太宰治
あ
中原中也
あ?
太宰治
君に伝言を預かっていた事
を忘れていたよ
を忘れていたよ
中原中也
伝言?
太宰治
翠ちゃんからさ
太宰治
彼女があの拠点を出る際に
残した言葉
残した言葉
『 大好き 』
太宰治
.... だそうだよ
中原中也
....
中原中也
急ぐぞ
太宰治
ところで君は翠ちゃんの異能
について、何処まで知ってい
るんだい?
について、何処まで知ってい
るんだい?
中原中也
何も聞かされてねぇよ
中原中也
その言い様だと、太宰
中原中也
手前は何か知っているんだな
太宰治
.... (( 笑
太宰治
では昔話をしよう
時は遡り五十年前
とある村に災いが起きた日の話
突然の火事
火が回り、家々は全て燃えてしまう
村人は何も持たず只、走り続ける
警報が鳴り、家は崩れ落ち
人は死に。泣き崩れ
また人は死する
何も出来ぬ者達は皆
願う
奇跡を __
?
....
?
人よ、我の問に答えよ
村人
な、何だ....?
?
村を救い、民を蘇らせる事が
出来れば....
出来れば....
?
其方は我に何を与える?
村人
!
村人
何でも、何でもする!
村人
私の命でも全てを捧げよう!
?
....
?
承知した
何処の者かも分からぬ者は身を現す
村では目にしなかった少女だった
微笑み、その少女は
" 歌った "
聞いた事の無い歌
少女は歌い、そして
全てを戻してしまった
村人
なんと、
村人
奇跡だ ....!
村人
奇跡が起きた....ッ!
死した者は蘇り、家々は全て元に戻る
人々は歓喜に包まれ
" 少女を崇めた "
しかし
忽然と少女は消え、人々は災いを 恐れた
村人は微かな記憶を頼り、あの日の歌を 記した
何十年経とうとも あの奇跡を忘れぬ様
少女との約束を果たせる様に。
太宰治
おしまい
中原中也
.... 真逆
太宰治
そう、此は彼女の異能の話だ
太宰治
村人達はあの少女の力をこう
呼んだ
呼んだ
『奇跡謳歌』
太宰治
__ とね。
𝙉𝙚𝙭𝙩 .3500