ユウタ
ユウは……どうだった?
颯太
……
颯太
好きか…嫌いか…と言えばわからない……らしい…です。
ユウタ
そう……か…
颯太
それで、もし謝ったら許すか…と聞いてみたら…
颯太
謝る勇気があるなら…僕にお願いして…聞いてこさせるんじゃ…なくて、自分から…質問して……って、言われました…
ユウタ
……
ユウタ
そうか…
千秋
ねぇ、ユウちゃんに謝りに行きましょ?
ユウタ
……
千秋
ユウタ君…
ユウタ
僕にそんな資格なんてないよ。
ユウタ
今更、前みたいにするだなんて無理だ…
颯太
……
颯太
(あの子が惨めだな…こんなクズ親なんかを……)
ユウタ
ねぇ、颯太君。ユウは他に何か言ってなかったか?
颯太
(偽善者め、偉そうに言うんじゃねぇよ)
颯太
えっと…
颯太
ユウさんの…お母さんが、亡くなってから、一生懸命…頑張ったのに…何もやってこなかった…お母さんのいた頃の方が……見てくれてた…って…
ユウタ
そんな……
ユウタ
あの子がそんなことを…
颯太
(今更かよ…あんな辛そうな笑顔貼り付けてたのにまだ気づかねぇのか…)
颯太
(クソ親父じゃねぇか)
千秋
ユウタ君。私たちは今、家族になったんだから、私達を頼って頑張って打ち解けていきましょ?
ユウタ
無理だ…そんなことできない…
千秋
……
千秋
ユウタ。いい加減にして頂戴
ユウタ
千秋…?
千秋
貴方はなんで気づかないの?
千秋
颯太でさえ気づいてたのに…
颯太
……
ユウタ
な、何を…?
千秋
はぁ…ユウちゃんの笑い方よ
ユウタ
それがどうかしたのか…?
颯太
(は!?お前頭と神経可笑しいんじゃねぇの!?)
千秋
あの子の笑顔を見てなんとも思わなかったの?
千秋
人見知りの颯太まで感じ取って、あの子に気を使っていたというのに…!!
ユウタ
……え?
千秋
あの子、ずっと作り笑いしてたのよ
ユウタ
は…?そんなわけ…
千秋
あるから言ってるの
千秋
嬉しそうな声色を出してるけど、目は笑ってなんていなかったわ
千秋
まだ子供で、テレビなんかで演技もしたことのない子供があんな笑みをするなんて、貴方。どんだけあの子を苦しめたの?
ユウタ
そんなのっ…
千秋
わからない?そう言いたげな目をしてるじゃない。
千秋
貴方が理解してあげないんだったら、あの子のことを私が理解してあげるからあの子を私に頂戴
ユウタ
何を……
千秋
再婚は取り消しにして、あの子を引き取る
ユウタ
ふざけるな!!あの子はクレンの!
千秋
貴方とクレンさんとの子供なのに、なんで貴方"との"じゃなくてクレンさん単独が出てくるの?
ユウタ
っ……
千秋
彼女はもう、あなたの傍に置いておけない
千秋
もう、心が壊れ始めてるから、貴方には無理よ。受け止めてあげる人が今のあの子には必要なの。
ユウタ
嘘だ…
千秋
嘘なんてつく意味ある?
千秋
貴方、あの子と居て嬉しかった?楽しかった?
ユウタ
……
千秋
あの子は貴方といるだけで、辛いんでしょうね
千秋
本当に可哀想だわ
ユウタ
っ……
千秋
颯太。ユウちゃん連れてきて。一緒に帰るわよ
颯太
うん
ユウタ
!! 待ってくれ!
颯太がリビングから出ていこうとするところをユウタが止める
千秋
今更なんなの?
ユウタ
僕はあの子と一緒にいたい
千秋
……だから?
ユウタ
っ……
千秋
颯太。ユウちゃんの所に行きなさい
颯太
はい
ユウタ
! やめて!!
ユウタ
これ以上僕から奪わないで…!!
千秋
奪ったのはどっちなのよ!!!!
ユウタ
!!
千秋
ユウちゃんの心を、奪ったのは誰なのよ!!!
千秋
あの子のお母さんが亡くなったのは不慮の事故だと聞いたわ。
千秋
そんなのあの子が悪いわけないじゃない!!
千秋
お母さんが亡くなった時、あの子はまだ幼かったのよ!!!
千秋
お母さんが自分を庇って目の前で亡くなったのよ!!!
千秋
貴方だけが辛いと勘違いしないで!!!
千秋の言葉にユウタが膝から崩れ落ちる
千秋
さよなら。ユウタ
そう言うと、颯太とユウの部屋へと向かっていく
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コメント
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千秋さん!さすが!かっこいい!すごい!これならユウが幸せになる!
千秋さん後は任して☆







