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第1話 - あ

2023年03月27日

#恋愛

結城真矢

モラ男

おいスカ子

モラ男

お前、マジで信じらんねえや

モラ男

今日の晩飯なによこれ

モラ男

つかお前マジどこいんの？

スカ子

え、調味料切らしてたし、安売りあるからスーパー行って来るって朝言ったじゃん…

モラ男

あ？そうだっけ？

モラ男

そんなことより晩飯よ、なにこれ？

スカ子

なにこれって…どういうこと？

モラ男

いや、少なくね？朝から晩まで仕事してきたご主人様に対する褒美がこれ？

モラ男

軽く信じらんないんだけど

スカ子

え…何かまずかった？

スカ子

パスタとグラタンとサラダだったよね？

モラ男

あのさあ…

モラ男

まず炭水化物多すぎな？

モラ男

パスタとグラタンってｗｗ

モラ男

こっちはガキじゃないんですけどね

モラ男

ガッカリだわほんと

モラ男

ガッカリだ

スカ子

そんな悪くないメニューだと思うんだけど…

スカ子

それに前はそのメニューでも喜んでくれたじゃん

モラ男

はあ？俺に逆らうっての？

モラ男

今の俺が言う言葉が、今の俺の意見なわけ

モラ男

そんなこともわかんねえでいっちょ前に主婦名乗ってんなよ

モラ男

それに、タンパク質もねえし、サラダはシーザーじゃねえと食わねえって言ってんじゃん

モラ男

なに市販のドレッシングで済まそうとしてんの？

モラ男

サボりたいって感情が見え見えなんだけど

スカ子

そんなことないよ…

スカ子

じゃあいまスーパーだから何かお肉買っていくね

モラ男

いや、言われてから買って来るとか遅すぎなｗｗ

モラ男

それ社会じゃ通用しないからｗｗ

モラ男

お前それでよく専業主婦とか言えるな

モラ男

俺が汗水たらして働いてる中、のんびり家でごろごろしてんだろ？

モラ男

いい気なもんだよなｗｗ

スカ子

そんなことないって…

スカ子

しかも仕事やめてほしいって、モラ男くんが言ったんでしょ？

モラ男

そりゃ俺がしっかり働けるようにサポートしてもらえると思ったからだろ

モラ男

そしたら、家にいたら化粧はしないわ、服装も気遣わないわ、飯も家事もまともにできないわ

モラ男

最悪以外の何物でもないでしょｗ

スカ子

ひどい…

スカ子

じゃあ私はどうすればいいの…

モラ男

謝れよタコナス

モラ男

不甲斐ないばかりにご主人様を苛立たせて申し訳ありませんって、謝れや

スカ子

それは、その…

モラ男

謝れもしないわけ？ｗｗ

モラ男

ほんと魅力ないわーうちの嫁ｗｗ

モラ男

謝りさえすればちょっとは可愛げが出てくると思ったのに

モラ男

まじでブスだしよ、とんでもねえ奴と結婚しちまったわ

モラ男

つかどこほっつき歩いてんだよ

モラ男

さっさと帰って来い

スカ子

買い物中だってば…

スカ子

先にご飯食べて良いよ

モラ男

ご主人様の帰りも待たないとか、ほんとにいかれてんのな

モラ男

はーあ、先に食ってるわ

～その日の夜～

ヤサ太

スカ子さん！お元気ですか？

ヤサ太

専業主婦、どうです？

スカ子

ヤサ太くん！

スカ子

久しぶり、元気だった？

ヤサ太

はい！お陰様で！

ヤサ太

スカ子さんに鍛えられたお陰で、いま結構活躍出来てるんですよ？

ヤサ太

スカ子さんにも見てほしかったな～

スカ子

それは良かったね！

スカ子

私は…まあ元気かな？

ヤサ太

あの、スカ子さん、ちょっと言いづらいことがあるんですけど…

ヤサ太

でも絶対伝えておかないといけないと思って

スカ子

ん？どうしたの？会社のこと？

ヤサ太

あの、モラ男さん別の課ですけどたまに見かけるんです

スカ子

ああ、まあヤサ太くんの課とも近いもんね

スカ子

それがどうしたの？

ヤサ太

あの、プリ美って覚えてます…？

スカ子

ああ…新入社員の女の子よね

スカ子

結構男性社員からモテてたよねｗよく覚えてるよ

ヤサ太

モラ男さんと、プリ美、社外で会ってるとこ何回か同僚が見てるんですよね…

スカ子

社外で…？

スカ子

２人きりってこと？

ヤサ太

そう、みたいなんです

スカ子

でも、お昼一緒に食べてたとかじゃないの？

スカ子

何かの見間違いじゃ…

ヤサ太

いや、それがカフェとかじゃなくて、それが言いづらいんですけど

スカ子

まさか、ホテル…とか？

ヤサ太

…そう、なんです

ヤサ太

いや僕が見たわけじゃないので、まだ何とも言えないんですけど！

スカ子

ううん、伝えてくれてありがとう

スカ子

さすが私の元部下だね、報連相教えた甲斐があったよｗ

ヤサ太

あのスカ子さん、無理して明るく振る舞わないで下さい

スカ子

いや、なんとなく腑に落ちてね

スカ子

最近、モラハラみたいな発言多くなってたし、少しおかしいとは思ってたんだ

ヤサ太

モラハラ…スカ子さんにそんなこと、許せないです！なにか協力できることはありそうですか？

ヤサ太

僕、スカ子さんにめちゃめちゃお世話になったし、同僚たちもそうだと思うんです

スカ子

そんなの悪いよ

スカ子

でもまあ…ありがとね！

スカ子

会社でなんか怪しいことがあったら、証拠取っておいてｗ

スカ子

こっちはこっちで、何とかするからさ

ヤサ太

はい！こちらも全力で集めます！

～翌日～

スカ子

ねえ、モラ男？

モラ男

あ？仕事中だから連絡してくんなってあんだけ言ってんだろ

モラ男

邪魔だから連絡してくんなブス

スカ子

ねえ、プリ美と最近仲良くしてるんだってね？

モラ男

あ？プリ美？

モラ男

まあ向こうから積極的なのはあるわな？ｗ

モラ男

どっかの誰かと違って、若いし可愛いし、相手してやってるわｗ

モラ男

なに、それがどうした

スカ子

もしかして、浮気とか、してないよね？

スカ子

あんまり疑いたくはないんだけどさ

モラ男

は？してねーようるせえな

モラ男

ってか仮にしてたとしても、それってお前のせいだからな？

スカ子

え、どういうこと？

モラ男

お前女に見えねーからｗ

モラ男

プリ美みたいに女磨きしてみろよ

モラ男

自分磨きも忘れた女が、のうのうと飯食わせてもらってんだから

モラ男

浮気されても文句言うんじゃねえぞ

スカ子

それって、浮気してるってこと…？

モラ男

どうだかなｗｗ

モラ男

お前には教えてやんねーよｗ

スカ子

そう…

モラ男

おい、今日の晩飯は５品は作れよ

モラ男

もちろん俺がやってる小遣いの範囲内でな

モラ男

専業主婦の仕事は家事だろ

モラ男

限られた予算内で済ませなきゃいけないってのは、会社と変わんねえはずだよな？

モラ男

元経理課のお前だったらわかるよな？ｗ

スカ子

５品って…それ毎日繰り返すの？

モラ男

最低５品だよ、それ以下だったらマジでごみ箱捨てるから

モラ男

あと栄養バランス考えろよ、昼間どうせ暇なんだから栄養の勉強でもしろ

モラ男

女でもなんでもないお前には、それぐらいしかできねえだろ

スカ子

わかった…

スカ子

でも、私達、結婚してるんだからね

スカ子

浮気は取り返しのつかないことになるから

スカ子

本当に気の迷いでもしちゃだめだよ

モラ男

何それ

モラ男

俺に指図してんの？

モラ男

お前で性欲発散できないのにどこでしろってのｗｗ

モラ男

手頃な女がいりゃそりゃするだろってｗｗ

モラ男

女は黙って男の言う事聞いてりゃいいんだよｗｗ

スカ子

私、一応警告したからね

モラ男

あんまり喧嘩売ってんじゃねえぞ？帰ったら殴ってやろうか？

スカ子

ほんと、最近ひどいよ…？

モラ男

全部てめえのせいだろタコ

モラ男

女捨てやがって、ロクに家のこともできない金食い虫がよ

モラ男

ってかお前のせいで仕事止まっちまったじゃねえかよクソが

モラ男

連絡してくんじゃねえ！！

～1ヶ月後～

モラ男

今日はもう帰る

スカ子

あれ？会社行ったばっかりじゃない？

スカ子

どうしたの？

モラ男

うっせえな

モラ男

…俺とプリ美ことが会社に噂になってんだよ

モラ男

なんか居づらくなったから帰る

スカ子

そっか、でも戻った方がいいかもしれないね

モラ男

は？

モラ男

お前、何か知ってんのか？

スカ子

だって会社にバラしたの、私だから

モラ男

…へ？

モラ男

な、なにしてんの？

モラ男

お前、そんなことしたら…

スカ子

どうなっちゃうんだろうね

スカ子

ちなみに噂程度じゃ済まないよ

スカ子

私と社長、直接連絡先交換してるの知ってるでしょ？

スカ子

経理だったから色々話す機会もあって、良くしてもらってたから

スカ子

だから、あなたの浮気の証拠、全部送っちゃった！

モラ男

は、はあ！？

モラ男

そ、は、は？はあ！？

スカ子

会社がお金かけて育てた新入社員と社内で浮気してる男がいますってね

スカ子

簡単だったよー、最近ってパソコンからもスマホの内容見れちゃったりするから

スカ子

会話の履歴とか画像とか全部見れちゃったｗ

スカ子

社内の元部下たちも証拠いっぱい撮ってきてくれてね

スカ子

汗水たらしてたのは、働いてたからじゃなかったんだねｗ

モラ男

うそ、だろ…

スカ子

その画像ももちろん社長に送ってるよ

モラ男

そ、そんなことしたら、お前だってタダじゃ済まないんだぞ…

モラ男

何してるかわかってるのか…？

スカ子

うん！

モラ男

う、うんって、バカだろ…お前頭おかしくなったのか？

スカ子

だって私あなたの離婚するから

スカ子

もう関係ないでしょ？

モラ男

へ？

モラ男

り、離婚？

モラ男

な、ま、待て

モラ男

何がどうなってるのか、まったく…

スカ子

あなたが不倫をして、私が証拠を集めて、社長に送って、離婚をするの

スカ子

社長だけじゃないよ

スカ子

あなたのご家族や兄弟にだって報告済み！

モラ男

もう、やめてくれ、なにしてんだよ…

スカ子

だって離婚するとき変に足掻かれたら嫌だからさ

スカ子

ちゃんと味方作っておかなくちゃね

スカ子

あと、会社にもたぶん味方はいないんじゃないかな

スカ子

私会社で結構顔広かったから、プリ美ちゃん狙ってた男性社員とか、仲の良かった女性社員とか

スカ子

みんなに教えちゃったｗごめんねｗ

モラ男

み、みんな？

モラ男

みんなって、全員？

スカ子

うん、全員だよ

モラ男

なにしてんだ…まじで…意味が…

スカ子

浮気だけじゃないよね、普段からモラハラしてきたもんね

スカ子

だからそれもみーんなに教えたんだよ、そしたらすぐ味方になってくれた

モラ男

まじかよ…

スカ子

それでも会社には戻ったほうが良いんじゃないかな

スカ子

正式に受けないといけないから

モラ男

…受けるって、なにを

スカ子

解雇通告

モラ男

は…？

スカ子

社長、あなたを解雇するって言ってたよ

スカ子

会社に泥を塗った上に、頼りにしてた私を退社させておいてこのザマかってね

スカ子

だからほら、受け取りに行きなよ、解雇通告

モラ男

うそだ、これは何かのうそだ…

モラ男

弁護士、そうだ、弁護士に相談しないと…

スカ子

弁護士にはずっと前から相談してるからね

モラ男

なんだよ…お前、俺のことが好きで結婚したんじゃないのか…

スカ子

最初はそうだったよ

スカ子

でもね、もう百年の恋も冷めた

スカ子

毎日暴言吐かれて尊厳まで踏みにじられて、他の女にまで取られたら

スカ子

もう、こうするしかないじゃん

モラ男

なあ、待ってくれ

モラ男

俺達、やり直さないか

モラ男

まだ社長に、なんか加工した画像でしたとかで

モラ男

何とかならないのか

スカ子

え、ならないでしょｗ

スカ子

仲直りなんて200％する気はありません

モラ男

誰か、助けてくれ…

スカ子

もうこの世の中にあなたを助けてくれる人なんていないよ

スカ子

証拠も溢れかえるくらい揃ってるから、慰謝料だっていっぱい貰うつもり

スカ子

覚悟しててね

モラ男

頼む、たすけて…

スカ子

だから言ったのに

スカ子

取り返し付かなくなるって…

スカ子

じゃあね

～後日談～

スカ子

その後、モラ男は落ち込んだ様子で会社に戻ったみたいだけど即解雇通告を受けたらしい

スカ子

同じくプリ美はまだ若いということもあり、自主退職を勧められて、会社を辞めていった

スカ子

弁護士を通してモラ男とやり取りし、無事多額の慰謝料は払ってもらえることになった

スカ子

その後、金がない男に興味はないと、モラ男はプリ美に見事振られてしまったみたい

スカ子

行く先を失ったモラ男は、日雇い派遣で細々と暮らしているらしい

スカ子

そして、私は社長に誘われ、なんとまた会社に復帰できることに！また経理としてバリバリ働かないと！

スカ子

あんなことがあった後だけど、みんな温かくて優しくしてくれる

スカ子

それから、ヤサ太くんとはその後、デートを重ねて良い感じになってる

スカ子

これからはちゃんとした幸せをつかみます！

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結城真矢

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