玲
…………
いつものように屋上に行くと三つ編みの男の子が一人
その子が靴を脱ぎかけて…
私は声を掛けてしまった
玲
ねぇ、辞めなよ
蘭
ッ?!
蘭
だ、誰だよ…お前には関係ねぇ、
玲
え、あ、その、
蘭
なんも言わねぇなら帰れ
玲
……口をついて出ただけ
蘭
は?
玲
本当はどーでも良かった
蘭
じゃあ、なんで、
玲
先越されんのが、何となく癪だった、
蘭
癪って、……
蘭
……あの、
三つ編みの子は語る
どっかで聞いたようなこと
蘭
運命の相手だった……
蘭
どうしても、愛されたかった……
玲
チッ……
玲
ふざけんな!
蘭
え、
玲
んな事で私の先を越そうなんて、
玲
欲しいもんが手に入らないなんか……
玲
奪われたことすらねぇくせに…!
蘭
……なんか、話したら楽になったわ笑
蘭
ありがとな……それじゃ
玲
……はぁ、
玲
……今日こそは、
そう言って靴を脱ぎかけた
でもそこに、背の低い男の子がいた
竜胆
……
玲
……何かあったの?
声をかけてしまった
竜胆
……えっと、
背の低い子は語る
クラスでの孤独を
竜胆
ずっと独りで、無視されて奪われて、
竜胆
俺にはもう……居場所がねぇんだよ…
玲
ふざけんな!
竜胆
ビクッ
玲
そんな事くらいで、
玲
私の先を越そうだなんて、!
竜胆
で、でも、!
玲
それでも、うちでは愛されて
玲
暖かいご飯もあるんでしょ?
竜胆
…………
竜胆
……何か腹減ってきたわ、w
竜胆
ありがと、じゃあな……泣
背の低い男の子は出ていった
そうやって何人かに声を掛けて、追い返して
玲
はぁ、、泣
私自身の痛みは誰にも言えなくて
××
〜〜〜、!
玲
〜〜〜!!
○○
……〜〜、!
玲
〜〜〜……!!
初めて見つけたんだ。似たような悩みの子
玲
何人目かにあったんだ。
春千代
誰ですか、?
玲
(黒マスクの子……)
玲
何があってここに来たんだよ
春千代
うちに帰る度に増え続ける痣を消し去るため……
春千代
ここに来た…
玲
口をついて出ただけ
玲
本当はどーでも良かった……
春千代
え、?
玲
思ってもないこと……声掛けちゃった、
春千代
なら、どうして、!
玲
ねぇ、辞めてよ……
春千代
ッッ!!
春千代
…………辞めろよ
玲
!!
玲
(この子は……止めらんない)
玲
(私には……)
止める資格が無い……
玲
でも、ここからは消えてよ……
春千代
…は?
玲
君を見てると苦しいんだ!!泣
春千代
……じゃあ、今日は辞めておく
ガチャ
玲
今日こそ誰もいない……
玲
私一人だけ、
誰にも邪魔されない
玲
邪魔してはくれない…
カーディガンは脱いで
玲
よい、しょ、っと
背の低い私は
玲
今から飛びます……!
ガチャ
蘭
玲!
竜胆
玲!
春千代
玲さん!!
玲
……じゃあね
BADEND