菜月
…。
菜月
生徒を好きになるなんて…絶対有り得ないです。
直人
…そう?
菜月
「未成年とは付き合えない」っていうのは、
菜月
法律なので…。
直人
菜月は昔からそうだよね。
菜月
…え?
直人
「法律」とか「約束」とか、
直人
守らなきゃいけないのって…息苦しくない?
菜月
…っ、
直人
…もし法律なんかがなかったら、
直人
俺は今頃…菜月を閉じ込めてるだろうね。
菜月
…え。
直人
閉じ込めて…、
直人
他の男に見られないように、
直人
俺しか触れられないようにする。
菜月
…。
直人
まあ法律なんかなくてもやっちゃうかもしれないなぁ…俺なら。
菜月
その冗談、
菜月
笑えませんよ…。
直人
ははっ、
直人
冗談に聞こえる?
菜月
…。
直人
…菜月の場合はさ、
直人
もし法律なんかが無かったら…何したい?
菜月
私…は…、
菜月
(もし…法律がなかったら…。)
菜月
好きになってるかもしれません。
菜月
その生徒のこと…。
直人
…そっか。
直人
そんな熱心に話されると…妬けちゃうなぁ。
菜月
…。
直人
まあけど…だとしたら法律があってよかったと思うよ。
直人
菜月を未成年のガキに任せるなんて、
直人
俺が許せないから。
菜月
とにかく…!
菜月
早く土地の買取を辞めさせてください…。
直人
それはできないかなぁ。
直人
だって菜月…もう俺と結婚する気が無さそうだし。
菜月
…あたりまえじゃないの!
直人
ヤケに本気だね。
直人
けど…土地は返せないかな。
直人
あ…けど、
直人
俺と結婚してくれるんなら家も金も地位も…全部あげるよ。
菜月
…。
菜月
最低…。
直人
…悪者にでもならないと、
直人
菜月が振り向いてくれそうにないし。
菜月
…私は、
菜月
好きでもない人と結婚したくありません…っ。
菜月
…だから、
菜月
(だから…っ。)
菜月
身体でもなんでも売って…貴方のこと、
菜月
見返してやりますから…っ。
直人
はっ…。
直人
冗談だろ?
菜月
…冗談に見えますか。
直人
…。
直人
4年も離れてるうちに強くなったんだな、
直人
菜月は。
菜月
…。
直人
…じゃあ、
直人
「賭け」をしようか。
菜月
…え?
菜月
(賭け……?)
菜月
千秋くんに命じたのも…全部直人さんだったんですね…。
直人
そうだよ。
直人
千秋を駒として利用した。
直人
でもそれは全部菜月のためだ。
直人
本当はこんなことしたくないけど…。
直人
菜月に1ヶ月だけ時間をあげる。
直人
その間に100万円稼いでこい。
菜月
…そんな、
菜月
無茶苦茶です…!
直人
もし稼ぐことができたら…、
直人
俺は菜月から手を引くし、
直人
家も職も返してあげる。
直人
ただし…、
直人
稼いでこられなかったら、
直人
俺と結婚すること。
菜月
…!
菜月
なんでそこまで…!
直人
そこまで…?
直人
こんなんじゃ足りないくらいだ。
直人
僕は菜月のことを愛しているんだから。
菜月
……!
菜月
(4年前の…直人さんじゃない……。)
直人
これが条件。
直人
どう?
直人
やる?
直人
やらない?
菜月
…っ、
菜月
(ここで引いたら、)
菜月
(4年前の私と同じだ…。)
菜月
やります。
菜月
その賭け。
直人
…そう。
直人
じゃあ決まりってことで。
菜月
(今度こそ…、)
菜月
絶対…負けませんから。
#11もお楽しみに