八天人と和らぎの巫女

むかしむかし、あるところに 仲の良い狸の親子がいました。 けれどもある日、父狸が人間に 捕まって殺されてしまいました。

何も知らない母狸と子狸は 父狸が帰ってくるのを 待ち続けましたが、 とうとう帰ってくることは ありませんでした。

やがて大人になった子狸のフジは、 山から下りて父狸を探すことに しました。そして、父狸の末路を 知ったのです。

子狸は母狸と共に人間達に 復讐をするべく怨霊となって しまいました。

けれども旅をしていた 後城兼基という術師の男が 二匹の怨霊を祠に封印したことで、 世は平和になったということです。