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どうもお久しぶりです。

アイコンを変えましたが主です。

今回アイスバース書きます

知らない人多いと思うのでアイスバースの説明をしておくと

アイスとジュースという人がいて

アイスは、ジュースと結ばれると三分以内に体が溶けて死んでしまう。

他の人よりも体温が低いなど、見分け方がある。
自分でアイスだということがわかっている。

ジュースはアイスと結ばれるとアイスを溶かして殺してしまう。

それ以外は普通の人間と変わらない。
自分がジュースということが分からないから、アイスをとかして初めて自分がジュースだということを知る。

アイスとジュースを結ばれやすい運命にある。

以上が説明ですね。

Twitterでバッドエンドばっか流れてきたので、無理やりハッピーエンドにします。

ハピエン厨なので。

どうぞ

ランス

好きだ。

ワース

はいはい

ランス

俺は真面目に言っているんだ。

この後輩の告白をこうやって流すのももう何度目だろうか。 目の前で不貞腐れたような表情でこっちを見る後輩ーランスを見て思う。

別に、ワースはランスのことが嫌いなわけではないのだ。 むしろその逆だ。ワースはランスのことが恋愛的に好きだ。

だからこそ、応えるのが怖かった。

ワースは、世間で言われるアイスだった。 もしも、ランスがジュースだったらワースは溶けて死んでしまうのだ。

正直、自分が死ぬのはどうでもいい。どうせ未来のない人生だから。 ただ、ワースが目の前で溶けて死んでしまったら、ランスはそれを一生引きずることになるだろう。

それは嫌だった。

ワース

俺、部屋戻るわー

ランス

待て、話は終わってな……

ワース

また今度な。

ランス

……貴様はいつもそればっかりだ。

応える気がないのなら、さっさと断ってしまえばいいのに、それができないのはやっぱりワースがランスのことを好きだからなのだろう。

ワースはランスの制止の声もきかず、勉強道具を持って部屋へと戻った。

あれから、何ヶ月もの時間が過ぎ、卒業式の時期になった。

今日で図書館にいくのは最後だろう。

そして、今日はランスをかわすことができない。

ランスのことだ。なにがなんでも応えを求める。

数ヶ月ものあいだ、毎日のようにランスに告白され、かわしてを続けてきたワースの中にはある気持ちが生まれていた。

一縷の望みをかけて、応えてもいいのではないか、と。

なにもランスがジュースだと決まったわけではない。 たとえジュースだとしても自分は溶けてしまったっていいから。

もし、溶けてしまったら、ランスは一生ワースのことを忘れないだろう。

もう、それでいい。 ここでランスの告白を断って、この先ワースのことなんか忘れて生きられるよりかは、嫌な思い出でも、ランスの心をつかんでおきたいって思ってしまった。

強欲だな、

そう思ってワースは自嘲する。

さて、荷物はもう既に片付けたし、簡単に遺書も書いた。 もう、心残りは無い。

いこう。告白の返事をしに。

図書館のいつもの定位置に行けば案の定、ランスがいた。

ランス

今日こそは、必ず返事を聞かせてもらう。

ランス

聞かせてもらうまで帰さないからな。

ワース

……あぁ。俺もそのつもり。

ワース

場所変えようぜ。

さすがにここで溶けてしまえば、大惨事だからな。

ランス

……あぁ。

図書室を出て少し歩いて曲がったところの廊下。 ここはあまり人が来ない。

ワース

それで、告白の返事だが、

ランス

あぁ、ずっと待ってた。

少しだけ手が震える。

そんな手を抑えてワースは口を開いた。

ワース

……俺も好きだ。

そういった瞬間、どろっ、と中から溶けていく感覚がした。

膝ががくんと折れて廊下に座ってしまう。

ランス

ワース!?

あぁ、やっぱり

ワース

ジュース、だったんだな。

ランス

ジュース……???

ランス

っ!!!!

ピンと来たのか、ランスは絶望したような顔をしてワースの手をつかんだ。

ランス

っ、溶けてる……。

ワース

だろ?

ランス

貴様は……アイス、だったのか。

ワース

まぁな。

ランス

なぜ、なぜ言わなかった!!

ランス

なぜ俺の告白に応えたんだ。

ワース

アイスだって言ったら、言葉で言わなくても思いが通じあったことになるだろ。

ワース

それに、最後だしな。

ランス

それは理由にはならない!

ランス

貴様が死んでどうする!

ランス

意味がないだろう!

ワース

……忘れられないだろ?

ランス

何を、

ワース

今この瞬間を永遠に。

ランス

っ、当たり前、だ

ワース

それでいいんだよ。

ワース

この先の人生、こんな辛い思い出でもランスの心に俺が残るならな。

ランス

ふざけるなッ

ワース

はは、これしか方法がなかったんだよ。

ワース

ランス……愛してる。

ほとんど溶けかけた体を無理やり動かして、ランスに最初で最後のキスを送る。

視界がかすみ、声も遠のく。

ランス

絶対、絶対貴様を助ける!

ランス

だから、浮気せずに待ってろよ!

はは、頑張れよ。

もう、声も出なかった。 遠のく意識の中、最後に見えたのは、泣いているランスの顔だった。

もう何時間ここに座っていたのだろうか。 窓から差し込む夕日でようやく我に返る。

目の前にはみずたまり。 ついさっきまで確かにワースがそこにいたはずなのだ。

ランスは小さく呪文を唱え、目の前のみすたまりの水を一滴残らず瓶の中に入れる。

ランス

……いつか、必ず。

あれから数年の時が経ち、ランスはイーストンを卒業し、無事神格者として魔法局で働くことになった。

そして、仕事の合間を縫って、アイスを元に戻す研究をし続けた。

それは並大抵の努力ではなかった。 神格者としての仕事もこなしながら、研究を続けるなんて、普通に考えたら無理なことだ。

だが、この男知っての通り愛が重い。 とてもとても重い。

どんなに疲れていても、ワースのことを思うと、休んでなんていられなかった。

毎日寝る間も惜しんで、研究を重ね、ときどきみんなに強制的に休まされ、そんな毎日を繰り返した。

そして、ツララさんの助けもありようやく、魔法薬が完成した。

なんだか体が重い、頭も重い、動きたくない。 ずっとこのままベッドに体を預けて寝ていたい。

……ん?寝ていたい?

急に真っ暗だった視界がパッと明るくなる。久しぶりの光に目がなれなくて思わず目を細める。

ワース

……ん、ここどこ?

ランス

!!!!!!

ランス

ワースッ!!!!

急に視界に飛び込んできた空色にびっくりする。

ワース

らん、す?

ランス

わーす、わーすっ、よかった。

抱きしめられながら、名前を呼ばれ、だんだんと意識が鮮明になってくる。

俺、あのとき1回死んだんだ。 そしてこいつが、俺をもう一度この世界に戻してくれたんだな。

ワース

泣くなよ、

ランス

泣くに決まっているだろう!?体は動くか?大丈夫か?

ワース

あぁ。ちゃんと動く。

ワースが体を動かして見せると、ランスはほっとしたような顔をする。

ランス

っ、成功だ。

ワース

……ありがと、な。

ランス

当たり前だ。

ランス

……よし、結婚するぞ。

ワース

は???なんで急にそうなった!?

ワース

早くね!?

ランス

俺は充分待った。

ランス

何年、貴様に思い焦がれてたと思ってるんだ!

ワース

いや……ま、まあそうかもしれないけど

ワース

俺の心の準備が……

ランス

それはあとからでいいだろう?

ワース

無茶苦茶だな!おい!

ランス

無茶苦茶でいい。

ランス

俺はもう貴様を離したくない、

ランス

間違ってでもにがさない。

そういうランスの顔は少し辛そうで、

ワース

はぁ、仕方ねぇな。

ワース

そのプロポーズ受けてやるよ。

ランス

本当か!?言質はとったからな。今更なしは受け付けないぞ。

ワース

言わねぇよ。

ワース

まあ、せいぜい離すなよダーリン♡

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