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るな
なおきり
なおきり
るな
私はなんて声をかけて なにを言えばいいんだろう。
…体に刺さる
探るような目線が
痛い。
なおきりさんは何にも言わず 私の前に手を差し出した。
なおきり
なおきり
帰ることを促される。
私の頬に触れていたゆあんくんの手は いつのまにか消えて
二人の間に、距離ができていた。
なおきり
るな
なおきり
私から荷物を取り
空になった私の左手を
ゆっくり
指をひとつずつ絡ませる
いわゆる、恋人繋ぎ
なおきり
ゆあんくん
なおきり
ゆあんくん
怒っているのか気にしていないのか 判断のつかないその表情
…なんとなく、直視できないでいた。
るな
ゆあんくん
るな
なおきり
そのまま私の手を引いて マンションの方へ歩き出す。
ぐいぐいって
いつもより強めに引っ張られた。
ゆあんくん
後ろでゆあんくんの声がして
なおきりさんの足が止まる。
ゆあんくん
ゆあんくんの叫び声が 静かにこだまする。
ゆあんくんと
なおきりさん
---さっきから一度も 目線が合わない。
なおきり
なおきり
ゆあんくん
るな
なおきりさんに連れられて 私はその場を離れた。
なおきりさんと
ゆあんくんの会話
噛み合っていなかったけど…
二人には それで十分だったらしい。
月だけが
私たちをまっすぐ見ていた…
るな
なおきりさんは私の前をずんずん進んでいく。
るな
足が早くて、ついていくのがやっと
カサカサと、手にもつチューリップが 包みの中で揺れている。
なおきり
るな
なおきりさんはまっすぐ前を向いたまま 話し始めた。
るな
なおきり
なんだろう
ふたりでごめんねって言ったのに…
なにも、解決できてない気がする
マンションまで 私たちが話したのはそれだけ。
なおきりさんにが鍵を取り出し
マンションのオートロックドアを開けた
るなと別れた後
一人になるのが嫌で シェアハウスへ寄ったんだけど…
ゆあんくん
怒涛の編集期間らしく みんな編集部屋に缶詰
何人かは配信や 今度撮影のための建築をしていて
ゆあんくん
だっれもつかまんなかった…
勝手知ったるじゃぱぱの部屋から コーラを一本拝借
ただいま屋上にてひとり、今日のことぼんやり考えながらコーラを口につけたところだ。
ゆあんくん
わかるかな、といいつつ るなが知ってる可能性は極端に低い。
ゆあんくん
むしろこっちの方が可能性が高い。
あー…恋愛わかんない、難しすぎる。
ゆあんくん
ゆあんくん
それにしても
あの最後のなおきりさんとるなは
しば
ゆあんくん
ドアの開く音と同時に声をかけられた。
おつかれ、そう言ってオレの隣に並ぶ。 手には缶の飲み物を持ってる。
ゆあんくん
しば
どことなく疲れ切った顔で、 乾いた声で笑っていた。
しば
ゆあんくん
ゆあんくん
ゆあんくん
しば
シヴァさんが言いづらそうに缶を煽った。 やっぱりなと、オレは一人納得した。
さっきなおきりさんとあった時
るなとなおきりさんの雰囲気が おかしかった。
ゆあんくん
あの、目
ねぇ なに…してるの?
ゆあんくん
ゆあんくん
しば
ゆあんくん
ゆあんくん
しば
ゆあんくん
しば
ゆあんくん
しば
シヴァさんが気だるそうな視線を投げてきた。
ゆあんくん
ゆあんくん
ゆあんくん
耐えらんないよ。 顔をふせてぼそりとつぶやいた。
しば
しば
ゆあんくん
しば
いきなり吹き出したかと思えば 腕を組んでうんうんと頷き始める。
オレの顔を覗き込み 吊り上がる口の端から あの特緒的なギザギザの歯を見せた。
しば
しば
しば
しば
ゆあんくん
気が狂いそうだわ。考えただけで全てが失せる。
しば
しば
ゆあんくん
いやそれオレか…なんて心の中でつぶやいた。
しば
しば
ゆあんくん
ゆあんくん
しば
しば
しば
ゆあんくん
わかんない?よな 俺も言っててわかんないよ、 なんて自嘲気味に笑ってる。
しば
しば
しば
しば
しば
ゆあんくん
しば
しば
ゆあんくん
ゆあんくん
しば
しば
しば
しば
しば
しば
オレには難しい話だった。
なおきりさんはもちろん
シヴァさんもオレよりいくつか上だ。
そんな大人の考え方…オレには難しい。
しば
ゆあんくん
ゆあんくん
ゆあんくん
ゆあんくん
ゆあんくん
しば
ゆあんくん
ゆあんくん
ゆあんくん
るなの顔が全部物語ってた。
大事にされてるんだなって
俺がいなかった 10年が長すぎたんじゃない。
るながふたりと一緒にいる期間 濃すぎたんだ。
しば
しば
しば
しば
ゆあんくん
ゆあんくん
ゆあんくん
ゆあんくん
ゆあんくん
しば
ゆあんくん
ゆあんくん
ゆあんくん
思わず気持ちが破裂する。 だってオレとは立場が違うじゃないか…なんて
愚痴みたいなもんだった。
シヴァさんが目だけをオレの方へと動かした。
ぐびり 喉越しのいい音だけがやけに大きく聞こえる。
しば
ゆあんくん
しば
ゆあんくん
しば
しば
しば
くそ、余裕があっていいな かっこいいわ…なんて
ちょっと思ってしまった。
るな
ふたりで家に入った。
部屋の中は真っ暗で
誰もいない。
るな
なおきりさんが玄関に私の荷物を置く
でも、電気をつける気配がない
暗くて、よく見えない。
るな
るな
最後に入ったのは私。 玄関の鍵を閉めようと、後ろを向いた。
私の顔のすぐ横に
なおきりさんの手が伸びる。
るな
振り返ってなおきりさんと顔を合わせた。
なおきり
なおきり
なおきり
なんとなく苛立ったような声色
いきなり何を言い出すんだろう
そんなんじゃない。
そんなふうに思っていたのかと、ムッとした。
るな
るな
なおきり
なおきり
なおきり
なおきりさんが怪訝そうに眉を寄せた。
なおきり
私のほおになおきりさんの手が触れる。
なおきり
なおきり
るな
荒々しく唇を塞がれる。
るな
"待って"そう言いたいのに
なおきり
まるで
それを許さないように
るな
息する暇もなくいくども
口を塞がれる。
るな
ちょっと…くるしい 胸の辺りを拳で叩いた。
ほおにあった手は私の頭の後ろに回されて
もっと深い口付けになった。
るな
るな
このキス…くらくらして
何も考えられなくなる…
なおきり
るな
やっと解放されて、肩で大きく息をした。
頭がぼうっとする…
るな
---ガクン
体の力が一気に抜けて 崩れ落ちそうになる。
なおきり
なおきりさんに腰を支えられ
そのまま胸へと引き寄せられた。
なおきり
るな
なおきり
なおきり
なおきり
なおきり
いつにもなく強い口調だ。
るな
るな
るな
あれは
なんだった?
---これがオレの最大限の気持ち
ふと、さっき言われた言葉を思い出す。
まだ手に握っていた、チューリップの花束
るな
潰れていないかじっと見つめた。
なおきり
なおきり
なおきりさんの表情はいまだに固い。 私の持つチューリップに視線を移した。
るな
るな
るな
なおきり
なおきり
なおきり
るな
るな
…オレの全部をここに詰める。 それを、るなにあげるね。
ゆあんくんの言葉、あれは
るな
るな
なおきり
なおきり
なおきり
なおきり
きれいな顔がくしゃりと歪んだ。
るな
なおきり
チューリップを私の手から取り そばの棚に置いた。
なおきり
るな
なおきり
不満気な声が耳元で擽(くすぐ)る
なおきり
るな
なおきり
首筋に一瞬、柔らかな何かが触れる。
そのまま肩口に顔を埋め
これでもかと、きつく抱きしめられた。
どうしたらいいのかわからない。
大好きなあなたの背中に 腕を回すことすら忘れて
---私は
最後まで、なんて声をかければいいのか わからなかった。