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風悠はありです ここに誓います
風亜
教壇で兄が喋っている
そんな兄に視線を向ける
風亜
悠穂
悠穂
風亜
悠穂
俺と風亜は家が別だ
俺が実家で風亜は一人暮らし
家に帰ったら風亜は居ないのだ
悠穂
俺はそんな生活が寂しくて、度々風亜の家に上がり込んでいた
悠穂
悠穂
風亜
悠穂
悠穂
風亜
風亜
悠穂
そりゃ高頻度で来るでしょう
だって俺は風亜のことが好きなのだから
兄として、男性として
まあ、兄弟恋愛ってやつだ
悠穂
風亜
悠穂
風亜
悠穂
いつもと同じことしかしないんじゃ、きっと風亜は俺の気持ちに気付かないだろう
かと言ってどうアピールするべきか
家に押しかけたり、ある日は手料理を作り、ある日は家事をした
その程度の事じゃただの世話焼きな弟にしかならないだろうか
悠穂
悠穂
風亜
風亜
風亜
俺は風亜の足をマッサージしていた
教師は授業中立っているわけだからきっと疲れているだろうと思っての事だった
悠穂
風亜
悠穂
悠穂
風亜
風亜は俺の言葉通り仰向けになって寝転ぶ
そんな風亜の足を持ち上げ、太ももやふくらはぎを揉みほぐしていく
風亜
悠穂
消え入りそうな声でつぶやく風亜
眠いのだろうか
風亜
マッサージを続けていると、風亜からの反応が無くなった
悠穂
俺はマッサージの手を止め、風亜の顔を見た
悠穂
悠穂
俺は風亜の顔に近づき、唇を合わせた
悠穂
風亜に毛布をかけて部屋から出た
悠穂
パタン
風亜
風亜
風亜
風亜
俺は風亜
教師をやっている
悠穂
風亜
弟である悠穂を見ると、いつもの調子で挨拶できなくなる
悠穂
風亜
悠穂
理由は言うまでもない
昨日、この弟にキスされたからだ
風亜
俺は昔から察しはいい方で、キスの意味も悠穂が言った「アピール」の意味も一晩考えたらわかってしまった
風亜
風亜
風亜
悠穂が俺を好きだと仮定して、俺はこれからどう接すればいいのだろうか
風亜
悠穂
悠穂
悠穂
キーンコーンカーンコーン
風亜
風亜
風亜片付けを済ませて教室を出ようとする
悠穂
俺は風亜を追いかけた
悠穂
風亜
悠穂
悠穂
悠穂
風亜
悠穂
風亜
悠穂
ほんとに突然だった
二学期中頃
確かに成績表には「クラスの人との関わりは少ない」と書いてありはしたが、風亜から直接言われることなんてなかった
悠穂
風亜
風亜
風亜
風亜
風亜はそれだけ言うと急ぎ足で去ってしまった
悠穂
悠穂
悠穂
好きな人に突き放されて気力を失ってしまった俺は保健室に行くことにした
初恋の相手も男だった
当時の友達だった
女子が男子を好きになるのと同じように
男子が女子を好きになるのと同じように
俺は彼を好きになり
それに異常性なんて感じずに彼に告白した
多様性の時代と謳われる世の中ではあったが、やはりそれを受け入れてくれる人は少ないようだ
俺はその告白で、自分は普通でないことを知った
同時に、居場所と友達を失った
昨日まで仲良くしてた人達は手のひらを返したように俺に罵声を浴びせ嫌がらせをする
実に幼稚だと思った
でも、俺には何もする術がなかった
嫌がらせに黙って耐えることしか出来なかった
自分が周りから見て異常なことも否定できなかったし、反逆する力すらなかったから
そんな中学を卒業する前の事だった
兄、風亜に惹かれ始めたのは
風亜は俺が中2の時に高校教員になった
その頃は新人教師だったため、クラスは任されなかったようだが
俺の卒業間際に、風亜が両親や俺に次年度クラス担当を任せてもらえることを嬉しそうに報告した
あの時の笑顔で惚れたのだ
悠穂
テストで100点を取った子供みたいに満面の笑みで俺らに報告していたのだ
その瞬間に俺の心は撃ち抜かれ、当時はまだ実家暮らしだった風亜に絡みまくっていた
その時の風亜は文句こそ言うもののしっかり俺のやる事なす事に付き合ってくれた
一人暮らしを始めてから今日までずっと、そうだったのに
悠穂
気付いたら視界が涙でぐちゃぐちゃになっていた
悠穂
その後早退したのは言うまでもない
カタン
次の日、俺は教室に入って席に座った
風亜
風亜も朝の準備のために教室に入ってきたが、俺は話しかけなかった
すると…
大翔
大翔
朝陽
朝陽
蓮
朝陽
朝陽
蓮
大翔
悠穂
こいつらにはちょいちょい絡まれてた
こいつらの発言である程度わかるだろう
同じ中学の連中だ
俺が毎朝毎休み時間と風亜に絡むのはこいつらから逃げるためでもあった
でもそれがこいつらにとっての餌になり、でも話しかけに行かないとこいつらがだる絡みしてくる
かと言って俺に他に話せる人などいない
不運なことにこいつらは高1で同じクラスになり、入学した瞬間に同性愛の話をバラ撒かれた
悠穂
悠穂
こいつらのせいでまともな学生生活なんて送れなかった
悠穂
最初から風亜を好きだったなら、俺は友達を失うことも無く、風亜にもそれが理由で突き放されることは無かっただろう
悠穂
悠穂
悠穂
俺の人生に光などないのだろうか
風亜
風亜
今日1日、悠穂を観察してみた
俺が学校で話しかけるなと言ったからか、悠穂はその言葉通り俺に話しかけなかった
するといつも悠穂とは話していない人物が悠穂と話していた
風亜
風亜
風亜
風亜
風亜
会話を聞いた訳では無い
だが、雰囲気に違和感を感じた
風亜
悠穂は、もしかして馴染まないのではなく馴染めないのだろうか
風亜
悠穂
大翔
朝陽
蓮
しばらく風亜に話しかけない日々が続いた
確実に俺の精神は摩耗していった
毎日毎日こいつらが俺を煽ってくるのだ
悠穂
悠穂
悠穂
悠穂
大翔
朝陽
蓮
大翔
朝陽
蓮
大翔
悠穂
限界だった、もう
ガタッ
朝陽
蓮
大翔
蓮
悠穂
俺は荷物を持って、学校を出ようとした
風亜
悠穂
風亜
普段「風亜」と呼ぶからだろうか
俺の話し方に驚いた“先生”は手の力が緩み、俺はそれを振り払って学校から出ていった
風亜
大翔
蓮
朝陽
悠穂の旧友達がヒソヒソと何かを話していた
風亜
風亜
でも、喧嘩別れでもしたなら、わざわざ関わったりするのだろうか
キーンコーンカーンコーン
風亜
風亜
近いうちに悠穂にでも聞いてみようか
数日後、俺は実家に来ていた
母親
風亜
風亜
母親
風亜
ゆうとくくはそれぞれうちの三男と四男だ
今は中学生と小学生である
風亜
母親
母親
風亜
風亜
母親
母親
母親
母親
風亜
風亜
母親
風亜
風亜
風亜
いや、実際そうなのかもしれない
俺はきっとブラコン“気味”なのだろう
決してブラコンと認めたくは無いが
あくまで“気味”という認識であるが
風亜
母親
風亜
風亜
風亜
扉を叩いても呼びかけても応答は無い
ゆう
風亜
風亜
ゆう
風亜
ゆう
風亜
風亜
ゆう
風亜
ゆう
風亜
風亜
ゆう
ゆう
風亜
くく
風亜
ゆう
風亜
くく
風亜
風亜
風亜
くく
風亜
くく
風亜
くく
風亜
風亜
くく
風亜
知らなかった
でも言われてみればそうなのだろう
少し前にされたキス
「アピールする」という発言
今までのしつこいちょっかい
それらが全て、“俺に対する好意”であると考えれば、合点が行くのだ
くく
風亜
くく
風亜
くく
風亜
風亜
風亜
くく
風亜
風亜
くく
くく
風亜
なんとかしてやりたいと思った
愛する弟のため、俺に出来ることをしようと思った
風亜
くく
風亜
俺はまずくくにとあることを頼んだ
くく
悠穂
ガチャ
悠穂
俺の顔を見た悠穂は扉を閉じようとする
ガンッ!!
咄嗟に俺は足で扉を止める
ゆう
俺も思った
風亜
ゆう
野次馬黙ってくれないか
悠穂
暫く話さないうちに悠穂は別人のように暗くなっていた
視線は常に下を向いていて、必要な単語しか発さない
俺にしつこく付きまとっていた悠穂とは別人だ
風亜
なんとも言えない罪悪感があった
風亜
風亜
悠穂
悠穂
悠穂
風亜
くく
くく
悠穂
風亜
風亜
風亜
風亜
悠穂
風亜
風亜
風亜
風亜
くく
くく
風亜
風亜
風亜
風亜
悠穂
風亜
風亜
風亜
風亜
風亜
悠穂
風亜
風亜
風亜
悠穂
風亜
話を済ませたので、俺は帰ることにした
くく
風亜
風亜
風亜
くく
風亜
くく
風亜
風亜
くく
風亜
風亜
くく
風亜
次の日、俺は風亜の頼み通り別室登校をしていた
風亜
悠穂
風亜
悠穂
風亜
悠穂
風亜
悠穂
パタン
悠穂
悠穂
俺の心がそこまでに摩耗していたからか、風亜と少し話しただけで涙がボロボロ出てしまっていた
悠穂
しばらくは勉強に手がつかなかった
数日後の放課後
悠穂
風亜
俺たちの関係は前のようになっていた
いや、風亜が文句言わずに受け入れてくれているし、前よりも良好なのだろうか
悠穂
そんなことを考えていると
風亜
悠穂
頭が真っ白になった
くくは言わないと思っていたのに
嘘をついて好きじゃないと言うべきか、当たって砕けるべきなのか
風亜
風亜が俺に顔を近づけて悪戯っぽく笑う
悠穂
悠穂
悠穂
もうこう答えるしか無かった
あの顔は絶対わかって聞いてる
それに…
風亜
風亜
再び悪戯っぽく笑う風亜
悠穂
こんな風に笑えるのは、受け入れてくれてるからだろう
風亜
次の瞬間、唇に柔らかい感触が
悠穂
風亜
風亜
悠穂
俺は状況の整理が追いつかず口をパクパクさせることしか出来なかった
風亜
悠穂
悠穂
風亜
悠穂
こんな異常な恋が報われるなんて、幸せすぎて溶けてしまいそうだった
fin.___