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コメント
1件
うわっ…プロローグからいきなり心臓掴まれました。記憶がすっぽ抜けてるのに、胸だけは「愛おしい」って叫んでる北斗くんの描写が切なすぎる…。5人の存在が彼にとってどれだけ大きかったか、忘れた今だからこそ痛いほど伝わってきます。これからどうなるんだろう、続きがすごく気になります!
新連載
『光を忘れた俺の5つの太陽』
北斗くん記憶喪失になります
苦手な方🔙
それでは
START
69
水死体 🍭✕
324
カチャ、と小気味いい金属音が静かな楽屋に響いた
いつも通りの、見慣れたはずの光景
ソファに寝そべってスマホをいじる大柄な男
鏡の前で髪を整えている金髪の男
楽しそうに笑い合っている男たち
北斗
楽屋のドアノブを掴んだまま、俺は凍りついた
心臓がドクンと嫌な音を立てて跳ね上がる
視界が急速に冷えていくような感覚
目の前にいる5人の男たち
彼らが「誰」なのか、名前が、関係性が、頭の引き出しのどこをひっくり返しても、1ミリも出てこないのだ
?
金メッシュの、どこか治安の悪そうな、けれど優しげな目をした男が振り返り、俺に気さくに声をかけてきた
北斗
喉がひきつり、声が出ない
知らない男たちが、自分の名前を呼んでいる
親しげに笑いかけてくる
その事実に、背筋に冷たい汗が伝った
?
今度は、一際大きな体をした男が心配そうに近づいてくる
彼の手が北斗の肩に触れようとした瞬間、俺は悲鳴を上げるように、一歩後ろへ飛び退いた
北斗
楽屋の空気が、一瞬で凍りついた
5人の顔から一斉に笑顔が消え、困惑と心配の色が広がる
彼らのその表情さえも、今の俺には恐怖でしかなかった
?
金髪の、綺麗な顔立ちをした男が、怯えるような声で呟く
北斗
俺は自分の頭を抱え、楽屋の壁に背中を打ち付けた
昨日までの記憶はある
自分が「松村北斗」であることも、アイドルという仕事をしていることも分かる
それなのに、自分の人生の、一番中心にいたはずのこの5人の存在だけが、綺麗に、すっぽりと抜け落ちていた
?
金メッシュの男が焦ったように駆け寄ってくる
北斗は呼吸の仕方を忘れたように肩を揺らし、ただ、目の前の「知らないはずなのに、なぜか胸が引き裂かれそうに愛おしい5人」を、涙の滲む目で見つめることしかできなかった
すべてを忘れてしまった俺の、暗闇のような日々が、今始まろうとしていた