コメント
28件
ブクマ失礼。好き過ぎまする。 今日此れ夢に見てくるn((
# 0
黒百合の花
注意
beast軸の中也首領パロです。
(太宰が亡くなり少し時が経った世界線)
地雷さんは読まない事をお勧めします
ポートマフィア内部
太宰治
中原中也
太宰治
笑みを浮かべる太宰から手渡された物は
黒百合の花束だった。
中原中也
中原中也
太宰治
太宰が飄々と答える。
相変わらず思考の読めない顔だ
中原中也
太宰治
中原中也
太宰治
中原中也
中原中也
太宰治
中原中也
だが俺は知らなかった。
俺が太宰を殺す日は絶対に訪れない事を。
そして、此れが彼奴との…
最後の会話になると云う事も。
ポートマフィアビル最上階
部下
中原中也
部下
あの糞太宰が死んでから
俺はポートマフィアのトップになった。
中原中也
中原中也
太宰への見せしめのように呟いた
だが太宰からの反論は返ってこない
そして誰も居ない部屋に声が響く。
寂しいほどに。
中原中也
あの五月蝿い声が返ってくる事は二度と無いのだ。
もう、二度と。
中原中也
清々した筈だった。
なのに何だ、この苦しさは。
中原中也
脳から消し去りたいあの記憶が
また蘇る
あの日は雨が降っていた
小雨だったが、いやに空気が重かった
いや、重く感じたのかもしれない。
そして本部が襲われたと知り
急いで向かった
だが、間に合わなかった。
中原中也
俺が着いた時には既に彼奴は…
俺の目の前で
息絶えていた
中原中也
目の前の異常事態に脳が凍りついた
中原中也
俺は心の何処かで、彼奴は死なないと思っていた
中原中也
そんな事無いと
解っていたはずなのに…
中原中也
太宰の体に縋りつく。
中原中也
返事は返ってこない。
中原中也
顔は安らかで
今にも目を開けて驚かせてきそうだ。
中原中也
肌に触れる。
氷のように冷たかった。
中原中也
俺はそんなに弱かったか?
御前に守ってもらう存在だったのか?
御前と共に道を歩む事は許されなかったのか?
なぁ、太宰。
中原中也
中原中也
外には雨が降り始めていた
それから何日か経ったある日
部下
真っ青な顔をした部下が転がり込んでくる
部下
部下
黒蜥蜴…壊滅だと…?
中原中也
黒蜥蜴が壊滅したと云う事は、恐らく相手は技術も手数も桁違いだ
強力な異能力者の居る可能性も有る
俺が行った所で勝てるとは限らない。
だが…
中原中也
その言葉を聞いた部下の顔が強張った
部下
中原中也
’‘汚濁’‘を使えば
恐らく勝てる
部下
部下
そんなの俺が一番分かっている。
最悪だ。彼奴が居ないと奥の手が出せないなんて。
部下
もし俺が幹部の頃なら迷わず汚濁を使っただろう。
だが俺は今、首領だ。
勝手に死ぬことも、組織を壊滅させる事も許されない。
中原中也
今頃太宰は喜んでいるのだろうか
俺に”呪い“をかけ、苦しめさせているのだから。
俺は拳を握り締めた。
部下
突然、部下の携帯の着信音が鳴った
部下
そして安堵した顔でこちらを見た
部下
中原中也
今回の件で悟った。
部下一つ守れない。
1人じゃ奥の手すら出せない。
肝心な時に何も出来ない。
俺は弱い。
だろう?太宰。
部下
中原中也
部下が居なくなる
いつもは何とも感じなかった部屋の静かさに耐えきれなくなり
部屋に掛けてある外套に、徐に触れる。
中原中也
この血塗れの外套が
太宰との唯一の繋がりな気がして、
この血が、彼奴の生きた証拠な気がして
此れが無いと、俺は、駄目な…気がして
中原中也
会いたい
苦しい
悲しい
抑えていた気持ちが溢れそうになる
得体の知れない、名前の付かない感情が。
中原中也
気持ちが溢れそうになった瞬間、 衣嚢の中のボイスレコーダーを見つけた。
カチッ
「ザザ…ザザザ……」
起動すると、雑音が流れた
そして
「はは…あの高さから……落ち…ても…まだ…生きている…とは」
か細く、今にも消えそうな太宰の声が聞こえた
嘘だろ…?彼奴、此処の頂上から落ちたんだぞ…?
だが太宰の事だ。生きていても不思議ではない。
「いやぁ…全く……自分が恐ろしいよ……」
「それに…不思議な……事に…痛みを……感じないんだ……」
「きっと…死ぬ直前で……感覚が…おかしくなっているの……だろう」
中原中也
思わず言ってしまった。
太宰が自分の死を悟ってしまったようで、苦しかった。
「この…録音が…中也に届く事を…祈るよ…」
は…?俺に……?
「私が首領に…なってからは…君に……迷惑ばかり…かけたね……」
「それでも…昔と態度を……変えずに…私を気遣って…くれたこと…嬉しかったよ…」
中原中也
「私の…手は……ずっと…血塗られて………いた…けれど」
「探偵社で…1人で光の中を……進むより…君と共に暗闇を…進む方が…良かったよ…」
何の話かは分からなかったが、太宰にそう思われていた事は初耳だった。
「死ぬ事は…怖く無いよ……」
「だが…やっと……君という…生きる意味を……見つけたばかりだから……」
「少し…だけ…死ぬ事…が惜しいな……」
中原中也
中原中也
だがこの言葉も、もう彼奴には届かない
「君が居た…其れだけで…私は……どれだけ…救われただろう……」
中原中也
「嗚呼…段々と…意識が薄れてきたよ…」
中原中也
「この組織を…守ってくれ…中也…」
中原中也
「最期に…此れだけ言わせてくれ……」
厭だ、最後なんて聞きたくない
置いていかないでくれ。
「今迄有難う。」
「相棒」
録音は其処で途切れていた。
中原中也
抑えていた気持ちと共に涙が溢れた
中原中也
声が震え、溢れ出る涙は止まらなかった。
中原中也
解っていた。
彼奴が俺には言えないような秘密を抱えていた事も。
1人で全てを背負って死んだ事も。
それでも
それでも
中原中也
中原中也
俺は、太宰の匂いの残る外套を握りしめ、
涙と声が枯れるまで
泣き続けた
翌日は、眩しいような快晴だった。
そして、樋口が部屋に入ってくる。
樋口一葉
樋口一葉
何故か途中で樋口の言葉が止まった
中原中也
樋口一葉
中原中也
中原中也
樋口一葉
樋口一葉
そしてまた奇妙そうな目で此方を見る
樋口一葉
中原中也
樋口一葉
中原中也
中也は少し微笑みを浮かべて言った
樋口一葉
中原中也
中原中也
すると樋口が言った
樋口一葉
樋口一葉
中原中也
樋口一葉
『愛』ですよ
中原中也
中原中也
樋口一葉
中也の声が震えている事に気づいた樋口が、顔を向けると
樋口一葉
中也は泣いていた。
だがその顔は とても悲しそうで、嬉しそうで
綺麗な顔だった。
なぁ、太宰。
此れは御前が俺にかけた
呪い【愛】だろう?
上等だよ、その呪い、俺が御前の分まで背負って生きてやる。
だから待っててくれ。
俺が御前の所へ行く、その日まで………
fin
最後まで読んで頂きありがとうございます
beastの中也君って描写は少ないけれど、きっと辛かっただろうな…って思って書いてみました。
あと、ちょっと腐要素入れようと思って書いてたんですけど…あれ…なんか、全く無くない?…って作品になりました
いやぁ…文ストというシリーズを作り出して、更にbeastを書いた朝霧先生天才すぎるだろ…(事実を言って誤魔化す定期)
今回の作品は、前にノベルで書いたものをチャットノベルでリメイクした物です。
もし面白い、感動した、と思って頂けたら
是非コメント、いいね、フォローお願いします!