テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

○○

あ…

○○

(今日もいる)

放課後、一人で教室に残って勉強しているあなたを静かに見つめる。

黒縁のピン底メガネをかけている彼は、

手を休めることなく、何かをノートに書いている。

○○

おまたせ、場地くん。

私が彼に声をかけると、彼は八重歯を見せて少し笑う。

厚い眼鏡レンズの奥の瞳が見えない場地くんは、

今日も不思議だ。

○○

だから、これはこの式を当てはめるから____。

放課後

私が場地くんに勉強を教えるのが日課になっている。

バジケイスケ

あ?どうやんだこれ?

バジケイスケ

えっくすなんか知らねえ!

勉強をしているはずなのに全く頭に入っていない場地くん、

そんなあなたが、いつのまにか愛おしく感じるようになった。

○○

(信じたくない。)

○○

(好きになんかなってない。)

自分に教え込ませてきたけどもう限界だ。

○○

フフッ、ゆっくりでいいからね。

あぁ、やっぱり好きだ。

好き、好き好き。

………好き。

○○

好き…

バジケイスケ

んァ?

と、目の前で場地くんが怪訝そうに顔を上げた。

○○

(え、私今何言って…)

バジケイスケ

俺のこと好きなんか

○○

っあぁぁ!

○○

ごめんごめん!数学が好きなの!

衝動的に誤魔化した。

ねえ、私があなたに好きって。 愛してるって伝えても。

あなたは、困るだけでしょ__.......?

○○

用事思い出した!ごめん帰る!

私はどこまでも自分勝手だ。気まずくなったからすぐその場から逃げる。

私は知らない。

場地くんの気持ちも

あの時、『オレもなんだけヨ』って言おうとしてたことも__。

帰り

いつもの道を歩いていると不良に絡まれた。

ナンパ、というやつなのだろうか。

こんな経験初めてなので、黙っていると

少しイラついたらしい。

男の人に壁に押し付けられる。

○○

わっ…、やだ、

怖くて手が震える。

○○

(なんで)

○○

(なんで私にこんなことするの。)

○○

(私の気持ちが落ち込んでいること知っておいて。)

神様は不公平だ___。

??

おいコラ、何やってんだァ?

ハッとした。

聞き覚えのある、低音の声。

見ると、髪の長い男子が一人、こめかみに青筋を浮かべて男の頭を掴んでいた。

○○

(あぁ、この人も不良か)

もう、疲れたよ___。

気づくと、周りにいた男達は全員いなくなっていた。

??

大丈夫かァ?○__……

○○

近づかないで!

○○

(この人何か言いかけた。)

でも、私はそれをさえぎる。

??

はァ?何言って__……

○○

不良なんて大嫌い!ヤンキーなんて嫌い…!

○○

2度と近寄んないでよ!

○○

(私、何言ってるんだろう)

近づいてくる男に後退りしかできない私は弱すぎる。

??

……

男は、何も言わなかった。

ただ、太くてしっかりした眉を八の字に下げて、悲しそうな表情をするだけ。

ねえ、どうしてそんな顔をしているの?

私が不良のことを悪く言ったから?

助けたのにお礼も言わないから?

もういやだ、何も考えたくない

○○

っ、、

私はその場から走り出した。

よく見れば分かったのかな。

私の学校と同じ制服を着ていたことも。

バックからピン底のメガネが見えていたことも。

見間違えることのない

八重歯があったことも。

全部、全部。

彼が、あんな表情をした理由も…_。

この作品はいかがでしたか?

525

コメント

7

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚