第九話/愛しい
悲しみが、夜のネオンの明かりに溶かされた。 だらしなくベッドに身を任せ、窓から都会の夜をうざったい目で見つめた。
大理石の冷たい床には真っ二つに破かれた写真。 形に残るものは結局、全部消えるんだ。 思い出も 何もかも消えてしまうんだ。 いや、…
消されるんだ
Mofu
生暖かい雫が頬を駆け下りると、喉から欠伸が迫ってきた。 重くなった瞼を開けると、時計の針は8時を指していた。
Mofu
Mofu
布団も掛けず、食事も風呂も済ませないまま眠りについた。 久し振りのしっかりした睡眠だからか、呆気なく夢へと落ちていった。
夕方の、もふの電話が一体何なのか気になって仕方がない。 刺すような"母"の声は、愛情の欠片もなかった。 そりゃ、そうだよ…
昔は、うちの一家もよそと変わらず幸せだった。 でも、 産みの母親が不倫したんだ。 不倫相手と子供ができて、勿論父親とは離婚。 俺ら兄弟は金に余裕のある父に引き取られた。 最初こそ、慣れない家事をこなす父は面白かった。もふは寂しそうだったけれどそれでも別に大丈夫だった。
けど
再婚してしまった。 母は冷酷で、子供を物みたいに扱った。 父の本性も次第に現れていってしまったし、教育は荒い手口だった。 一般的に召使いと呼ばれるような者まで現れて、家族はバラバラになった。 もふは、前の母親なんて覚えていないだろうな。 大好きだった母親の子守唄。 "暖かい手" それも、もう無い
ハンドルを握る手が力んで、変な方向へと曲がりそうになった。 涙を押し殺すと、視界が澱んでしまう。
Japapa
Japapa
両親に耐えられなくなって俺は高校卒業後家を出た。 勿論大学は、自己負担。 辛いけど、家に残るよりマシだった。 後悔したけど。
俺の家出に腹を立てた両親は、もふをより厳しく育てた。 勉強だけに集中させて、友達は作らせず、機械のうな子供に育てた。 悲しいだとか、嬉しいんだとか、 そんなのも感じない子になった。 辛い それしか分からない可哀想な男の子。
近頃は手をあげる事さえ増えたらしい。 ごめんな、ごめんな 兄ちゃん情けないよ。
Japapa
Japapa
Japapa
車を道脇に止め、ハンドルに強く頭を打ち付けた。 痛いけど、そうしないと涙がこぼれてしまいそうだった。 喉がチクチク痛くて耐えられない。
Mofu
Mofu
背中を猫のように伸ばすと、とても気持ちよかった。 変に柔らかい光がさし込む教室は、神秘的だった。
Mofu
Naokiri
Naokiri
Mofu
Mofu
Naokiri
ただずっと怖いくらいニコニコしていた。 やけに静かで、不安だったけど…ずっとこのままで良い気がした。 何か声を掛けようとも、言葉が出なくてちょっと焦っちゃった。
Naokiri
Mofu
Mofu
Naokiri
Mofu
Naokiri
Mofu
Naokiri
Mofu
Naokiri
Mofu
なおきりくんはいっつも冗談ばかりで、面白い。 今回はとても不思議な事を言うけど、いつもは皆を笑わせたりしてる。
Naokiri
Mofu
__さい。
おき__い
起きてください!!
Mofu
Mofu
Mofu
Mofu
飛び起きて、男を突き飛ばした。 つもり、だったけど。 僕の力なんかじゃ成人の男性はつき飛ばせやしない。
Mofu
Mofu
Siva
Siva
Mofu
Siva
Mofu
Mofu
背の高い男は、ベッドに座り込んだ僕に膝をついて手を握ってきた。
Siva
Siva
Siva
Mofu
Mofu
Mofu
Siva
どうして、貴方が悲しい顔をするの? いつも、いつも、いつもそうだ。 本当は僕が一番悲しいよ。 なのに、いつも僕じゃない誰かが涙を流すんだ。 いっつも いっつも
腿の上で握りしめた拳が凍えてるみたいに震えた。 シヴァさんの手はあたたかかったけど、僕の手は死体のように冷たいような気がした。
Mofu
Siva
Siva
Mofu
Mofu
Siva
Mofu
Siva
Mofu
Mofu
Siva
Siva
Siva
Mofu
いつの間にか、時計の針は「9」を指していた。 夜はまだ浅い。
取っ手を掴んで引くだけなのに、気が引ける。 開けたら、もふが消えていなくなってしまう気がする。
Japapa
扉を開くと、何かいい匂いがした。
Japapa
お母さん
お母さん
Japapa
お母さん
お母さん
Japapa
お母さん
Japapa
お母さん
Japapa
いつも、もふは一人でご飯を食べているのかな。 いつも、家で一人で寂しい思いをしているのかな。
お母さん
お母さん
もふは呼び捨てなのに 俺は、 "じゃぱくん" なんて気持ち悪い名前で呼ぶんだ。
Japapa
お母さん
お母さん
お母さん
Japapa
食いしばって奥歯が不愉快な音をたてていた。 手をあげたい気持ちを噛み殺して、静かに頷いた。 なんだよ もふとお母さんの事をバカにするのか、この義母さんは…。
Japapa
お母さん
だだっ広い部屋に縦長の机が一つと、無駄にある椅子。 向こうの端には弟が座っていた。 目の前には皮の大きな椅子と湯気のたった料理。 お父さんの席だ。 誰も居ないけれど。
料理を美味しくなさそうに口に放り込んでは一生懸命咀嚼している。 時折、ワイシャツの袖で目を擦っていた。
Japapa
Mofu
Mofu
一生懸命の笑顔がやけに心に刺さった。 ナイフとフォークを握る手は震えているのに、こんなに幸せそうに笑っているように見える。
Japapa
Mofu
Mofu
Mofu
Mofu
Mofu
ご飯美味しくないな。 誰かと食べたいな。 寂しいな。
Mofu
いっつも一人で なのにいっつも怒られて 叱られて 叩かれて 閉じ込められて いっつも いっつも
でも、多分これは普通の事なんだ。 僕が弱いだけなんだ…
Mofu
Mofu
俺が家を出てから ずっと 一人なのか
Japapa
Mofu
Japapa
Siva
Japapa
Siva
Mofu
Japapa
Mofu
Japapa
Mofu
Japapa
Mofu
Japapa
Japapa
Mofu
幼い子供みたいな声だった。
Japapa
Mofu
Japapa
Mofu
Japapa
Mofu
Japapa
Japapa
Mofu
Japapa
今にも泣き出しそうなもふを抱きしめ、できる限り優しく頭を撫でてやった。 「友達」か…(笑) それは、よかったなぁ
Naokiri
Naokiri
Naokiri
Naokiri
ほんの少し気まづそうに言葉を発する彼は、なんだか不愉快だ。 隣の彼はなんだか不気味に笑っているし…
Naokiri
Naokiri
Naokiri
Naokiri
Naokiri
Naokiri
Naokiri
Naokiri
Naokiri
Naokiri
こんな話を聞いて、俺はもふくんが心配でたまらなくなった。 面白い話を聞いても耳が受け付けないみたい。
嫌な予感…
夕日が屋上の隅々まで照らしていた。 ほんのり明るくて、どこか寂しげな色。 所々錆びたフェンスに手を掛け、夕日を眺めようとした。
1日でも愛しい人に会えないと、どうしても悲しくなってしまう。 それに、自分はまだ彼を知らない。
Naokiri
知らない事が多すぎる。 俺は本当に君を「好き」なのか? 人を愛しているという行為自体が俺に安心感を与えているのか?
Naokiri
Naokiri
Naokiri
Naokiri
Naokiri
俺を_
てと
てと
てと
皆さん睡眠中の脱水症に気をつけて! 僕の熱中症はそれが原因でした( ー̀֊ー́ ) 水の偉大さ痛感… あとご飯食べて沢山寝ましょ!
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