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恋の拷問とか好きすぎる
恋の拷問 1日目_____
あれからと言う物 連絡先を聞いたが、 スマホも何も持っていないと言われた。 今の時代そんな奴がいるのかと不思議に なりながら、 時間と場所を詳しく指定し、 今日。 俺が今いる場所に集まることにした。
場所は六本木の目立たぬ様な場所。 仕事やアイツと俺の容姿から、 目立つ場所に居ると あまり良くないだろう。 そう考え、 ここを指定したのだが……
竜胆
自分の腕に着いている 高い時計をまじまじと見るが、 明らかに指定した時間を 遥かに超えて居た。
スマホも知らないアイツなら、 迷うという可能性も有り得る と考えるが、 探す義理もないので このまま帰ろうかと思った。
帰ろうと足を動かすが、 どんどん家から離れてゆく。 俺の思考とは逆に、 足はどんどん 人の波を掻き分け、 何かを探していた。
赤く低めのヒールを履いて 指定していた場所に向かおうと 足を動かしていた。 動かしていたはずなのですが、…
見事道に迷い、 ここがどこなのかも分からなくなってしまっていた。 フラフラ歩いて見るが、 周りの人が多く あちこちぶつかってしまう。
この大勢の人からは ぶつかった瞬間酷く睨まれたが、 その後は顔を真っ赤にして 人ごみに紛れるように消えていった。 あれやこれやと 歩いている内に、 ベンチがある場所を見つけた。
そのベンチは日が当たっていて、 明らかに暑そうで人は全然いなかった。 歩いてもしょうがないと、 フラフラベンチへ腰を下ろした。
ボーッと座っていますと 目の前に身長が少し高めで サングラスをつけ髪を金色に 染めている男性が立ち止まった。 「ねぇ?そこの珍しい服を着ていて、 金魚みたいなお姉さん。 良かったら俺と遊ばない?」
そう声をかけられた。 金魚みたい。 それはきっと私のことだろうと 理解した。 これは所謂ナンパというものだろうか。
でも少しおかしい。 ナンパというのは女の人が するものでは無いのだろうか。 あの人はそう言っていた。 あの人の言葉を静かに思い出した。 『今日も色んな女に ナンパれてさぁ疲れたのなんのって…… あ、ナンパって言うのは……』
声をかけられてから少し 時間が経った。 目の前の男性は、 無視をされたと思ったのか、 少し苛立っている様に思えた。
「聞いてる? あのさぁ、取り敢えずそこにいいお店があるんだけど、 一緒に来てくれる?笑」 という声共に、手首を強く引っ張られた。
後ろへ身を引こうとしたが、 男性の力は強く、 振り払うことは出来なかった。
そう断りをかけるが、 「だーいじょーぶ そんな男より俺らの方が断然いいって笑」
目の前にいる男性は1人なのに、 俺らという言葉は少し 突っかかった。 脳が危ないと信号を出すが、 逃げることも出来ないので 少し抵抗することしか出来なかった。
竜胆
竜胆
さっきまで腕を強く握られていたのに、 軽く振りほどき私の手を引っ張った この人は、 私の恋するお方でした。
引っ張られている間も 心は幸福感で満たされ、 顔がほころんでいるのを感じた。
竜胆
竜胆
竜胆
淡々と嘘をつく俺に 礼儀正しくコイツは礼をした。 こいつがいた場所は 集合場所から 遥かに遠い場所だった。 なぜそんな所にいたのかと聞くと 驚いた表情をしながら、 恥ずかしそうに道に迷ったと言った。
竜胆
竜胆
我ながらキモイなと思いながらも、 これ以外に出会う方法がないので、 住所を教えてもらおうとした。
急に焦りだしたコイツに なにか事情があるのかと思い わかったとだけ返事を返した。
竜胆
竜胆
話を変えようと とりあえず、 名前を聞いていなかったのを思い出した。
竜胆
竜胆
明らか挙動不審に なりながらも こいつは俺に コイと名乗った。
竜胆
竜胆
竜胆
竜胆
竜胆
ため息を深くつきながら、 俺は今更ながら 自分の名前を名乗った。