チュンチュン!ジーッジーッ……
雀とアブラゼミの鳴き声で、いつの間にか雨が上がっていた事に気づく……
なご
わぁ!雨、上がったね!じゃぁそろそろバス来るかな?

たいが
そうだな。雨降りよると来やんくなるだけは、ほんま勘弁して欲しいわ

なご
ね、たいがの産まれた所もそうだった?

たいが
いや俺ん所はそんなこと無かったと思うけど……まぁ海とかないしな

なご
へぇーそうなんだ。行ってみたいな……たいがの故郷。あ、ボクは歩きだから、もう行くね!タオルありがと!洗って返すね!

たいが
待ってなご!まだ行かんで!

なご
えっ!!うわっ…!

たいがに腕を引っ張られた なごは
バランスを崩したいがの腕の中に収まった
たいが
あっ…ごめん

なご
大丈夫!こっちこそ寄りかかっちゃってごめんね?なに?どうかしたの?

たいが
あ…いや、この後、まだ時間ある?俺これから海見に行くんやけど…なごも一緒に行かへん?

なご
海?いく!いきたい!ついて行っていいの!?

たいが
クスッ…誘ってるんはこっちなんよ

突然の誘いに なごは胸をときかせた…
こうして2人は来たバスに乗り込むと、海岸へと向かった……