君に溺れる

高校2年生の夏

今日はやけに蝉がうるさいということ以外なんともない日常

蒼葉蒼との関係はと聞かれれば 中学が一緒だっただけ

喋ったことは１回

今で2回目…

なぜ僕なのかと聞きたかったがこれ以上喋るのは面倒なのでやめた

後ろの席だからたまたまだろう

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変なやつ

たかが教科書ぐらいで

こんな暑い日に食べたらきっと人生で1番幸せなのかもな

学校の帰り道は学校より憂鬱だった

暑さなんてどうにでもなれと思うほど

僕の家庭はどこにでもある家庭だが少し複雑

僕の母は数年前、僕と親父を残して男と逃げた

そして父がえまさんという女性と再婚した

そこ愛は無かった

えまさんは親父のお金が欲しいだけ

父も身体さえ満たせれば十分だった

多分、いや絶対僕は誰からも愛されていない

全部空っぽにすればいいんだ

その方がきっと楽だから

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…

それ以外言う言葉がなかった

この日はお風呂に入って勉強をしてご飯を食べていつも通りに寝た

ただ少し後悔したとこは、アイスを食べれなかったこと

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そんなくっついて暑くないのかよ

まだ覚えてたんだ

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そしてなんやかんやと放課後

あの"お偉いさん"が居たらどうしようと思うと全身の毛が逆立つ

ぽつりと額から汗が落ちる

この時の僕はばかだったと思う

なんで来た道を戻ったのか

なんであいつを探しているのか

こんな暑いのに、走って馬鹿みたいに汗かいて

背筋がビクッと伸びる

うわ、髪の毛ふわふわ

背中が遠くなる

結局言えなかった…

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嫌いな人に情けをかけられてしまった…

いつも歩いている道なのに

いつもとは違う景色に見えた

こんな顔で笑ったりもするんだ…

ってなに話して…

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友達いなかったからわかんないけど これが普通なのか…

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案外、いい人だったな

忘れてた…

そこからはずっと僕に対する愚痴ばかりだった