ディエゴ
耳障りな声が聞こえる。
ジョニィ
僕はディエゴを強く睨み、 罵声を浴びせる
だが、彼は表情をピクリとも変えずに続ける。
__否、何なら嬉しそうに口元を 歪めるのだ。
ディエゴ
ジョニィ
言葉が通じない。
何を言っているんだこいつは。 自分のいいように解釈するんじゃない
何も分かっていない奴への怒りからか 顔に熱が集まってはがゆい。
ジョニィ
嘲笑するような浮き立った声で返す。
ディエゴ
ジョニィ
何を言っても分からない彼に 段々と苛立ってきた。
ジョニィ
僕の叫びを聞いてもなお、 彼は薄ら笑いを浮かべている。
それが余計に腹立つんだよなァ〜ッ! こいつとは一生分かり合えない気がしてきた。
分かりあえても馴れ合うつもりは さらさらないがな。
顔を赤くしてイライラと考えている 自分が、 あの野郎に弄ばれてるような気がしてまた腹が立ってきた。
ぐつぐつと煮えたぎる感情をどうにかしようと、 頭をくしゃくしゃと掻き回すが 上手くいかない。
思い出すだけで胸が握り潰されるような感覚に苛まれる。
僕を弄びやがって!昔からそうだった
僕が1位に輝くはずだった あのレースも、 ディエゴに負けて2位だった。
いつも感情を揺さぶられて、僕がどんな思いでいるのか知っているのか!? いや、知らないだろうな…。
僕がどれだけ苦労しても、 あいつは簡単に追い抜いていく。
そして僕の心情を知らぬような 素振りで話しかけてくる。
本当に気に食わない。
あぁ、こんなことを思っていても、 どんなに憎悪を抱えても、 アイツは変わらない。
僕の手で殺してやりたい。 言葉に表せぬ、この感情を 手に、指先に込めて 脳天を撃ってやりたい。
僕に撃たれたその瞬間、 アイツは僕の憎悪を ようやく理解すると思った。
ディエゴ
ジョニィ
コイツは馬鹿なのか? それともただ単に僕が嫌がっているのを見て楽しんでいるだけなのか?
……後者かもしれないな。
撃ってやりたい。もどかしい。
一生僕の前に現れないで欲しい。
ディエゴ
ジョニィ
好意をつたえないでほしい。
頭と胸が痛い。 心音がうるさくて仕方がないんだ。 耳を塞いでしまいたい。
僕の言葉を聞いたディエゴの顔には 笑みが浮かんだままだった。
本当に何を考えているのか分からない
僕は君を嫌っていて、 君は僕のことを好いている。
それで良いじゃないか。 それ以上踏み込んでくるんじゃあない
この関係を終わらせようとしないでくれ。僕は何があっても好きになるはずがないんだ。
ジョニィ
僕は嘲笑った。
男が男を好きなんて馬鹿げている。
頭の奥底でも、 奴を煽れて気分が高揚しているのか、答えを心待ちにしていた。
ディエゴ
冷静に、顔には笑みを貼り付けたままそう答えた。
ジョニィ
顔、_全身が熱い。
何を言っているんだ。
僕は口をパクパク動かし、 喉元までせりあがってきた言葉を 出そうとするが、 その言葉の正体が 自分でもわからなかった。
彼は何を言っているんだ。 僕は何を言いたいんだ?
ジョニィ
言葉を出せば出すほど、 上手く言えないもどかしさで体温が上がる。
周りの雑音がうるさく聞こえる。
ジョニィ
自分の本当の感情を忘れてしまった。
わからない。もう何もかも分からない
心臓がバクバクとうるさく鳴らせ、 全身を赤く熱くした状態でぼくは泣き出した。
ディエゴ
ジョニィ
僕にさしのべられた手を振り払う。
僕はこいつのことが好きだったのか?そんなはずはない。
僕はこいつが嫌いなんだ。
思考を巡らせ、 今まで生きてきた19年間の中で いちばん強く困惑し、焦り、 分からなくなった。
そんな僕を他所に、 ディエゴはいつものように ウザったらしく、不快な_
否、慣れ、心の奥底では安心する 笑顔と口調で言ってきた。
__ぼくは安心したのか、 よく分からないし言葉にできないが、威勢のいい声で答えた。
ディエゴ
ジョニィ
コメント
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♡1000にしといたー