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注意事項はあらすじにて
…(1⃣番推しさん注意です⬅️)
(3️⃣番推し様…前回言わなくてすいませんでした⬅️⬅️⬅️)
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⚀ Liura side ~イレギュラー王宮「地下牢」にて~
その音は、突然だった。いや、予想は出来ていた。
教会の鐘の音は届かないくせに、 民衆の大歓声はこの地下牢にも聞こえてきた。
Yusuke.
やっぱり、あにきも黙っていた。 だって、何が起きたかはもう予想出来たから。 今日の…多分時間にしたら昼くらい。 俺らの中では愛想がよくて、 場を和ませるような笑顔を持つ… 紫色の瞳を持つ弟が、笑顔でこの牢獄と… ……りうら達と別れを告げて行ったのだから
そして、この聞こえる歓声は… きっとギロチンの刃が落ちたあとであって、 ……もう、初兎ちゃんが、 この世からいなくなってしまった。 ということなのだから。
それを考えていると、りうらの目から 何かがこぼれ落ちる。何粒も、何滴も。 …それはしょっぱくて、でも少し暖かくて。
Liura.
もうとっくに涙なんてあの時に 枯らしたと思っていたのに。 とめどなく流れていた。
それはきっと、いつもそばにいた弟が もう居ないということと… …これが明日の自分なんだ、という恐怖からだった
⚀ Liura side ~1日後 イレギュラー王宮「地下牢」にて~
あれから何時間が経ったんだろう。 流石に1週間以上このくらい牢獄に 閉じ込められていると時間感覚なんて 既に無くなっていた。
でも、そんなに時間が無いってことは、 何となくわかる。だって聞こえてくるんだもん 民衆のザワザワとしている声が
そんな中、りうらは… グミのあの発言を思い出していた。
『賽ノ国はもうすぐ、滅ぶわ』
確かにこの国が滅ぶという運命は変えられなかった だけど…彼女はないくん達がギロチンにかけられる そう言っていたけど、実際にここにいるのは りうら達だ。その運命だけは もしかしたら変えられたのかもしれない
…ないくん、まろ、いむ…ちゃんと逃げ切れてるかな
すると、新しい足音が聞こえてきた。 その足音はこの牢に向かってきているように感じた …そろそろか
牢屋の鍵が開けられる音と共に、 この場にやってきた兵士がこう言った
使い回しキャラ
返事はせず、無言で立ち上がる。 そして、牢屋に出る前に… 俯いていた一番上の兄に 一言だけ、きっと兵士はそんなに待ってくれないし 間違えて『あにき』って言ってしまう リスクだけは避けなければいけない。
Liura.
Yusuke.
そう言って、俺は兵士の後に続いた。
⚀ Liura side ~イレギュラー王国「ミラネ広場」にて~
正直いって、歩く度足取りは重くなっいった。 震えていたのかもしれない。 処刑台に登るための階段、それを一段一段登る度 『死』という単語が頭の中で強くなっていった。 縄で縛られた手首は擦れて痛いし、 天気は凄くいいのに、風もすごく冷たくて 目の前では耳が痛くなるほどの民衆の怒号
Liura.
心が叫んでいた。 こんなはずじゃなかった。 こんな未来なんて、望んてなかった。
兵士に背を押されながら、台の上に立たされる。 目の前には、憎しみに満ちた大勢の顔。 どれも、彼を_ないくんを裁くためにここへ来た。
だけど、彼らが見ているのは ないこ王子じゃない。 『悪ノ王子』に成りすました召使で… 彼の双子の弟…第4王子のりうらだ。
目の前には木の板。 真ん中に三つ、穴が空いている。 真ん中は首、両脇に手首。 誰が見ても「死のための道具」だと分かる造り。 使い古された木には乾いた血の跡が うっすらとこびりついていて、 風にさらされて軋む音がした。 そのこびりついていた血の…まだ真新しそうな血が誰のものなのか…それは考えたくなかった
脳裏に死の気配が明確に焼きついた。 身体が拒絶する。 怖い。怖い。怖い。死にたくない。 だって、りうらは…やっと15歳になったんだよ? なんで、なんで?もう、ここで終わりなの?
あの時の決意は本物だったのに。 いざ“死”が目の前に来たら、身体が震える。 死がこんなにも現実で、重くて、 冷たいものだなんて、思ってもいなかった。
処刑人の男が無言で木の板を持ち上げる。 促されるままに、りうらはその三つの穴に、 自分の首と手首をおさめた。 板が音を立ててパタンと閉じ、 上から重い金属の錠で固定された。 視界がほとんど前しか見えない。 地面に落ちている石ころのひとつまでが、 やけに鮮明に見えた。
『まだ生きたい』そんなこと、 願ってももう叶うわけないのに。 恐怖で泣きそうになる。だけど泣く訳にはいかない だってりうらは_俺は『悪ノ王子』だから。
不意に、幼い頃の記憶が蘇る。 確か、6歳の頃。ないくんに 『すごいの発見した!!』って手を引かれて ついて行ったら…あの暖炉の抜け穴だった。
その時はりうらもその存在を知らなかったから、 すごく興味があった。
『…抜け穴?でも何のためにこんなの 作ったんだろ?』
りうらがそう言うと、 ないくんはすかさずこう返してきた
『うーん…正直分かんない!!…でもさ? こんなの見つけちゃったら やることはひとつじゃない?』
『…?何するの?』
『もちろん王宮抜け出して遊びに行く!! もしお母様に閉じ込められても こっそり抜け出せるじゃん!!』
…ほんと、面白いことが大好きで、無茶ぶりをして そんな所は今も変わらないなと思った。
次に目を開けると、幻覚が見えていた。 ピンク髪の兄。少し幼いように見えた ほんと、今更…やっと気づけた。 りうらは…あの双子の兄の笑顔が大好きだったんだ だから、笑って生きていて欲しかった。
だから、その笑顔がまだこの世界にあるなら、 りうらは命を捨ててでも、その笑顔を守れるなら
俺が、君を守るから。 だから、ないくんはどこかで笑っていて。
_ゴーン
1度目の鐘の音 処刑人はりうらにこう問いかける
使い回しキャラ
神…そんなの居たらりうら達の人生は もっと良かったんじゃないの? そう思ってしまうけど、 もしも、そんな存在がいるなら… 来世は…双子じゃなくても、 兄弟じゃなくてもいい。 だけど、もしも、生まれ変われるならば__
2度目の鐘の音
この瞬間、ゆっくりにも、短くも感じられる。 もう、あと1回で終わってしまう。 だけど、彼が生きてくれている限り、 りうらもきっと生きてられる。 だって、元々はひとつの命を 分け合ったわけだから。
風が止まる。 世界が静かになる。 民衆たちの声も一瞬静まる。 彼らはきっと、『王子』の言葉を 求めているんだろう。
…いいよ。答えてあげる。 よく聞いててよ?
_民衆などには目もくれず、『俺』はこう言った
Liura.
最後の鐘の音。振り下ろされる。 鋭利で巨大な刃。
コメント
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🐤様がお亡くなりですか…(言い方) わたしは🐇リスナーです…👉👈でも全然気にしてません✋ むしろありがとうございます(?) 今回も最高でした!