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不老不死1

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不老不死1

1 - 不老不死1

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2019年11月04日

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薄暗い通路。重厚な扉に一人の男がカードをかざす。

扉は『ピッ』と機械的な音がした後に少しずつ開いてゆく

マリアンヌ

あら、マイク。奇遇ね。

マイク

…ああ、君か。

マリアンヌ

ねぇ、暇なんだし少しテラスでお茶でもしない?

マイク

…何故君と

マリアンヌ

研究について。

マイク

…っ、わかったよ。

一面ガラス張りのカフェテラス。白衣姿の研究者と私服姿の学生が往々に行き交う。マリアは背もたれに深く腰掛けコーヒを飲んでいる。 マイクは目の前のコーヒーに手をつけず、前かがみにマリアを見つめている

マリアンヌ

コーヒー、冷めるわよ。

マイク

…煩いな。それより話は。

マリアはおもむろにため息をつくと、こう話し始めた

マリアンヌ

今のところ順調よ。動物実験も成功と見ていいでしょう。

マリアンヌ

一つ問題なのは、実験をする際片方は仮死状態にならないといけないって事ね。

マイク

…そうか。

マイク

なら俺は…

マリアンヌ

あ、待って。

そう言いかけたマイクは固まる。そこには…

エミリー

おはようございます!マイク先生、マリアンヌ先生…!

マイク

エミリー…!おはよう!

マリアンヌ

…どうも。

マイク

授業はもう終わったのかい?

エミリー

はい…!お二人の姿が見えたので…

そう言って少し顔を赤らめるエミリー。

エミリー

……あ!私、注文してきますね。

マイク

ああ、僕が奢るよ。

エミリー

い、いえいえ!じゃあ注文してきますね

マイク

そ、そうか…

エミリー

あ、私、もう行きますね…!では!

そう言って走り去るエミリー

マリアンヌ

随分ご機嫌ですこと。

マイク

…何がだ

マリアンヌ

私と話す時と全然違うのね。…嬉しそうにしちゃって。

マイク

…関係ない

マリアンヌ

お邪魔なら失礼するわ。

マイク

おい…!まだ話は途中…

マリアンヌ

なに?

マイク

研究はストップか?

マリアンヌ

それはまた別の話。

マイク

どういうことだ

マリアンヌ

上層部は続けろですって。今度はヒトの脳に近い生物での実験でってね。

マイク

…人間でやれば早いのに。

マリアンヌ

それは禁句よ。マイク。

マリアンヌ

…これは貴方への伝言。

マイク

なんだ?

マリアンヌ

『暫く休め』ですって。

マイク

ふざけん…!

マリアンヌ

マイク、わきまえて。

思わず腰をあげたマイクは、再びゆっくり腰かける。     数人の学生が一瞬こちらを見るが、すぐさま早足で去っていく

マイク

…なるほど、な。新しい責任者は君か。

マリアンヌ

ええ、そうよ。所長の決定。私もなりたくなかったけれど。

マイク

はっ!俺はお払い箱ってか。

マリアンヌ

それはわからないわよ。

マイク

それにしても、この前研究をやめろって言われたばかりなのに忙しいもんだな。

マリアンヌ

そんなものよ。誰だって自分の利益になる研究なら実用化に向けて急かすのがエゴじゃないの?

マイク

人類の発展を考える我々研究者が、か?

マリアンヌ

人類の発展ね…限りなく安全であると判断が下された段階で、人類に実用される前に使う連中ばっかりでしょうに

マイク

お前もその一人だろ。

マリアンヌ

ノー、よ。悪いけど私は「人類の発展の為」にやってるわけじゃない「仕事」としてやってるの

マイク

仕事だから、誰がどうなろうと目もくれないわけだ

マリアンヌ

…否定はしないわ。

マイク

ご立派なもんだ

マリアンヌ

不老不死の夢…興味がないわけじゃない。だけど、自分そっくりのクローンを作ろうとしたり、顔や体をそっくり整形で作り替えることに興味はないわ…粘土細工じゃあるまいし

マイク

粘土の劣化は変えられない…結局のところはそこだ。個の精神をそのままに、別の肉体に成り代わる研究…重要なのは精神であって肉体ではない、スペアとしての肉体、不死の肉体ではなく、不死の魂…

マリアンヌ

…なんでそんなに入れ込むの

マイク

人類の発展の為

マリアンヌ

(鼻で笑う)本気?

マイク

ここらで一発勝負したかっただけさ。…いつまでも誰かさんの下は嫌でね

マリアンヌ

…どうして私、あなたからそんなに嫌われているの?私はあなたのこと…

マイク

やめてくれ

マリアンヌ

マイク

君が降りるという選択肢はないのか?

マリアンヌ

降りる理由がないわ

マイク

俺の為に…じゃダメなのか?

マリアンヌ

…ずるい人

作者:Rin5

今回はここで終わりとなります。

作者:Rin5

ここからは拗れたり、結構重くなったり…するのでご注意を!

作者:Rin5

では、また次のお話で!

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