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思い込み

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思い込み

1 - 思い込み

♥

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2022年01月23日

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それは本当にいきなりだった

一目見たとき恋に落ちた

その瞬間俺と彼は結ばれたんだ

白兎

みんなに、これからも幸せを……

しん

………………っ!

真っ直ぐ向かう姿も、声も、言葉も 何もかも好きになった

白兎

………………よし

白兎

そろそろ帰るか

しん

……………………

俺に背を向けて真っ直ぐ帰る

その背中すらも愛おしくて堪らなかった

しん

またね……

彼からの返事は無かった

だけど彼は浮気性だった

ある日、彼に会いに街におりた

しん

……っ!あれは

白兎

黒兎〜!あんま走んなよ!

白兎

転ぶぞぉ!

黒兎

白兎さ〜ん!大丈夫ですよぉ!

白兎

え、なんだよその呼び方……

白兎

なんでそんな他人行儀……

黒兎

…………くっ

黒兎

はっはははは!

黒兎

麻呂姉にやってみろって言われた

黒兎

面白い反応見れるぞって

黒兎

あー、おもしれぇ!

白兎

麻呂か……

白兎

全く……びっくりしたぞ

黒兎

にっししししし!

白兎

ふっ、ははははは!

2人は楽しそうに肩を組み笑いあっていた

しん

白兎……か

白兎と一緒に歩いてる男は白兎とよく似た服を着ていた

しん

…………ふふっ

しん

仕方がないな

しん

惚れた弱みというやつだ

俺はしばらく街を歩いて帰ることにした

手には白兎とよく似た服を持って

次の日、街が騒がしかった

神隠しがあったらしい

しん

……あ、白兎

白兎

……クソっ

白兎

どこに行ったんだよ、黒兎……

黒麻

あのバカ、どこ行ったんだよ……

白兎

俺が、俺が未熟なばっかりに……

黒麻

違うよ……

黒麻

だってずっと一緒に歩いてたんでしょ?

白兎

あぁ、ほんとに数秒だったんだ……

白兎

一瞬目を離したら横にいた黒兎がいなくなってた……

黒麻

……大丈夫だって

黒麻

あいつの事だケロッとした顔して帰ってくるよ

白兎

…………あぁ

白兎

黒麻……ありがと

ベンチに座り俯いている白兎の横にピッタリとくっ付いて座ってる男がいた

しん

…………なんであいつが

しん

……………………

しん

……あー、なるほど

よく見ると昨日の男とは目の色も眉の形も服装も違う

だが、髪の色や見た目はほとんど一緒だった

白兎

黒兎……

白兎

うっ、あ、あぁ………

黒麻

…………大丈夫、大丈夫だから

白兎が泣き出し、肩を揺らしている その時横にいた男が抱きしめる

しん

…………っ!

白兎

うっ、あああぁ……

白兎さらに泣き出し、男を抱きしめる

男には真っ赤な綺麗な耳飾りがついていた

しん

…………まったく

しん

昨日の今日で

しん

………………次はないよ

俺はまた、街をしばらく歩き帰ることにした

真っ赤な耳飾りをつけて

次の日、また街が騒がしかった

また神隠しがあったらしい

しん

…………ん、いた

白兎

……………………

麻呂

…………白兎

白兎

ん、

麻呂

気にするんじゃないぞ?

麻呂

黒兎も黒麻も白兎のせいじゃない

白兎

あぁ、

白兎の前には女が座っていた

麻呂

元気がない白兎を見るのは辛いのじゃ……

白兎

あぁ

麻呂

………………

白兎

うわっ

女が白兎の頭を撫で始めた

麻呂

そうじゃな、あの2人が心配じゃな……

白兎

……あぁっ

白兎が涙目になりながら悔しそうに顔を歪める

白兎

あ、そうだ……

白兎

麻呂、これやる

麻呂

ん?

麻呂

これは、ピン?

白兎

それ、付けといてくれ

白兎

願掛けしといた

白兎

麻呂まで俺の前から居なくならないでくれ

麻呂

……わかった

麻呂

似合っとるか?

白兎

あぁ、よく似合ってる

麻呂

そうかそうか

白兎が小さく微笑む

しん

はぁ…

しん

次はないって言ったのに

しん

本当に見境がないな……

俺は街を歩きすぐ帰ることにした

髪にはピンをつけて

次の日、街は騒がしかった

神隠しがあったらしい

俺は白兎とよく似た服に真っ赤な耳飾り、ピンをつけて白兎に会いに行った

白兎

ははっ……

白兎

俺の前から居なくならないって言ったのに

しん

やぁ、おはよう

白兎

…………あ

しん

全く……

しん

白兎も酷いやつだな……

白兎

ーーーーっ!

白兎

ーーっ!

しん

せっかくオシャレして行ったのに……

しん

あんな他人みたいな事言うなよ……

しん

俺ら付き合ってるのに

数十分前

白兎

ははっ……

白兎

俺の前から居なくならないって言ったのに

しん

やぁ、おはよう

白兎

…………あ

白兎

初めまして、こんにちは

白兎

あ、そうだ俺人を探してまして

白兎

最近神隠しされた人達なんですけど

白兎

知りませんか?

しん

………………

白兎

……?どうしました?

しん

…………んで

白兎

ん?えっと、すいません

白兎

なんて言いました?

しん

なんで初めましてなんて言うんだ!?

白兎

しん

そんな……他人みたいな

しん

酷いじゃないか!!

白兎

え、ちょ落ち着いて……

白兎

うわっ!

しん

ほら、見て?

しん

この服も耳飾りもピンも

しん

全部あいつらから貰ったんだよ?

しん

白兎が浮気した奴らから貰ったんだよ?

白兎

っ!!

しん

あ、そうか

しん

そうだよね

しん

喋れないと説明出来ないよね

しん

ちょっとまってて

俺は白兎につけていた猿轡を外してやる

白兎

っはぁ!

白兎

お前が!お前が皆を攫ったのか!?

しん

はぁ……

しん

ダメだな……俺はなんであんな他人みたいなこと言ったのかを聞いてるのに

しん

分かる?俺が聞いてるの

白兎

しらねぇよ!!

白兎

お前なんか知らねぇよ!!

しん

……………………

しん

しん……

白兎

あぁ?

しん

神(しん)だよ……

白兎

知らねぇな

白兎

それより、皆をどうした!?

白兎

早く皆を解放しろ!

しん

はぁ……

しん

ここに居るよ

俺は隣の襖を開けてやる

白兎

……っあ

白兎

あっ、あぁ……

そこにいる奴らは真っ赤になって動いてない

白兎

黒兎……

白兎

黒麻、麻呂!

白兎

なんで、なんで!

手足を縛られてるのに、這いずりながらあいつらに近づいていく

白兎

なぁ、動けよ……

白兎

目を覚ませって!

白兎

あっ、ああああ……

しん

……大丈夫だよ

しん

白兎はこれからずっと俺と一緒だ

しん

寂しくない

白兎

ひっぐ……

白兎

だれが……

白兎

誰がお前といるか!

白兎

お前とずっと一緒にいるくらいなら死んでやる!

しん

え、死んでくれるの?

白兎

……は?

しん

良かったー!

しん

もうちょっと駄々捏ねられるかと思ってた

白兎

お前……何言って

しん

俺とずっと一緒にいるためには死んでもらわなきゃ

しん

大丈夫、痛くしないから

白兎

は?なに……

しん

俺は人間じゃないないからね

しん

白兎には1回死んでもらわないと……

しん

俺とずっと一緒にいれない

白兎

人間じゃ……ない?

しん

ふふっ

しん

じゃあ、やるよー

白兎

っ!!

白兎

(体が動かない!?)

白兎

っあ……

白兎

うっ、うぁぁ……

しん

あ、ちょっと苦しかったかな

急所を一撃、これでもすぐ死ねない白兎は幸か不幸か

しん

…………不幸、かな

白兎

みん…………な

白兎

ごめ……んなぁ……

白兎は綺麗な涙を流して

しん

………………

動かなくなった

ニュース

近頃○○街にて行方不明者が出たとのことで

ニュース

因幡家の兄妹4人、全員が行方不明になっており

ニュース

未だに捜索は続いていますが〜〜

白兎……さん?

ッ!?

白兎さん!?

白兎さん!

ニュースで行方不明って……

見てますか!?

白兎さん!

クソっ……

既読つかねぇ

電話かけるか

トゥルルルルル

電話の音

この電話の持ち主は

電話の音

電波の届かないところにいるか

電話の音

人間でなくなったため繋がりません

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