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メル・プリソン

いってらっしゃーい

メル・プリソン

………

朝起きると

前まで清々しかった朝が

なんだか重く感じた

メル・プリソン

…はぁ……

ため息の数も増えていく

メル・プリソン

…やだなぁ

一日が始まるのは

夜が来てしまえば

また明日が来るのは

メル・プリソン

…憂鬱だ

今日も

何気ない一日を過ごして

もぶ

なぁ…あいつってさ…

もぶぅ

女見てぇだしきもいよな…

メル・プリソン

……

メル・プリソン

(気づいてるっての…、)

陰口を叩かれて

学校が終われば

少しは解放された気分になる

メル・プリソン

…っはぁ……

学校では

ランク

立場

権力

その言葉ばかり耳に入る

メル・プリソン

…自分の嫌いな言葉ばかりだ

家には

大好きなお父様と

大好きなスメルがいる

息は苦しくないものの

プレッシャーで潰れそうだ

メル・プリソン

…はぁ……

暗い部屋で

1人

それが1番落ち着いて……

自分に似合ってる

メル・プリソン

…今日は…

メル・プリソン

何もしたくないなぁ……

生きることも

死ぬことも

もう何も感じない

メル・プリソン

……

メル・プリソン

…ねむくなってきた…

このまま少し寝よう

…そのまま起きなければいいな

…?

ここは…

……夢…?

…あの人影は……

スメルか…

メル・プリソン

お〜いっ、スメル〜!

スメル・プリソン

……

あれ……?

聞こえない…のかな……

こんな近くにいるのに…

メル・プリソン

スメル…?

スメル・プリソン

……

どうして…、

どうして自分を無視して歩いていくの?

なんで

どうしてッ…、?

サクラ・イフ

……

あ……

メル・プリソン

サクラ…?

サクラ・イフ

………

やっ…ぱり…

ゆめ…なのかな…?

わからない

現実なのか

夢なのか

わからないッ…、

夢なら…

……

覚めなくても…いいや…

起きても…また、

醜い世界で生きなきゃならない

…そんなことなら

夢の中で…孤独で…

その方が……よっぽど…

自分に似合ってる

スメル・プリソン

……

スメル・プリソン

そろそろ…父様の帰ってくる頃か

スメル・プリソン

メルは…どこだ…?

スメル・プリソン

…っと…その前に…夕飯の支度…

スメル・プリソン

…メル?

スメル・プリソン

め……ッ…

スメル・プリソン

…っ…、!?

メル・プリソン

はぁ''ッ…はッ…

メルの手が…

消えがかってる…ッ…

スメル・プリソン

メルッ…!!

スメル・プリソン

起きろ……!!起きろメルッ…!!

何度声を荒らげようと

メルは起きない

スメル・プリソン

っ…!!!!!

スメル・プリソン

起きろっつってんだろ''ッ…!!!

スメル・プリソン

僕はお前を守らなきゃなんねぇんだよッ…!!!!

スメル・プリソン

いつもッ…!いつも守られてばかりでッ…!!

スメル・プリソン

なんで…僕は……

メルを…

助けられないの……ッ…、?

スメル・プリソン

起きろよッ…メル……ッ…

手を握ろうとしても

その手を通り抜けてしまう

メル・プリソン

っ……ッは…ッ…

苦しそうなメルを

ただ見つめることしか出来なかった

スメル・プリソン

っ…確か…

スメル・プリソン

魔力を持ったものは…

消えたいと

強く願うことで…

本当に消えてしまう

スメル・プリソン

じゃあ…メルはッ……?

消えたいって…思ってたのか…?

消えたいと思いながらも

僕達を助けて…くれてたのか…?

スメル・プリソン

っ……

スメル・プリソン

そんなのッ…

気づけねぇっつの…ッ

魔力でランクが決まる世界なんて…

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