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本田

あ、見つけた

本田

ねえねえ君って多瀬田君?

多瀬田

あ?…って何でここにッ!!

齋藤

お、お前名前は…?

本田

ん…?僕?

本田

本田もみ…

いきなり背中を向けて走る二人

多瀬田

最悪だ!!逃げるぞ!!

齋藤

多瀬田くん!多分あいつ立川のこと見てたよ!!

多瀬田

もう何もかも最悪じゃねぇかよォ!!!!

本田

ねぇ!ちょっと待ってよ!!

齋藤

ダメだ!多瀬田くん待ってよぉ!!!!

本田

ここは…病院…?

どうやら記憶が飛んだらしい

母さん

紅葉!!

本田

母さん…?

本田

なんで俺病院なんかに…

父さん

紅葉…お前がやったのか…?

本田

やった…?何を…

謎の沈黙がこの空間を走った

母さんと父さんはお互いを見つめて確信したような頷き方をする

父さん

今から言うことは衝撃なことかもしれないが落ち着いてよく聞いてくれ

本田

うん…

父さん

お前はいま殺人の罪を掛けられている…

本田

はぁ…?なんで…

父さん

そして被害者の青年2人多瀬田くんと齋藤くんはお前と以前認識がある事も明らかになっている

本田

多瀬田…?ッ!!

本田

え…そいつら死んだの…?

父さん

いや、多瀬田くんの方は意識不明の重体、齋藤くんの方で罪を…

本田

え…でも俺は殺してないって!!

父さん

分かってる…

父さん

落ち着いてよく聞けと言ったろう?

本田

うん…

父さん

そして2人の体には思いっきり殴られたような痕が複数あるんだ…

父さん

で…お前の拳を見てみろ

本田

ッ!!

俺の拳は皮が剥がれ皮膚が脹れていかにも何かを殴ったような形をしていた

本田

え…俺って捕まるの…?

父さん

いいや、捕まらないしお前はやっていないと今さっき確信した

父さん

だが、その殺人現場でたまたまお前がそこで寝てただけだ

父さんの説得は流石に無理があった

りつが死んだあとで俺の頭がおかしくなって記憶にないだけなのかもしれない

本田

なんで捕まらないって言いきれるの…?

父さん

お前は殺害した瞬間を覚えているか…?

本田

いや…

父さん

そういう事なんだ…

父さん

多分お前は精神に重度の障害を抱えている…

本田

は…?

父さん

警察の人からは普通の人ならこんなに追撃をすることは無いと言われた

父さん

俺もお前があんなに人を殴る真似はしないと思ってる

父さん

きっと精神的に大きなショックを受けたんだろう?紅葉

父さん

心当たりはあるか?

本田

りつ…

自然と涙が流れた気がする

父さん

どうした…?大丈夫か?

本田

りつが死んだんだ…

本田

電車に轢かれて

父さん

母さん

二人とも眉間にシワを寄せて堅苦しい顔をしている

本田

でも俺が精神に異常をきたしてるとしてなんで捕まらないんだ…?

父さん

刑事事件というのは意図的に行うから発生するんだ

父さん

「悪いことだ、していけない事だ」という責任があるにも関わらず犯罪を犯してしまう、これは犯罪

父さん

紅葉の場合その責任能力が低下してる状態なんだ…

父さん

そうなると犯罪という定義に該当しない為罪が軽くなるか、もしくは無罪なんだ

父さん

そして紅葉は未成年、無罪の確率の方がずっと高い

父さん

だからこの病院で安静にしていることになっている…

本田

そう…なのか…

その後は俺の元に2人のスーツを着た警察の人が来た

その事件の事とか、心当たりとか日々の生活色々

そして俺は何事も無かったかのように退院した

あれから俺達家族は引っ越した

父さんを除いて

母さん

紅葉!笑これ見てよ!ウケる笑

本田

はぁ…今勉強してるからあっち行ってよ

流石に人を殺した子が街に住んでるんじゃ住人は恐ろしくて堪らないだろう

そしてその住人達の噂話に自分達も耐えられなかった

父さんは会社からの視線が辛くて会社を辞めたらしい

それが理由なのか分からないけど以前の家ではよく父さんと母さんの罵声がよく飛び交ってた

それで二人で決めあって離婚になったとか

俺は母さんの方について行ったけど

生活の中でそんな異変は無い

変わったと言ったらよく母さんが笑うようになった

きっと精神に病を来す俺を励まそうとしているのだろう

でも何でだろうすごく清々しい気分なんだ

本田

はぁ…疲れた…

本田

テレビ見よ

カチッ

コメンテーター

でもやっぱり日本の法律も改善するべきだと思いますよ~

コメンテーター

責任能力がないからと言って捕まえないのはねぇ~

コメンテーター

その殺された親の気持ちになってみたら本当やり切れないですよねぇ

司会

そうですよね、今もこうして普通に生きてると思うと怖いものですよ

いつまでこいつらはこんな事ばっかり話してるんだ

りつが目の前で死んで普通でいられると思うか?

ただカメラに向かって喋ってばっかのくせに…

本田

(出来るなら普通に生きたいよ…)

多瀬田、齋藤、りつの事を思い浮かべた

りつをあの時ちゃんと救えたなら

精神に異常を来すことなど無かったし、あの二人がそんな目に逢うことも無かった

だが、りつは死んだ

これはしっかりと記憶に残っている

どうしようもない後悔が、俺の胸を貫く

だけど俺はあの日、あの二人に会ったことすら覚えてない

母さん

紅葉…?

だけどあの二人が重体、死んだことに対して俺は

本田

ふふふ…

本田

ハハハ

とても嬉しかった

りつに少しでも報いる事が出来た気がして

心の奥底から何故かそう思っていた気がする

脹漣

モミ…

本田

んぁ…?

脹漣

それで本能寺に5月の終わりに往くことになったのだが…

本田

(本能寺…)

どうやらまた記憶が飛んでいたようだ

俺は脹漣様と廊下を歩いている中で信長様を死なせまいと誓い、そして決心をした

もう、自分勝手な事をして失望されることはしない、大事だと思ったものは守る

りつのようにはもう…

脹漣

で…お前も行くことになったのだが…

ガクッ

脹漣

モミ…?

本田

はい、何ですか?

脹漣

涙が出ておるぞ…

何故か俺の左目から1滴涙が垂れた

本田

あれ、何でだろう笑

脹漣

脹漣

モミ

本田

はい

脹漣

無理はするなよ

本田

本田

しませんよ

信長に会いに行く

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