妹

妹とのやりとりはいつもこんな感じだ

今までだって、暇さえあれば妹と遊びに行ったりしていたし

俺はさしてこれが普通だったし、妹と2人で出かける事も何も抵抗なかった

まあ、周りからシスコンだと言われているが気にしないし仲良いに越したことはないと思っている

俺は一人暮らしをしていたし、妹も離れた実家の近くで一人暮らし

お互い予定を合わせて合う事はしょっちゅうだった

今度の土曜日も、楽しみだなーって思ってウキウキして出かけるプランを考えはじめた

ー土曜日ー

いつものおとなし目の服に身を包んだ妹が少し遠くから手をふっていた

2人並んでいつものように買い物

人混みの多さから、迷わないように妹の腕を掴むと

と、すぐ振り払われた

昔はもう少し可愛げがあったのにな

可愛い感じのお店に案内してもらって、そこで可愛いクッキーを軽くラッピングしてもらう

いつものようにお互い気兼ねなく話しながら街中を歩いていた

可愛くラッピングされた袋を見ながら、気になるあの子に渡した時にどんな顔をしてくれるのか想像してにやけてしまう

にやけた顔の片方の頬を捻られた

そんな時だった

後ろから覚えのある声が聞こえてきた

それも、ちょうど今考えてた相手の声だ

そう言う彼女の表情は何故か少し曇っていた

プレゼントばれちゃうな…と言葉が濁ってしまった

プレゼントばれちゃったかな？と思いながら妹の方を見ると面倒臭そうな顔をしていた

すごい最初の方からみてたな、おい

良かれと思って弁解した言葉だったが妹は呆れ声だった

そういうと、みさとさんは足早に俺の前から姿を消してしまった

なんだあれ、感じ悪い

あった時はもっとほんわかして優しいイメージの人だったのに

そう言いながらまた妹の横で笑っていた

この時にもう少し真剣に考えて、直ぐにでも追いかけるかメールするなりすれば良かったと後から思ったけど

思ったところで、妹と居るこの時が楽しくてつい忘れていた

遠くからそんな俺たちのやりとりを見ていたみさとさんが居たなんて気付かなかったから