぁ!すごい、迫ってきたものも無重量にすることができるようになったんだね!
お茶子
うん!これもデクくんが手伝ってくれたおかげだよ!
出久
いやぁ、そんなことは…
梓月
お茶子見てたよ!めっちゃすげぇな!
お茶子
ありがと!梓月ちゃん!
バァァァン!
出久
!?なんだ!?
梓月
あぁ、多分…
勝己
おいおい!そんな逃げ回ってるだけでいいのかぁ!?おらぁ!
上鳴
いやいや!!ちょっと待てよ爆豪!!それはなしだろ!?
切島
おお!さすが爆豪だぜ!俺も負けてられねぇ!!
飯田
おい!そこの君たち!!ほどほどにするんだぞ!
百
相変わらずですわね…
勝己
おらおら!まだまだあんぞ!!
上鳴
っくそ、サンダ…
ボフッ、シュュュ
お茶子
あれ?上鳴くん?
梓月
あー、そういえばあいつさっきから結構な電気出してたっけ?
上鳴
ウェーイ
梓月
馬鹿になってやがる
出久
上鳴くん!?
勝己
はは、そうやっててめぇは力配分を考えらんねぇから弱えんだよ!!
ゴツン!
みんな
!!??
勝己
………あ?💢
梓月
あ、
梓月
いや、あのな、爆豪💦違えんだよ!?
梓月
俺もちょっとばかし訓練をだな!?💦
勝己
……あぁ、知ってんよ…
勝己
てめぇも焼かれてぇんだな!!?💢
梓月
だから違えんだってば!!!
勝己
待てやゴラァ!!💢
待てって、話聞けってばぁ!!
出久
……大丈夫かな?
百
まぁ、彼女が相手ですし、大丈夫でしょう
お茶子
はは、
飯田
はぁ、頭が痛い…
切島
はは、あいつら元気だな!
上鳴
ウェーイ
……
死正
……
荼毘
おい、大丈夫か?
死正
……あ、あぁ
死正
俺がいた頃とはあんま変わんねぇな
荼毘
……そうかよ
荼毘
じゃ、情報取集も出来たことだし、帰るか
死正
…そうだな
何、がっかりしてんだよ
分かっていただろ
俺がいなくても
何も変わらない
なのに…
死正
……
荼毘
おい
死正
…ん、今行くよ
死正
拠点まであともう少しかな
荼毘
はぁーあ、無駄な仕事させられたぜ
死正
それは俺も同じだよ
死正
帰ったら、一言文句でも…
死正
っ、!
荼毘
ん?どうしたんだ
お昼ご飯は何がいい?
うーんとね! ママのハンバーグ!
雨音はほんと ハンバーグが好きだな笑
死正
……
荼毘
おい、死正?
子ども
うん!ママの美味しいもん!
母
ふふ、そう言ってもらえるとママも嬉しいわ
父
パパはママのご飯ならなんでも好きだな笑
母
もう、パパったら笑
子ども
私もママのご飯全部好き!
母
ありがとね、雨音
子ども
じゃ、早く帰って食べよ!
ダッダッダッダッ
母
あ、雨音。急ぐと人にぶつかるわよ!
子ども
大丈夫大丈夫…わあっ!!
ドンッ!
母
!!雨音!
死正
……あ、
子ども
う、うう
死正
だ、大丈夫?
父
すいません!雨音ダメだろ!?
死正
…俺は平気ですから、それより君大丈夫?
手を差し出して立たせる
子ども
う、うん
死正
そっか、なら良かったよ
死正
でも、走るとまた人にぶつかるから気をつけてね?
子ども
うん!ありがと!お姉ちゃん!
母
ほんとにすいません。お怪我はありませんでしたか?
死正
えぇ、ありませんよ
母
良かった…
死正
……お子さん、可愛いですね。初めてのお子さんですか?
母
……まぁ、はい
荼毘
……?
父
…実は息子がいたんですよ
父
ですが、流産で…
死正
……そう、だったんですね
死正
すいません、なんか
父
いえ、だからその分この子には愛情を注いでいこうと思うんです
死正
……素敵な考えですね
父
ありがとうございます。では私たちはこれで
死正
ええ、では
子ども
お姉ちゃんバイバイ!
母
ほんとにありがとうございました
死正
……
荼毘
珍しいな、あんたがあんなに他人に踏み込むなんて
荼毘
なんか関わりでもあったのか?
死正
……
荼毘
ダンマリかよ
死正
………親だよ
荼毘
は?
死正
俺の、親だ
荼毘
……息子だと偽られてんのかよ
死正
いや、俺は双子で片方が男で生まれなかったんだよ
荼毘
……いなかった存在にされてんのか
死正
そういうことみたいだな
死正
もともとは、違うとこに住んでたが、引っ越してきたみたいだな
死正
俺もこんなとこで会うとは思わなかったよ
荼毘
……
死正
じゃ、さっさと帰るぞ
死正
遅くなったらあいつが文句いうからな
荼毘
…そうだな
死正
………
俺は一体
なんのために 生まれてきたんだろう
死正
っ、(頭を振りかぶる
俺は、あいつをヒーローにしなくちゃならない
今はそれだけを考えろ
死正
(でも、もしそれが終わったら?)
死正
(俺は……)