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由紀
廊下で派手に転んだ後輩__ 中高一貫校なので、体の大きさから 察するに多分中一__に駆け寄り 助ける高三女子。胸ポケットから 絆創膏を出した彼女は、後輩の膝に 優しく貼ってあげていた。
………。いえ。妬きませんよ? 妬いたら負けだと思ってますから。 はい。……あー、刺したい。
由紀
ぽんぽん、と後輩の頭を叩き、立ち上がると、颯爽と歩き始めた。
………格好つけ野郎め……!
これで本当に格好がついてるからまた悔しい。そんな彼女が私の彼女で あることを喜ぶべき…な訳ないない! 頭に浮かんだ考えを全力で打ち消す。
彼女の彼女になったことは災難でしか ないよ!まぁそれでも好きなんだけどさ!
由紀
真里
あぁもう、顔なんか覗きこまないでよね!……恥ずかしいじゃんか!
由紀
正面から現れた先生に全力で愛嬌を 振り撒きつつ駆けていく彼女。
もういい加減にしないかなぁ…。 楽しそうに喋ってるけど、そんな 表情、私に向けた事あった? 実は私といるの、楽しくない?
……あー、刺したい。
あぁもう、だから彼女と廊下を 歩くのは嫌いだ。
由紀
向日葵のような笑顔で頭を下げる 彼女に、私は隠さず嫌な顔をする。
由紀
真里
由紀
真里
口ではこう言いながらも、確実に 声のトーンが上がっている。 何喜んでんだ、私。
由紀
………はい。 完全にノックアウト。
あーあ。また負けた。 こうやって、私は彼女に負け続けるのかもしれない。
……なんて思いつつ、それを楽しみにしている私がいた。