それはそれは大昔。
この世には神様がいたとされてるって、知っとるか?
龍神サマや。
この家はなぁ、龍神サマに守られとったんや。
龍神サマはなぁ、気まぐれに自分の力を伝承するんや。
泉はその一人やのぉ。
俺の爺さんも、龍神サマの力受け継いでなぁ。
でもな。その力を悪いことにつこたんや。
爺さんは龍神サマから罰うけてなぁ。
お前もその力。たいっせつに使えよ。
龍神サマの、気まぐれや。
泉
んん。
泉
久しぶりに爺ちゃんの夢見たな。
泉
…
泉
大切に使うよ。
母さん
泉~!あんた雪ちゃんが来てるよ~!!
泉
雪が!?
雪
…
泉
雪!
泉
急にどうした?
雪
あのなぁ…ほら、明日転校初日で、
緊張しとるから…
緊張しとるから…
そうか、明日俺の高校に転校だもんな。 緊張するか。
泉
転校…って言っても入学式の三日遅れだろ。
俺と一緒のクラスだしな。
俺と一緒のクラスだしな。
雪
うん…そうやね。
ごめんねこんな朝早くに来てしもて。
ごめんねこんな朝早くに来てしもて。
泉
おぉ。明日また、俺が迎え行くから。
雪
うん。また明日ね。
泉
…
母さん
雪ちゃん。ついに明日…なのかぁ。
泉
おう。…
城咲雪。彼女はいじめられていた。
中学生一年から三年までずっと。
そのせいで三年の二学期からまともに出席できなくなった。
しかし、ちゃんと勉強、予習をしていたので 入学予定だった指定の高校から 泉の高校へ急遽転校することになったのだ。
母さん
でも、あんたのクラスいい子ばっかりなんでしょ?
きっと大丈夫よ。ちょっと内気なだけで
優しい子なんだから。
きっと大丈夫よ。ちょっと内気なだけで
優しい子なんだから。
泉
うん、わかってる。
雪
…。
雪
赤沢、宏…
その名前を呼ぶだけでも、記憶が思い出される。
宏
おい
雪
は、はぃ…
宏
なんでそんなとこいんだよ。
お前の席はここだろ?
お前の席はここだろ?
ガシャガシャッ!
雪
!!
宏
あそこで授業うけてろよ。
邪魔だわ。
邪魔だわ。
雪
う、ぅ…うぅ…!
男子
まじ笑えるわwお前にはそこがお似合いだよw
女子
ピッタリじゃーんww
クスクス…クスクス…
雪
い、いや…もぅやめて…!
雪
…。
雪
また、あんなことになったら。
雪
私…どうすればいいの?
雪
怖いよ…!