ーザーザー
蒼空
ハァ…ハァ…
地面に雨を叩きつける中、ボロボロの体で行く宛てもなくただ走る
蒼空
…ハァ…ハァ…
蒼空
(…もう…ダメだ…走れない…)
走るのをやめて道端でうずくまってしまう
蒼空
……ウルッ…(涙目になる)
蒼空
……泣いちゃダメだ…ゴシ…(手の甲で涙を拭う)
だが、涙は歯止めが効かなくなり次々と涙が溢れる
蒼空
ウゥッ……もう…やだ…グスッ
蒼空
せっ、かく…グスッ…
"逃げて来たのに"
蒼空
頑張った…グスッ…のにッ!
蒼空
歩かなくちゃ…追いかけて来る…!(涙を拭う)
でも、思い通りに足が動かない
12月の上旬、元々低い温度が雨によって更に蒼空の体を冷たくする
蒼空
…(何も持ってきてない、)
蒼空
(咄嗟に出てきちゃったか、ら)
蒼空
………(もう、戻ろうか、な…)
その時、ふと下を見ると靴が見えたと同時に雨が体に当たらなくなった
不思議に思い見上げると…
???
…大丈夫ですか?
蒼空
……ありが…と、うございま、す
蒼空
…でも、大丈夫です
蒼空
貴方が濡れてしまいますよ
???
……
その人は、無言で目の前にしゃがみ、視線を合わせてくる
???
お姉さん、泣いてるでしょ
蒼空
ッッ!!
雨に紛れて見えないと思っていたが、彼は見抜いていた
蒼空
…なんで…優しく…してくれるの、?
???
…困っている人が居たら、声を掛ける
???
それがオレの中でのルールだからさ (ニカッ)
蒼空
……そう、なんです…ね
本当に不思議な人だった。 作業着を着て、いかにも仕事帰りのように思えた
???
…スッ…(手を蒼空の方へ伸ばす)
蒼空
ッ?!……ギュッ!!(目を瞑る)
殴られると思った。だが、彼の手は優しく私の頬に触れた
そして、蒼空の涙を拭ってくれた
???
…なんで助けを求めないんですか?
蒼空
……それはッ…
???
こんなにも辛い思いしてるのに…
???
辛く無いの?
蒼空
……ら…い
蒼空
つ、辛い…
???
…誰かに話した?
蒼空
……フル…フル…(首を横に振る)
???
じゃあ、誰かに助け求めてみて
蒼空
……
???
"助けて"の一言で良い。誰かに助けを求めて
蒼空
……ブワッ (涙が溢れる)
蒼空
…助け、て!
蒼空
私を…私を…!
"助けて"
その一言さえもっと早く言えてれば、何か違ってたのかな…
???
ん、よく言えました
そう言うと、蒼空の頭を優しく撫でた
???
よく頑張りました
???
オレがお姉さんを救ってあげる (微笑み)
蒼空
…あり…が…… (フラッ)
「ありがとう」と言いかけたが、安心と疲れが限界を迎え、倒れそうになる
???
ガシッ…(支える)
???
……スッ…(優しくお姫様抱っこする)
そのまま、雨の中へと歩いて行った
♡200 𝕟𝕖𝕩𝕥➯➱➩