テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
いちいち
975
ゆめくらり@びじりす
1,288
14
イジメっ子
幽凪こなた
イジメっ子
幽凪こなた
何回殴られた?
何回蹴られた?
僕はもう覚えていません。
小学校から中学校に上がるタイミングで引っ越した僕。
理由は「親の虐待が世間にバレて、孤児院で暮らすため。」
どお?なかなかにやばそうでしょ?
孤児院に入ってからの春休みはほんっと夢のようだったよねぇ…
あったかいご飯にあったかい風呂
殴ってくる人間もいない。
天国かと錯覚してしまったよ。
でもね。
幸せって長くは続かないんだって。
漫画みたいな洒落たセリフ使うな!って思ったでしょ?
でも確かに幸せは続かないんだよ。
中学に入って仲良くなった男子がいて、
「家行ってもいい?」
って聞かれたから僕は「僕孤児院だから連れてこれないんだ〜ごめん!」って言ったの。
次の日からクラスが変わった。
僕をみて「お前孤児院のやつなんだろ?」って
みんなニヤニヤしながら言ってくる。
虐待の次はイジメかよ。
事件の巻き込まれ方ほんとコナン君じゃん
…え、孤児院の方には言ったの?って
孤児院の人
幽凪こなた
孤児院の人
幽凪こなた
迷ったよ。
素直にいえば解決もあるかもって。
でも言ったらさ。
孤児院での立場が
「イジメられてる可哀想な子」
になるのはわかりきってた。
だから、
幽凪こなた
幽凪こなた
幽凪こなた
孤児院の人
幽凪こなた
幽凪こなた
孤児院の人
幽凪こなた
幽凪こなた
孤児院で「可哀想な子」にはなりたくない。
それに散々お世話になってるんだ。
これ以上迷惑はかけれない。
あと僕には唯一の友達がいた。
小学校の時。ずーっと中の良かった子。
3人いた。
黒髪の子と、中性的な白髪の子と、オレンジ髪の子。
みんな個性的だった。
眩しかった。
ずーっと笑顔で。明るくて。面白くて。
その子たちとは中学生の時も。
高校生の時も。
かなりの頻度でメッセージを送り合っていた。
高校の時も、いじめっ子の男子と同じ学校になっちゃってイジメられてた。
だからそれをイジメられてるってバレないようにしながら、色々愚痴った。
あの3人には親からの虐待のことも言ってない。
「可哀想な子」として扱われたくないからだ。
「会お?」って言われても行かなかった。
ボロボロな僕を見せたくないから。
僕は偽りの仮面を被った。
大切な人には。気づかせない。
暗い僕なんていない。
隠し通すんだ。
__『偽りの仮面』。
コメント
1件
第1話、読み終えました。冒頭から心臓がぎゅっとなりました。こなたくんが「可哀想な子」になりたくない一心で、助けてくれる手を頑なに拒む姿が苦しくて…。孤児院の先生に明るく振る舞うところ、あの無理やりな笑顔が痛いほど伝わってきました。幼い頃からずっと一緒の三人には、親の虐待もいじめも絶対に知られたくないって思う気持ち、よくわかります。信頼しているからこそ見せられない真実があるんですね。『偽りの仮面』というタイトルが、ラストにずしんと来ました。続きが気になります…!