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夏の夕暮れ。 少しだけ涼しくなった風の中、屋台の焼きそばの匂いと、浴衣の裾が揺れる音。 「めい、次りんご飴食べよー!」 「えー、さっきわたあめ食べたばっかじゃん……」 親友の「ゆき」と笑い合いながら歩くその光景は、まさに“いつもの夏”だった。 空には打ち上げ花火。 きらきらと輝く時間。 だが──突然、それは崩れた。
大地がうねり、世界がぐらりと傾いた。 「……地震……!?」 「めいっ、こっち!」 ゆきが手を伸ばしてくれた。けれど、 直後、何かが──鉄骨のような重い構造物が、空から落ちてくるのが見えた。 「ゆき!、待っ──……」 そこで、すべてが真っ白になった。