彼が裁判を申し立て、裁判で私は言い逃れもできず、彼に損害賠償金を払うことになり、彼は、足の欠損障害の7級8号で、後遺障害慰謝料の7級に該当するそうで、私は損害賠償金419万円ほどを払うことになった。 私にとっては払えきれない額というわけではなかったので、彼にすぐに払った。
なぜあんなやつに、私が一泡吹かされないとならぬのだ。
アイツが、アイツが、アイツさえいなければ、私の人生は完璧だったのに!!
こんなはずじゃなかった。 私はアイツに人生の計画を狂わされた。
私も迂闊だった。これは私の失策だった。 それは認めるが、もっと後先を考えてから行動すればよかったものの、なぜあんなにも急ぐ理由があった。 いつもの私らしくない。
イヤ、もしやアイツに酔わされていたのか?
あのカクテルのような甘ったるい声が、脳裏に塗りつけられて忘れられない。
アア余計に腹立たしい。 アイツに勝てるものが何一つない私自身にも嫌気がさしてくる。 今すぐにでもアイツの首を締めてやりたい。
アイツのことがたまらなく憎い!!!
だが、行動に移すのはよくない。 何より紳士らしくない。正気を保て。
今は大人しく、妄想だけで収めておこう。
あの事件から10ヶ月ほど経っただろうか。 あれから私は、勤めていたサーカス団からは追い出され、今は私立探偵になるべく、探偵社を設立するための計画を立てていた。
あくる日、買い物を終えタクシーへ乗り込んで自宅へ帰ろうとした時、隣にアイツが乗り込んできた。
そう、あの夏又平吉だ。
夏又
早川
最初は気づかないフリをしていたけれど、向こうから話を切り出してきた。
夏又
ああ、前と変わらぬ甘ったるい声だ。耳に入れるだけで嫌気が刺す。
でも、ここは紳士らしく接してやろうと思い、顔色何一つ変えずに、心の中で舌打ちをしながら丁寧な口調で問い返した。
早川
夏又
彼は目を細めて話を続けた
夏又
早川
夏又
夏又
夏又
夏又
早川
早川
早川
夏又
夏又
早川
夏又
夏又
早川
早川
夏又
夏又
夏又
早川
早川
夏又
私の気にしすぎか。 やはり、最初から最後まで、どうもコイツを好きになれそうにはない。
早川
早川
バタン_
早川
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