幸せになるまで.......

波影 笑恋 -ﾅﾐｶｹﾞ ﾆｺ-。

ボクの名前。

ボクの名前の意味は昔親が何度も言ってくれたんだ。

「笑恋って意味はあなたが笑顔になれるような恋ができまように……ってつけたの」

ボクの名前について話す時の親は幸せそうに笑っていた。

何も無い、普通の生活だった。

でも、それでも幸せだった。

そう.......幸せだったんだ。

ピピピとうるさく鳴っている目覚まし時計を止め、顔を洗う。

お弁当をつくり歯磨きをして、 制服を着る。

制服の下にパーカー着るけど。

ボクの通っている高校 瀬山白 ｰｾﾔﾏｼﾛｰ 高等学校は、有名な不良校。

周りからは、白高と呼ばれているらしい。

何故そんなとこに通っているのかって？

そうだな、ボクは頭がいい方で全国模試でも1位をとっていた。

教師にも、何度も止められた。

でも、ここでないといけないんだ。

目的の為にはここに通う必要があった。

ボクは教室に入る前にフードを被る。

ため息をつきながら席に座ると同時にチャイムがなる。

入ったきた人物に驚き思わず 声を出した。

いつもと違う人に加え、入ってきた人物をボクは知っている。

その人物は声を低くし、 殺気を出す。

ボクはため息をつき、 席から立ち上がる。

入ったきた、瀬戸原 悠葉 -ｾﾄﾊﾗ ﾕｳﾊ-。

通称悠ちゃんは、ボクの従兄弟の友達でよく一緒に遊んだ。

ボクに抱きついて安心したように言う悠ちゃん。

ボクは悠ちゃんに、 作り笑顔を向ける。

ボクは無事なんだ。

ボクは.......ね。

ｻﾞﾜｻﾞﾜ

悠ちゃんは、ギロッとクラスメイトを睨みつける。

悠ちゃんが指さした先はボクの席.......の周り。

入学式当初からずっと空いている席。

桜馬の暴走族はいい意味で有名だ。

仲間を1番大切にして、薬や女に手を出すこともない.......らしい。

昨日、夜遅くまで色々していたから眠たいな……。

桜馬について、もしかしたらボクが探している奴と繋がっているかも？

まさかの、ボク？

悠ちゃんの頼みだし、断れないか。

ボクは教室を、出て1番古典的な屋上に行ってみることにした。