泉唯花
善人殺しの少女🪞3話
泉唯花
始まります
鏡花水月
鏡に映った美しい花と、水面に映った美しい月
それらは目に見えても、実際に手に取ることができない
それは過去も同じである
見ることはできても、過去を変えることはできない
私の鏡は全てを、真実を映し
水は過去を記憶する
どんな過去であったとしても
だが感情は記憶できない
心の内の感情だけは、記憶できないのだ
私の過去もまた
記憶できるものではないみたいだ
異能力「鏡花水月」
泉唯花
〜ザッ〜〜ザザッ
泉鏡花
ザッ
泉唯花
〜〜ザッ〜〜ザッ〜〜
泉鏡花
〜〜ザ〜〜ザッ
母
ザザッ〜〜〜〜ザッ〜〜ザッ
泉唯花
〜〜〜ザッ
泉鏡花
〜〜ザッ〜
泉唯花
〜〜ザ
私の過去は、このようにノイズが入り聞くことができない
どころか、画面もところところ途切れてしまう
楽しかったことも____
両親が殺された記憶も____
父
〜ザッ〜〜
父
〜ザ〜〜ザッ〜ザザッ〜
母
〜〜ザ〜〜ザッ
母
〜〜ザ〜
母
〜〜ザ〜〜ザザッ〜〜ザッ
泉鏡花
〜〜〜ザッ〜
泉鏡花
〜〜〜ザザッ〜ザッ〜〜〜ザッ〜〜ザッ〜ザッ〜〜
泉唯花
〜ザザッ〜〜〜ザッ
泉唯花
〜〜ザザッ〜ザッ〜
この後のことは、映像すら映らなかった
私自身も覚えておらず、思い出したいとも思わない
ただ……
鏡花だけ
鏡花だけが…