一瞬で惚れた。
その美しく儚い横顔に……
貴方は、私を見てくれるかな。
○○
いつもの

マスター
かしこまりました

マスター
お待たせいたしました

○○
ありがとう

○○
ゴクゴク……はぁ、
なんでいつも…

○○
ん?

○○
あ、あの…

大我
………

マスター
このお方は、1人の
世界に入るとなかなか
抜け出せない方でして…

○○
そうなのね、
いつからこのBARに?

マスター
ここ最近ですね

○○
ふーん

それにしても綺麗な顔立ち。
恋に落ちたのはお酒も
入っていたから、そこまで
本気ではなかった遊び半分だった。
でも……
大我
なんですか?

○○
あ、いえ…
綺麗なお顔だなと
思いまして、気分を
害したなら謝ります。

大我
大丈夫です。

○○
いい曲ですね、
この曲ご存知で?

大我
ご存知もなにも、
俺らの曲なんで…

○○
え、あっ
そうなんですね

大我
俺帰りますね
では、

このままでは駄目だと
思った。そう考えていた時には
もう口に出ていた…。
○○
あの、お名前と
電話番号きいても
よろしいですか?

大我
…はい、マスター

マスター
かしこまりました

○○
あ、ちょっと

彼はBARを去った。
本人からは聞くことが
できなかった。
マスター
こちらに書きましたので

○○
ありがとう、

○○
(京本大我…名前まで
かっこいいのね笑)

○○
今日はもう帰るわ

マスター
早いですね

○○
えぇまぁ

○○
電話…

○○
えっ、

大我
もしもし

○○
も、もしもし

大我
驚いた?まさか
かかってくるとは
思わなかったでしょ

○○
えぇ、驚いた

大我
今から俺ん家来ない?

○○
え?何言っ

大我
住所送る。来る来ない
は、あなた次第だけど

○○
意外と強引なのね、

大我
笑笑
切るよ?

○○
わかった

電話が切れた音が
何故か今までで1番切なく
聞こえた…これからの事を
表しているかのように。
○○
送られてきた、えっ
案外近くに住んでるのね

○○
私よ

大我
入って

○○
ありがとう

大我
来たんだ

○○
暇だったから、

大我
ふーん、風呂入る?

○○
そうするわ

大我
どーぞ

○○
ありがとう

○○
次、どうぞ

大我
ん、酒とかは
冷蔵庫から自由に
とって飲んでいいから

○○
わかった

大我
入ってくる

○○
はい

○○
うわっ、色んなお酒
があるのね…あっこれ
頂こうかしら。

○○
ゴクゴク…美味しぃ

大我
ただいま

○○
あぁおかえり、
そういえば私の
名前……

大我
知ってる、マスターに
電話番号も名前も
聞いたから。

○○
はやい笑

○○
なんで私を呼んだの?

大我
覚えてないと思うけど
酔ってるあなたを何度も
介抱した。だから、
家が近いことは知ってた。

○○
嘘でしょ…

大我
こんな無駄話をしたくて
あなたを呼んだんじゃない
早くあっち行こう…

○○
わかった

大我
介抱“だけ”してた
俺、偉くない?
ちゃんと抑えてたんだ

○○
そうね

○○
んっ…

大我
ねぇ、俺に全て
さらけ出してよ…

○○
相性による…

大我
わかった

大我
今夜は眠らせない

○○
(微笑む)

○○
んん…はぁ痛っ…

○○
あれ、

○○
何これ

大我
ー手紙ー
ありがとう、楽しかった。
また愛し合えるといいな、
まぁそれは叶わないけど笑
あなたみたいな人に、
会えるのはもうないかな。
来世では一生一緒に…
なんてね笑鍵はかけなくて
大丈夫だから、じゃあ
さようなら。

○○
あーあ、やっぱり…

○○
あれ、なんで涙が…

電話の切れた音が、
あの日の音が脳内に鳴り響いた。
○○
帰ろう……
