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毒に溺れる

第26話 - 夜のバーカウンターで

110

2025年09月20日

#創作BL

#BL

#創作

#一次創作

#恋愛

だいふく

バーの扉を開けると、落ち着いた照明とジャズが流れる空間

カウンターの奥から顔を出したのは――派手めなシャツを着こなし、明るい笑みを浮かべた男だった

湊

おー！珍しいじゃん、隼人。こんな時間に

隼人は片手を軽く上げて応じる

隼人

湊。……客、入ってるか？

湊

ぼちぼちだな。――って、ん？

湊の視線はすぐに隼人の後ろに隠れる碧に向かった

湊

へぇ、誰だよその子。隼人がお持ち帰りじゃなくて、連れ歩いてるとかレアだな

からかうように笑いながら、カウンター越しに手を振る

湊

いらっしゃい。俺、藤堂湊。この店のマスター。よろしくな

碧は一瞬緊張で固まったが、隼人の腕をぎゅっと掴んで小さく会釈する

碧

……あ、碧です……

その仕草に、湊は目を細める

湊

うわ、かわっ。……なぁ隼人、お前こんな大事そうに腕掴まれるの、見たことねぇぞ

隼人は肩をすくめ、わざとらしくため息をつく

隼人

うるせぇ。……酒、あるだろ

湊

はいはい。けど、俺的にはこっちの反応見てんのが面白ぇな

湊はニヤリと笑い、碧にウインクを飛ばした

カウンターに腰を下ろした隼人と碧

湊はグラスを拭きながら、にやっと笑った

湊

さてさて、隼人はいつも通り強めのでいいとして――

視線を碧に移し、わざとらしく首をかしげる

湊

君はどうする？　……って言っても、未成年っぽいな。可愛い顔して

碧はびくりと肩をすくめ、小さくうなずいた

碧

……はい

湊

よし、じゃあ“かわいい子ちゃんスペシャル”作ってやるよ

そう言って、湊はシェイカーを軽快に振り始める

ライムとジンジャーエールをベースに、ほんのり甘いシロップを加え、最後にチェリーをちょこんと乗せて

湊

ほら、完成。アルコールゼロだから安心しな

差し出されたグラスに、碧はおそるおそる口をつけ――ぱっと目を丸くする

碧

……おいしい

湊

だろ？　かわいい子ちゃんには似合ってると思ったんだよな

にやにや笑う湊の横で、隼人が眉をひそめる

隼人

おい。呼び方

湊

えー？　いいじゃん。事実だろ

湊はわざとらしく肩をすくめ、碧を見てウインクする

湊

かわいい子ちゃん

その一言で碧は耳まで赤くなり、慌ててグラスを口元に運んだ

グラスを両手で持ちながら、碧はちらりと隼人と湊を見比べた

碧

……あの、二人って……どういう関係なんですか？

湊が先に口を開く

湊

お、気になる？　俺と隼人の仲

にやにや笑いながらカウンターに肘をつき、碧に視線を送る

湊

俺は昔ホストやっててさ。こいつとは同じ店で働いてた仲間なんだよ

隼人はそっけなく頷く

隼人

まぁ、そんなとこ

湊

それで今はバーのマスター。だから隼人は今でも顔出してくれるわけ。……で、君は？

湊の目が碧に向けられる

湊

碧ちゃん

ぱちりと瞬きして、碧は耳まで真っ赤になった

碧

……あ、あの……その呼び方、やめてください……//

湊はわざと驚いたふりをして笑う

湊

えー？　なんで？　かわいいのに

碧

……っ//

碧は俯いてグラスに口をつけ、隼人の袖をそっとつまんでしまう

隼人はその様子を横目で見て、くくっと低く笑った

隼人

湊、からかいすぎ

湊

いやぁ、反応が可愛いからさ～

そう言いつつも、湊はちらっと隼人を見てニヤリ

湊

でもまぁ……お前にだけは敵わないっぽいけどな

碧は意味を理解できず、余計に混乱して頬を真っ赤にした

グラスを空けるペースが速い隼人に、湊が笑いながら酒を注ぐ

湊

おいおい、飛ばすなよ。昔みたいに潰れんぞ？

隼人

へいへい……

隼人は気だるそうに笑い、碧の方に目を向けた

隼人

……なぁ碧。俺、酔ってもちゃんとカッコよく見えてる？

突然の問いかけに、碧はグラスを持つ手をぎゅっと強張らせる

碧

な、何言って……

湊が横からちゃちゃを入れる

湊

ははっ、相変わらずだな。酔うと口が軽くなる

湊

……碧ちゃん、気をつけろよ？　こいつ、昔は酔った勢いで女口説いて――

隼人

やめろっつってんだろ

隼人が眉間に皺を寄せて遮る

でもその声は少し掠れていて、普段よりも色っぽさが滲んでいた

碧の胸が、ズキンと苦しくなる

（……やっぱり、女の人とも、そういう……）

俯いた碧に気づいた隼人は、にやりと笑い、わざとらしく指先で碧の頬をつついた

隼人

おい、なんでそんな顔してんの。……俺のこと、誰にでもしてるって思った？

碧

……っ

返せない。喉が詰まる

隼人はグラスを乱暴に置き、碧の耳元へと顔を寄せる

隼人

……大丈夫だよ。俺が触りてぇのは、碧だけ

酒の匂いをまとった囁きに、碧の心臓は跳ね上がる

湊はその様子を横で見て、呆れたように笑った

湊

酔ってんのに色気だけは増すんだよなぁ、隼人は

碧は真っ赤になってグラスを握りしめ、目を逸らすしかなかった

隼人

……っし、もう帰るわ

隼人はふらつきながら立ち上がり、上着を肩にかけた

碧が慌てて隣に立つと、湊がにやにや笑いながら二人を見送る

湊

お、もういいの？　ほら、気をつけて帰れよ～。特に碧ちゃん

碧

……なんで俺だけ

小さく抗議する碧に、湊はさらにニヤリと笑う

湊

だって、隼人がベロベロになったら介抱するの、君でしょ？　大変だ～

隼人

誰がベロベロだ……

隼人が不機嫌そうに言うが、その舌足らずな調子がむしろ説得力を欠いていた

湊は肩をすくめて、冗談めかして言う

湊

はいはい。じゃあ、酔った隼人が変なことしないようにちゃんと見張っとけよ、碧ちゃん

碧

っ……//

碧の顔が一気に赤くなる

隼人は横で、ふっと低く笑った

隼人

余計なこと言うな、湊

そう吐き捨てながらも、隼人の手はしっかり碧の肩に回っていて、歩幅を合わせるように出口へ向かっていった

背中を見送りながら、湊はグラスを磨きつつ、ぽつりと呟く

湊

……なんだかんだで、いいコンビじゃん

新キャラ！

湊

藤堂湊（どうどうみなと）

年齢：27歳
職業：元ホスト、現バーの店主

性格： •社交的でムードメーカータイプ •観察力が鋭く、隼人のことをからかったり突っ込んだりできる •碧の存在に気づくと、隼人を茶化しつつ二人の関係を見守る特徴： •隼人の良き理解者であり、時に突っ込む役 •外見は元ホストらしく華やかで、おしゃれ

こんな感じ！

♡とコメントお願い🤲

次回か次次回はえちタイムなので、リクエストあったらコメントしてほしい！

この作品はいかがでしたか？

110

5件

やー

今回も面白かったです!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

だいふく

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