『ねぇ、教えて。』

ほんとはさとみくんと来たかったけど…

忙しそうだし、わがまま言っちゃいけないよね‪…

30分後…

数時間後…

ピーンポーン

ガチャッ

目の前には、山積みの仕事。

でも、もうやる意味なんてない。

だってこれは、ころんのために自分で増やした仕事なんだから。

ころんには辛い思いをさせてきたと思う。

男同士の恋は、そう簡単にはいかないものだ。

色々辛いことを言われてきたと思うよ。

それでも、ころんはそばに居てくれた。

俺の名前を、隣で呼んでくれた。

だから、俺もなにか返したかった。

アイツに、笑って欲しかった。

稼いだお金で、何処か遠くへ旅行でも行って。

今までの分、恩返し出来たらって。

それだけだったのに。

俺は今まで、どれだけころんを傷つけてきたのだろう。

ころんのためだと言いながら、どれだけころんの声を無視してきただろう。

ころんには、もっと俺にして欲しかったことがあったのに。

サプライズで旅行するより、もっと2人で笑って過ごしたかったんだろうな。

ころんは、それをちゃんと言ってくれてたのに。

俺が、全部無視したんだ。