鼻がもげそうなほどの悪臭がした。
目の前には,止まることを知らない
赤,赤,赤。
不思議と恐怖は感じなかった。
ただただ,目の前で胸を突き抜かれて 即死した私の親友を見て
喪失感に駆られた。
et.
耳が痛くなるほどの悲鳴と,泣き喚く声。
rn.
私だって聞きたいよ。
na.
私だって目を逸らしたいよ。
でもできなかった。
これが,これこそが私に問われた責任。
彼らの罪の重さ。
et.
許しちゃいけなかった。
許されてはいけなかった。
でも,こんなことになるのなら____。
et.
冷たい無機質の上で目が覚めた。
四畳半ほどの,小さな部屋。
どうやら私は,この場所で寝ていたようだ。
et.
その部屋に見覚えはなくて
どういった経緯でここに来たのか,もしくは連れてこられたのか。
それすらもわからない。
すぐ隣から,可愛らしい声が聞こえた。
et.
見ると桃色のボブヘアで,私と同じぐらいの女の子が そこに座っていた。
na.
彼女もこの部屋に連れてこられたのだろうか。
それにしては,妙に落ち着き払っている。
私は警戒を緩めず,名前を打ち明かした。
et.
na.
話ぶりからして,私と同じ境遇にいることは 間違いないだろう。
et.
na.
na.
どうやら私達は,この閉鎖空間に閉じ込められたようだ。
na.
et.
na.
冷静さを見失わないように,一呼吸おく。
na.
この閉鎖空間という少ない情報の中で,もう 状況を把握しているのか。
et.
et.
そういうと,naさんはこくりと小さく頷いた。
かといって,ここから出る方法はないに等しいだろう。
唯一の脱出口は完全に閉鎖されているし
この狭い部屋の中にいるのは,私達二人だけ。
na.
本当にその通りだ。連れてこられる前の記憶は 依然として思い出せないまま。
na.
et.
na.
焦ったように話をそらすnaさんに,少し違和感を覚えた。
人に話せないような内容なのだろうか。
それにしても,ここから出るための鍵になるのなら 教えてほしくも思うが。
na.
naさんは少し考えるような仕草をする。
et.
na.
et.
なぜそこで私が出てくるのだろうか。
私たちがここに連れてこられた共通の理由を見つけたのか。
それとも_____。
et.
na.
それでも教えてはくれないみたいだ。
考えられる可能性の範囲内では,やはり知っておきたい。
まぁ…無理に聞く必要もないか。
かちゃ。
不意に,扉の鍵が開く音がした。
na.
二人してドアの方に首を傾ける。
et.
得体の知れない何かが来るのではないかと
体を強張らせながら一点を見続ける。
しかし,扉が開くことはなく,私たちの心配は 杞憂だったようだ。
na.
et.
決断は頭の良いnaさんに委ねることにする。
na.
et.
na.
naさんはその場で腰を浮かし,私の手をとって 立たせてくれた。
その手は少し震えていて,落ち着かせるように わたしも握り返した。
部屋を出ると,円形の通路と繋がっていて
その奥に開けたエントランスが見えた。
na.
na.
et.
不安は未だに絶えることはなく,先ほどよりも 力強く,naさんの手を握った。
少し歩いて,ようやくエントランスに並べられた 机達が見えてきた。
na.
et.
よく目を凝らすと,私たち以外にも ざっと10人ほどの人達が集められていた。
et.
na.
わたしだけじゃないと,ほっと胸を撫で下ろす。
しかし油断は禁物。いつなにが起こるかなんて
誰にもわからない。
na.
na.
エントランスにつくと,先に来ていたと思われる 10人の男女に視線を突きつけられる。
誰かがそう口にしたわけではないが
私とnaさんを警戒するような,ピリついた雰囲気が 辺りを満たした。
口を開いたのは,金髪に眼帯が目立つ,あまり背丈のない 男の人だった。
tt.
こんなよく分からないところに連れてこられているのに
ttと名乗る人は,陽気な声で空気を解きほぐしてくれている。
no.
mf.
他のみんなも,つられて口々に名前を言ってくれる。
rn.
ur.
hr.
ya.
sv.
dn.
jp.
tt.
全員自己紹介を終えたところで,水色髪のrnさんに
私たちの席へ案内される。
rn.
et.
ささっと手際よく椅子を引いてくれるrnさんに,少し 申し訳なくなる。
na.
sv.
黄緑の髪色をしたsvさんがそう言うと,他のみんなも うんうんと頷く。
dn.
確かに,道なりにそってここまで来たけれど
特別,何か誘導をされたわけではなかった。
必ず私たちをここに集めた人物がいるはずなのに。
mf.
mf.
囚人,と聞くと人聞きが悪いが
まるで牢屋のような閉鎖空間とその事を関連づけると 妙に納得がいく気がする。
na.
na.
tt.
先ほどnaさんが濁していた話だろうか。
na.
na.
作品詳細 ↓
・日,火,木更新 ・作者→まころ ・登場→crpt
あ な た は 彼 ら の 罪 を 知 っ た と き
本 当 に 許 す こ と が で き ま す か ?
コメント
13件
神作の予感しかしないっ✨️✨️ うーーん、皆さんが言ってる通り犯罪ってやっぱ良くないけど犯罪を犯しちゃうって事は何らかの理由があるって事ですよね、…その理由によって許せるかはやっぱ変わってきちゃいます。。 krptの皆さんが犯しちゃった罪が気になりますね🤔
うわ~!!今回も神作な予感!てか神作💖💖なんか闇が深そうなんで頭使いそうw続き楽しみに待っています!
普通は、犯罪犯したらダメだけど、推し達が犯罪犯したなら許す~ෆ特に最推しのno兄は何でも許すかもッ.ᐟ.ᐟ皆、どんな犯罪犯したんだろ……