弥宵
お久しぶりです
拓斗
や
拓斗
拓斗
姉さん
弥宵
無理に呼ばなくても良いのよ
拓斗
すみません
弥宵
あと、敬語も大丈夫
拓斗
はい
拓斗
間違えた
拓斗
うん
弥宵
ふふ
弥宵
ごめんねいきなり
拓斗
ううん
拓斗
今仕事じゃないの?
弥宵
そうよ
弥宵
ほら、結婚祝いにご祝儀あったでしょう
拓斗
あ
拓斗
うん
弥宵
それでね、あなたのご祝儀も混ざっていたの
弥宵
一緒に暮らしていて、高校生なのに悪いわ
拓斗
いや、いいんですいいんです
弥宵
敬語になってる
拓斗
あ、ごめん
拓斗
でも、ほんとにいいから
弥宵
そう…じゃあ有難く
弥宵
嬉しいわ
拓斗
そんな
拓斗
拓斗
それにしてもさ、
拓斗
まさか兄さんと結婚するなんて
弥宵
そうね
弥宵
びっくりしたわよね
拓斗
まあ
拓斗
でも、幼なじみとして嬉しく思ってる
拓斗
おめでとう
弥宵
弥宵
ありがとう
弥宵
あのね
弥宵
実は
弥宵
弥宵
なんでもない
拓斗
どうした?
弥宵
…あのね
弥宵
むかし、拓ちゃんが好きだった
拓斗
弥宵
ずっと
弥宵
好きだった
拓斗
やめろよ
弥宵
困らせているのは分かっているの
弥宵
だけど
弥宵
もう耐えれなくて
弥宵
涙が溢れてきて…
拓斗
拓斗
なんのために
拓斗
我慢してきたと思ってるんだよ
弥宵
ごめんなさい
弥宵
ほんとは…拓ちゃんが私のことを好きだってことも知ってる
拓斗
拓斗
は
弥宵
5年前
弥宵
雅くんが拓ちゃんの前で私に告白してきた
弥宵
私は断ろうと思った
弥宵
だけど拓ちゃんは笑ってた
弥宵
苦しそうに
弥宵
家に戻って窓の向こうから拓ちゃんの泣き声が密かに聞こえて
弥宵
次の日は笑顔で雅くんとのことを応援してくれた
弥宵
それを見て
弥宵
拓ちゃんは心から雅くんと結婚して欲しいと思ってるんだってきづいたの
弥宵
だから
拓斗
…なんだ
拓斗
気づかれてたのか
拓斗
超だせーな、俺
弥宵
ちがう
拓斗
いーんだよ
拓斗
俺はダサいままで
弥宵
弥宵
拓ちゃん…
拓斗
俺なんかより
拓斗
兄貴の方が弥宵を幸せにできる
弥宵
そんなことないよ
弥宵
今からでもやり直
拓斗
ダメだろ
拓斗
俺は弥宵の
拓斗
拓斗
姉さんの弟なんだから