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Suga
先輩のその言葉に、僕は心臓を直接掴まれたような衝撃を受けた。
Hobi
必死で首を振る僕を見て、ユンギ先輩はふっと、いたずらっ子のように口角を上げた。
Suga
先輩が自分の隣、ピアノ椅子の空いているスペースをポンポンと叩く。
断る勇気もなくて、僕はロボットみたいなぎこちない動きで、先輩の隣に腰を下ろした。
狭い椅子の上。肩が触れ合いそうな距離。
先輩から、あの冷たくて清潔な香水の匂いが、昨日よりもずっと濃く漂ってくる。
Suga
Hobi
Suga
"えっ" と声を出す間もなかった。 先輩の細くて綺麗な指が、僕の右手をそっと包み込む。
そのまま、僕の手を鍵盤の上に導いた。
Suga
先輩が背後から包み込むような形になって、耳元で低い声が響く。
彼の体温が背中に伝わって、頭の中が真っ白になった。
ポーン、と重なり合った指が鍵盤を叩く。
先輩の指は少し冷たいのに、僕の手を包む手のひらは、驚くほど温かくて。
Suga
突然、ピアノの音が止まった。
至近距離で名前を呼ばれて顔を上げると、そこには三日月のような瞳が、真っ直ぐに僕を見つめていた。
Suga
Suga
Hobi
僕の声が震える。
すると先輩は、鍵盤から手を離し、僕の頬にそっと手を添えた。
親指が、僕の唇の端を優しくなぞる。
Suga
Suga
先輩の顔が、ゆっくりと近づいてくる。
夕日に照らされたその瞳には、冗談なんて一ミリも混じっていない、熱い本気が宿っていた。
Suga
心臓の音が、ピアノの音色よりも大きく響いていた。
僕はただ、潤んだ瞳で先輩を見つめ返すことしかできなかった。
窓から差し込むオレンジ色の光が、 重なった僕らの手を白く照らしていた。 先輩の指は少し冷たくて、でも包み込む手は驚くほど温かくて。 奏でられる音色よりも、僕の心臓の音の方が きっと先輩には大きく聞こえていたと思う。 逃げ出したいのに、離れたくない。 僕はもう、先輩の旋律から抜け出せなくなっていた。