キーンコーンカーンコーン
憂鬱な音。私の何よりも苦手な音が鳴り響く。
先生
うわ…私の嫌いな先生やん最悪だこれ
私はスゥッと目を閉じた。眠って現実逃避をするつもりで。 帰ったら何をしようか。
低い声、かさ張る紙の音だけが聞こえる教室。 そんななか突然教室のドアをガタンと開ける音がした
葛葉
葛葉
葛葉だ。
なんだ、今日は来ないのかと思った。てか寝癖やばいなあ笑 寝坊したんだろうな
先生
葛葉
葛葉
先生
先生
先生
叶
叶
椎名
椎名
先生
先生
葛葉
いやすごっ、あいつ。 よくあんな生意気な態度取れるな
まあいいや。葛葉の生存確認も取れた事だし。寝よう
窓越しに感じる太陽の温かい光 さっきまで空いていた隣の席には 人の気配を感じる。正しくは人ではないか。
それになぜかは分からないけど 急に居心地、いいなあ。
?
?
なんか聞こえる。なんかうるさい。 なんかむかつく。眠ってる最中に話しかけてくるな。だれだこいつは。
?
?
○○
?
?
なんだくずはか
○○
葛葉
葛葉
葛葉
叶
叶
椎名
笹木
んふふ なんでかは分かんないけど やっぱり居心地がいい。
葛葉
葛葉
○○
笹木
笹木
椎名
○○
叶
椎名
笹木
葛葉
椎名
椎名
あーなんだろう。やる気起きてきた 今日は学校頑張ってみるか。
うああ!!
学校つかれたああ
そのままベッドにダイブする私。
ねむいねむいねむいねむい
金曜だからかな てか今日は真面目に頑張ったから いつも以上に疲れてるや
○○
私は思わず声が出た
自分から連絡してくるとか前まで本当になかったから、やっぱり慣れない。
すぐに返事を返す。
クズハ
○○
クズハ
クズハ
○○
クズハ
クズハ
通話
05:49:02
クズハ
○○
うん。我ながら頭おかしい。
長く話しすぎじゃね?!?! いや、そりゃゲームもしたけど
したけど!!!!
最近、変な勘違いをしてしまいそうになる。まあ葛葉はそんなつもり一ミリもないんだろうけど。
だからずるい。だから苦しい。
…くるしい?どういうこと?自分の気持ちがよくわからん。こわい。 もういいや今日は寝よう
AM 11:30
やっばい!いつも以上に寝すぎた
クズハ
不在着信
クズハ
不在着信
????????
はい????
私は寝起き初手から宇宙猫になりそうだった
なになになに!?怖すぎるんですけど
(とか言いつつちょっとだけ にやけてたのは内緒)
は。なんだこの生き物。
なんだこいつなんだこいつなんだこいつ
なんでわざわざ私を誘うんだ!?
かなかなとか椎名とかいるじゃん。 なんでわざわざ!?
…まて、私の勝手な自意識過剰かもしれん。いやてかそうだろ。すいません勝手に一対一だと思ってた。な訳ないよね〜〜。
!?!??!!!!!!!?!
は?は?は?
いや落ち着けわたし
見間違えだよね
ただの見間違え。ふう……
○○
……おっと
危ない。声に出してた。
さて、どうすることか。
急に葛葉に会うことになってしまった
顔の治安は良さげだし…って何考えてるんだ?ただの友達の、葛葉に会うだけだぞ自分。どうしたの!?!
心の中で永遠に自分と問いかけあった。
PM 14:00
結局、花柄のワンピースに可愛めのメイクをしてきてしまった。
なんだろう死ぬほど恥ずかしい、うう消えたい。くずはどこだくずはどこだ。いやなんなら居ないで欲しい会いたくない恥ずかしい寝てて欲しいお願い寝過ごして
この時間、私の心の声と鼓動は何よりも大きく聞こえた。
あ、くずはいた、、、!!!
ゆっくりと近付く。
バレないように。バレないように。
○○
葛葉
え。
待って顔良くない?
一目見た瞬間、まずその美貌に驚いた。学校では隠しがちな髪と目も今日だけは白髪赤目に戻っており。服装もピシッと決めた黒シャツ。流石吸血鬼、と言わんばかりの着こなしだ。
いてっ
葛葉
○○
○○
○○
葛葉
○○
葛葉
葛葉
無言で、ただ何もかも吸い込んでしまいそうな、冷酷で奥底知れないレッドワイン色の瞳に見詰められている。
なに!?なになになに。私やっぱおかしいかな。うわもうこんな服着てこなきゃよかった恥ずかしい殺してください!
葛葉
○○
○○
○○
葛葉
なんだよその反応!てかちょっと褒めてくれるかもって期待したし。 私も嘘つくの下手だなあ。いつも通りってなんだよばか
○○
葛葉
やり返してみたら今まで目があっていたのに、その瞬間に逸らされた。動揺しているのだろうか。
○○
○○
私は優位に立ち気持ちの行くままに煽り倒す。
葛葉
○○
葛葉
○○
先に歩き始めた彼の背中はいつもより少し、ほんの少しだけ。大きく見えた。
何分歩いたのだろう。 彼と話していると会話は弾むし何気に歩幅を合わせてくれるために、全く苦じゃないのだ。
○○
葛葉
○○
どちらも、生粋の甘党である。
○○
○○
葛葉
葛葉
○○
○○
葛葉
○○
彼の可愛らしい笑顔に私の大好きな スイーツ。しあわせだ。 ずっとこの時間が続けばいいのに。
○○
葛葉
○○
葛葉
○○
あーあ、この時間が終わっちゃうなあ。 さみしい。
葛葉
○○
葛葉
○○
二人で乗り場までを歩くと丁度電車が来た。その電車は時間も相まって人がギュウギュウになっている。俗に言う、満員電車。
え。まてまて。キツくない?これ乗るの?狭すぎる。狭いってことは強制的に距離が…
気付いたら私はドアに寄りかかり、その上から葛葉が被さるように立っていた。
○○
あ、やばい声出しちゃった。
葛葉
○○
平常心平常心。なんか壁ドンぽくなってても気にしない。顔近くても気にしない。平常心。
葛葉
・・・?
○○
葛葉
いや明らかに何かある顔をしている。 と言うよりかは悪い顔してる!! 笑いを堪えてる!私は知ってるこの顔は私をバカにしてる時の顔!
葛葉
私の住んでいる街の駅に着いて、無意識のうちに家までの道を歩く。
○○
葛葉
○○
○○
葛葉
はい予想通り 大爆笑されてます。なう(202〇/○/○○ ○:○○:○○)
○○
葛葉
○○
葛葉
○○
まって。次は予想外すぎる。 なんか前髪終わってたとかかと思ったらまさかの!?
いやそんなん言ってる場合じゃない。 恥ずかし過ぎる。恥ずかしすぎて今も変な声出た。恥ずかしい。
葛葉
葛葉
○○
葛葉
葛葉
葛葉
はずかしすぎてなんも言えんかっタ。
てか今気付いたけど結局家まで送って貰ってるし勝手な想像だけど絶対用事とかなかったでしょ。あいつただのイケメンか?ムカつくなあ!タラシがよお!
○○
恥ずかしかったし消えたい衝動に駆られる時もあったけど、でもそれでも 行ってよかったな。楽しかった。 どうか葛葉がこうやって誘うのは私だけで あって欲しい。変わらないで欲しい。
なんて馬鹿なことを思いながら目を閉じた。フォルダのお気に入りに唯一入っている写真が幸せそうな顔の彼なのは誰にも言えるはずがない。
コメント
4件
死ぬほどキュンキュンしてしまった…天才すぎますのでフォロー失礼します…
最後の仕掛け割とこだわってるのでキュンとして欲しいな…( ˊᴗ ̫ ᴗ` )