もしひな3

ー制裁ー

鉄朗さんはいつもそうだ。俺の事なんか見てない。最初から。

断れない俺も悪いけど。

この関係が始まったのは数ヶ月前_____

男を振った、なんて言えるわけが無い。好きな人にだけは気持ち悪がられたくない。嫌われたくない。

本当はあなたの事が好きだって、愛してるって言いたいけど。

そっと胸の奥にその気持ちを押し込めて平静を装う。

こんなこと………断らなきゃ。断らなきゃ、断ら………

頭ではわかっていた。俺は鉄朗さんの性欲を発散するために利用されるんだって。でも…

少しでも好きな人から求められたと思うと嬉しくて。複雑な気持ちが俺の中を巡っていた。

今思えばこんな辛い関係が始まるのならあの時断っていれば良かった。その日から俺の生活はガラリと変わった。

鉄朗さんに呼ばれる回数は次第に増えていった。今ではほぼ毎日のように鉄朗さんの家に呼ばれる。

正直鉄朗さんとの行為は気持ちいい。慣れていると感じることもあるけど、気持ちよさの方が勝ってしまっている。

だからこそ問題なんだ。

俺は

_____俺は鉄朗さんが好きだから。

俺はわかっている。鉄朗さんは俺のことセフレとしか思っていない。きっとそう。

でも、認めない。それを認めたら、俺の心が壊れちゃうから。

今の関係がダラダラ続くのかなぁ…。

辛いな…。

俺は、覚悟を決めて告白することにした。当たって砕けろ精神で告白して。断られたらもうこの関係は絶とう。これ以上俺の心が傷つく前に。

結構の日は決まった。あとは勇気を出して実施するのみ！

やっぱりダメかぁ。

あぁ、ダメだな、俺。

黒尾鉄朗は誤算していた。

彼、日向翔陽は

ドSだったのだ

その日の行為にて彼に制裁が下ったのは言うまでもない。

終わりー