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キーンコーンカーンコーン
学校中にチャイムが響き渡った
外ではザバサバと雨が降り注いでいる
彰人
そう言いながら俺は窓の外を眺めた
彰人
そんな言葉を口にし、俺はため息をついた。
外にはたくさんの生徒がいた
皆、傘をさしている。
傘を持ってないやつは誰かの傘へ入れてもらっていた。
教室でポツンと一人だけ取り残された。
俺には傘をさしてくれるようなやつは一人もいない。
そう思いながら席を立った
雨は先程にも増して強くなっていた。
俺は仕方がなく雨の中一人で歩いた。
前へ行く人たちは皆、傘をさしている。
傘をさしていないのは俺だけだった。
俺は家へ向かう方へ進み、そのまま横断歩道を渡っていた。
"ブッブッー"
車のクラクションの音だった
俺は音のするを振り返った
その瞬間、俺は車に轢かれていた。
体から血が溢れ出ている
出血が止まる様子はない
彰人
雨は少しずつ弱くなっていた。
まるで同情されたようで、苛立ちを抑えきれない。
だが、その前に死ぬことを悟った
先程の車から中年の男性が降りてきた
男性は俺を見るなり、顔を真っ青にして車に戻り、走り去っていった。
俺は、必死にもがいていた。
誰も傘をさしてくれずに死ぬ
そんな寂しい終わり方は嫌だった
?
彰人
俺の意識が朦朧としてる中で制服を着ている女が近寄ってきた。
そして俺に、傘をさしてくれた。
俺は何が何だか分からず、泣いていた。
ただ、泣いていた。
でも、もう俺の意識も長くないようだった。
彰人
その言葉が俺の最後のことだった。
彼女は泣きながら
?
そう言っていた。