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海

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1 - 海

♥

212

2022年04月03日

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およそ200m先、斜め右方向です。

聞き慣れたナビの音。

外を眺めると、透明感の強い海が見える。

今日は、僕、お父さん、お父さんの再婚相手のお母さん、

義理の兄弟の桃君と、

隣の隣の市にある、海辺のコテージに2泊3日の旅行の日。

一回、家族旅行にいったことはあるけど、あの時は1泊2日だったし...

チラッと、桃君の横顔を盗み見る。

チラッ

...ッ!!!!ニコッ

ッッッ!///ニコッ

クスッw

あ゛ぁぁぁぁぁ!!!!///

ま、見ての通り僕は桃君のことが好きです。

家族だから告白はしないけどね...

わぁッッッ!!!!

透明な水に、空がきれいに反射している。

桃ママ

荷物片付けとくから、ちょっと遊んでていいわよ~

ッしゃ!

桃君が小さくガッツポーズを作る。

そうだよね。海なんて、普段来ないもんね。

よいしょ...

チャポンッと、水に静かに手をいれる。

冷たッッッ

僕は、ポケットからハンカチを出して手を拭き、

鞄からスケッチブックを取り出す。

僕の唯一の趣味が、絵を描くことなんだ。

地味だよね...

シャッシャッ

ん~...

波が引いたり来たりするから、波の線が難しいな...

できるだけ、そのまま写しとりたいんだけど...

よっ☆

うわッッッ

そんな驚く?

むぅ...いいでしょ別にぃ...

何しに来たの?

いや、昼御飯食うってさ。

あ、は~いッッッ!

わ、意外と広いッ!

コテージなんて、初めて来たな...

青パパ

昼御飯はオムライスだぞ~

やったッ!

ごちそうさまでしたッッッ

ごちそうさまでしたッッッ!

午後からは何するの?

桃ママ

近くで、ペインティング大会があるらしいの。

桃ママ

だから、午後はペインティング大会の予定よ。

青いれば最強じゃんッッッ!

え、僕ッッッ!?

あぁ...(涙)

司会

では、お題を発表します!

司会

お題は...

海辺です!

ッッッ!!!!

海辺!僕、さっきまで描いてた!けど...

あんま覚えてない!やばい!

司会

スタート!

どーしよ...とりあえず...線画は描けないから...

ペンキで青を塗って...水色でぼかして...

司会

終了です!!!!

そこからは力が抜け、記憶がなかった。

司会

優勝は、青さんです!

...え?

桃ママ

すごいじゃない!

うん...あんまり実感沸かないけど...

すげーなッ!ワシャワシャ

もぉ~、髪ボサボサだよッッッ!///

わりぃw

ムスッ...///

ちょっと嬉しかったかも...

ちょっと!ちょっとだけね!

僕、絵描きに行くね!

桃ママ

うん!夕飯の準備してるからね~

俺泳いでくる!

桃ママ

はいはい、ちゃんと準備してからね~w

ザーッ、ザーッ、と、波が心地よい音をたてる。

朝はあんなに青く輝いていたのに、今は夕日でオレンジに輝いている。

ん~と...

線を朝描いたから、夕日をつけ足さなきゃいけない。

こっち消して...

夕日描いて...

う~ん、難しいなぁ...

あ...桃君...

着替えと準備を済ませた桃君がコテージから出てくる。

水着を着ている肌が、水を弾いている。

...かっこいい。

モデルにしよっかな。

動いているから描くのは難しいけど、

それぐらいかっこいい。

...僕は泳げないから。

せめて、かっこいい桃君を描きたい。

シャッシャッシャッ

...よし。

戻ろっと

ガチャッ

...あれ、

誰もいない。

...2人で散歩にでもいってるのかな。

部屋いこっと。

部屋は、大人組、子供組で別れている。

ベッドとベッドの間に小さなサイドテーブルがあり、

その上に小さなテーブルランプ。

コテージってこんなんなんだ...

ホテルみたい...

ボフッ

枕に顔を埋める。

時計をみると、5時30分をさしている。

そろそろ帰ってくるかな...?

ガチャッ

ただいま~

すごッッッ!僕天才かも()

お帰り~!

庭でバーベキューだと。

あッ、だからいなかったのか。

準備するから先行っといて!

りょーかい!

といっても...準備することなくね...?

ま、いや。

ハンカチと...

手拭きと...

その他諸々...()

おまたせッ!

うわッッッ、いい匂いする...!

青パパ

シーフードとかもあるからな~

んへへ、おいし~♡ニコッ

ん゛ッッッ

な!うまいな!ニカッ

ッッッ///うん!

青パパ

焼きそばやるぞ~

お父さんが、手慣れた手つきで焼きそばを焼く。

屋台の人みたい...

いただきますッ!

モグモグッ

んぅ~、おいし~♡ニコッ

はぁッ...

寝れない...

グルンっと、寝返りをうつ。

ッッッ///

桃君と、目が合った。

僕は、照れ隠しをするように、上を向いた。

まだ、寝てないんだね、w

...青。

いきなり名前を呼ばれ、ドキンッと心臓が音をたてる。

その...話したいことがある。

なぁに?なんか怒られるようなことしたかなぁ僕?w

青。

好きだ。

...え?

 たった三文字。たった三文字だけど、僕の耳に残る。

え、ちょ、は?

家族だからって、ずっと「好き」から逃げてきた。

けど、それはただの言い訳で。

逃げるたびに、「でも、義理の兄弟だぞ」って。

で、ようやくわかった。

俺は、

勇気がないだけだった。

ッッッ!!!!

俺、まだ好きとかよくわかんないけど。

青といると、楽しいって言うか、

女子にも可愛いって思ったことないのに、

青の仕草一つ一つが可愛いって思うようになってて。

ごめん、男同士とか気持ち悪いよな。

忘れて。

桃君は、僕に気持ち悪いって言うの?

...は?

だって、僕、桃君が好きなんだよ?

え、?

同性を好きになって...気持ち悪いって言うの?

それに、桃君は気持ち悪くない。

かっこいいよ。ニコッ

~~~~~ッッッ///

もうほんっとにずるい!///

チュッ

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