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もっと、ちゃんと
私を見ててよ
もっとちゃんと…って
私が言わなければ
こんなことにはならなかったのかな?
紗菜
寂しい部屋で1人
私は大好きな人の名前を呼んだ
紗菜
紗菜
昨日の夜から雄真が帰ってこないまま
24時間が経った
なんで帰ってこないかなんて分かってる
全部、私のせいだから
紗菜
雄真
雄真
紗菜
雄真は本当にマイペースでよく寝坊をする
そんな雄真のために家の時計を私はわざと5分早めていた
そのおかげで彼の寝坊は減ったけど
それももう意味無いや
雄真
紗菜
雄真
紗菜
雄真
雄真はたばこが好きだった
でも私はたばこが嫌いだった
そんな私を気遣ってベランダで吸ってたっけな…
いまでもベランダに立つと
たばこを吸ってる雄真が蘇る
君はもうここにはいないのに
あの日も確か雄真はたばこを吸ってたっけな
最近は会話が減ってたから
雄真とただ話したくて
でも構ってくれないから
思わずあんなこと言ってしまったんだ
紗菜
雄真
スマホをいじる雄真に言った
紗菜
雄真
紗菜
雄真
私がそう言っても雄真は顔をあげなかった
紗菜
雄真
紗菜
雄真
雄真
雄真
雄真
紗菜
雄真
紗菜
紗菜
紗菜
紗菜
雄真
雄真
紗菜
紗菜
私がそういう前に雄真はスマホだけを持って出ていった
それから30分くらい経った時だった
彼が事故にあったと電話が掛かってきたのは
私が病院に着いた時には
雄真はもうこの世にはいなかった
紗菜
紗菜
雄真の母
雄真の母
紗菜
雄真の母
雄真の母
そう言って雄真のお母さんから貰ったのは
雄真の日記だった
○月✕日
今日も遅刻するところだった。笑 こんな俺のために紗菜が家の時計を5分早めてたな。 俺はこんなにダメなやつなのに紗菜は俺を好きでいてくれるんだな…
俺って幸せものなんだなぁ笑
○月✕日
今日は久々に夜更かししたな。 映画見てる時、紗菜絶対眠たかったんだろうな笑 紗菜って眠いと体温上がるからすぐ分かる。
○月✕日
また紗菜にたばこ辞めなって言われちゃったな。 俺も出来ればやめたいけど、やっぱり吸っちゃうんだよな。 紗菜のために辞める方法探すしかないか…?
大好きな彼女のためだから頑張るか
最後にかかれていた一言で私は泣き崩れた
紗菜
紗菜
紗菜
紗菜
もっとちゃんと、雄真を見てれば…
そんなこと今更気づいても遅いよね…
紗菜
その時、ふとテーブルの上に乗ったあるものが目に入った
紗菜
それは雄真が一番好きなたばこだった
気づけば私は箱から1本取り出して
カチッ
火をつけてしまった
私の大嫌いなものなのに…
1口、思わず吸ってしまった
紗菜
紗菜
紗菜
紗菜
でも、やっぱりむせてしまった
紗菜
紗菜
思わず私は笑ってしまった
でも少し…
紗菜
そっとたばこの箱を優しく手で包んで
紗菜
そう、呟いた
その夜
大好きな人の匂いに包まれながら
私は静かに涙を流した