井原 颯斗
井原 颯斗
中津 冨生
中津 冨生
井原 颯斗
井原 颯斗
玉理 永慈
玉理 永慈
井原 颯斗
玉理 永慈
玉理 永慈
井原 颯斗
中津 冨生
玉理 永慈
井原 颯斗
中津 冨生
中津 冨生
中津 冨生
井原 颯斗
玉理 永慈
中津 冨生
井原 颯斗
井原 颯斗
井原 颯斗
中津 冨生
井原 颯斗
井原 颯斗
中津 冨生
井原 颯斗
井原 颯斗
中津 冨生
井原 颯斗
中津 冨生
中津 冨生
中津 冨生
中津 冨生
中津 冨生
中津 冨生
中津 冨生
井原 颯斗
中津 冨生
中津 冨生
井原 颯斗
中津 冨生
井原 颯斗
井原は中津から一歩離れる。
中津 冨生
中津 冨生
中津 冨生
井原 颯斗
井原 颯斗
井原 颯斗
井原 颯斗
中津 冨生
中津 冨生
中津 冨生
中津 冨生
井原 颯斗
中津 冨生
井原 颯斗
井原 颯斗
そう言うと井原は慌てた様子で店を出て行った。
中津 冨生
中津 冨生
玉理 永慈
中津 冨生
中津 冨生
中津 冨生
玉理 永慈
玉理 永慈
中津 冨生
玉理 永慈
玉理 永慈
中津 冨生
中津 冨生
中津 冨生
中津 冨生
玉理 永慈
中津 冨生
中津 冨生
中津 冨生
玉理 永慈
・
・
「金が欲しくてやった」
よくある犯行動機。
誰だって楽して金を得たいもの。
だが、
そんなこと
世の中には無いってことも
薄々気付いていながら
頭の悪い奴らは
一番楽で
一番最低で
一番リスクの高い
罪を犯す。
人を脅すだけで
ものの十分足らずで
大金が手に入れば
何時間も汗水垂らして働くことが
馬鹿らしくなってくる。
最初こそ罪の意識はあるだろう。
”これはいけないことなんだ”
”悪いことをしてしまった”
と。
しかし、
その罪悪感を誤魔化すため、
人はそれらを正当化する。
”こうしなければ自分が生きていけない”
”この程度の金額、相手にとってははした金だろう”
”自分以外の人間もやっているし”
そうして、徐々に
”自分が罪を犯している”
という感覚が麻痺してくる。
だから、
それ以外の罪にも
安易に手を染める。
自分を常に、
正当化しながら。
自分が何をしていて
どんな罪を犯したのか
気がついたときには
だいたい
手遅れだ。
・
・
痩せた男
痩せた男
髭面の男
痩せた男
髭面の男
後部座席に座っていた髭面の男は
痩せた男が座っている運転席を
思い切り蹴った。
痩せた男
髭面の男
髭面の男
痩せた男
髭面の男
髭面の男
髭面の男
髭面の男
髭面の男
痩せた男
髭面の男
髭面の男
髭面の男
髭面の男
髭面の男はチラリと
粘着テープで雁字がらめにされた
村川莉保を見る。
彼女は怯えながらも
鋭い眼光を男に向けていた。
髭面の男
髭面の男
痩せた男
髭面の男
また運転席を強く蹴る。
痩せた男
髭面の男
痩せた男
痩せた男
髭面の男
髭面の男
ワンボックスカーの後部座席の背もたれを倒し、
丸めて隅の方に置かれていた布を広げる。
痩せた男
髭面の男
髭面の男
髭面の男
痩せた男
村川 莉保
髭面の男
平手打ちすると
莉保の目から涙がこぼれる。
髭面の男
髭面の男
髭面の男はニヤニヤ笑いながら
莉保のスカートの中に手を入れて
下着を脱がせる。
村川 莉保
痩せた男
髭面の男
髭面の男
髭面の男
痩せた男
髭面の男
髭面の男
髭面の男
髭面の男
髭面の男
髭面の男
痩せた男
ニヤニヤ笑う髭面の男とは対照的に
痩せた男の顔色は見る見る青くなる。
髭面の男
髭面の男
痩せた男
顔色を悪くさせながらも
口角は嬉しそうに吊り上がる。
髭面の男
髭面の男
髭面の男は
莉保を引き寄せ
足を持ち上げた。
村川 莉保
髭面の男
髭面の男
痩せた男
大粒の涙を浮かべた莉保の顔を見て、
痩せた男は首を横に振った。
痩せた男
髭面の男
髭面の男
髭面の男
髭面の男
痩せた男
髭面の男
髭面の男
髭面の男
莉保を押し付けられた痩せた男が
不意に顔を上げると
窓の外に人影が見えた。
己のベルトに手をかけた髭面の男に、
”人が”
と言う前に
───ガシャンッ!!
車の窓が割られた。
否、
バールのような物が窓に突き刺さり
バリバリバリッ!!
物凄い勢いで
ガラスが剥ぎ取られたのだ。
髭面の男
車の外にいたのは
真っ黒なパーカーを着た人物で
大きな黒いマスクをつけていた。
髭面の男
髭面の男
髭面の男は
刃物を片手に車から降りる。
髭面の男
そう言って、
振り上げる前に
バールのような物で
刃物を叩き落とされた。
髭面の男
髭面の男
地面に落ちた刃物を拾おうと
伸ばした腕を相手は掴み、
髭面の男
捩じ上げ
髭面の男
髭面の男
───ボキッ!
あっさりとへし折った。
髭面の男
髭面の男
髭面の男
あらぬ方向に捻じ曲げられた腕を見て
喚ている髭面の男に
黒いパーカーの男は
容赦なくバールを振り下ろした。
めり込んだ右肩から
骨の砕ける音がした。
髭面の男
髭面の男
髭面の男
髭面の男
髭面の男
髭面の男
泣きながらそう言った髭面の男が見たのは、
無言で振り上げられたバール。
髭面の男
髭面の男
そんな声など届く様子も無く。
無情にもそれは振り下ろされた。
髭面の男
髭面の男
のたうち回る髭面の男。
痩せた男
痩せた男は
何かに気が付き
莉保の足を拘束していた粘着テープを剥がした。
”逃げろ”
痩せた男がそう言う前に、
───ゴッ!
痩せた男
莉保は男に一発頭突きを入れて
車から飛び出し、
あっという間に見えなくなった。
痩せた男
痩せた男
痩せた男
痩せた男
そう思って、
それ以上考えるのは止めた。
黒いパーカーの男が
ワンボックスカーの扉を開けたからだ。
痩せた男
痩せた男
痩せた男
痩せた男
痩せた男
目の前の男が急に笑った。
痩せた男
痩せた男
そう言ったところで
首を掴まれ
車から引きずり出される。
髭面の男は
髭面の男
と言ってうずくまり
泣いていた。
痩せた男
痩せた男はそれを見て、
自分たちがこの間
暴行を加えた
若い男のことを思い出した。
痩せた男
痩せた男
そう思ったところで
思い切りバールが振り下ろされた。
痩せた男
痩せた男
骨が折れる音がした。
味わったことのない痛みが
全身を駆け抜ける。
さらに振り下ろされるバール。
痩せた男
バールの先端、
釘抜きに使う部分が
見事ふくらはぎに突き刺さる。
痩せた男
痩せた男
パーカーを着た男─玉理は、
おもむろにマスクを外す。
玉理 永慈
痩せた男
痩せた男
痩せた男
髭面の男
髭面の男
痩せた男
痩せた男
痩せた男
痩せた男
早口で言いながら痩せた男は
玉理の足にしがみつく。
痩せた男
痩せた男
痩せた男
痩せた男
玉理 永慈
痩せた男
痩せた男
玉理 永慈
痩せた男
玉理 永慈
痩せた男
玉理 永慈
痩せた男
玉理は高々とバールを振り上げる。
痩せた男
痩せた男
痩せた男
振り下ろされたバールは、
左耳をかすめ、
左肩にめり込んだ。
痩せた男
玉理 永慈
玉理 永慈
玉理 永慈
髭面の男
その隙に、
と言わんばかりに
髭面の男はふらふらと立ち上がり、
逃げようとした。
玉理 永慈
玉理 永慈
髭面の男
振り返った男の脇腹に
刃物が突き刺さる。
髭面の男
それは
髭面の男が持ち出してきたモノ。
玉理 永慈
玉理 永慈
悪態を吐き、
一気に腹を切り裂いた。
噴き出す血と内臓。
髭面の男
髭面の男は
少し驚いた顔をして
両膝をつくと
髭面の男
血を吐いて、
ゆっくりと倒れた。
痩せた男
痩せた男
ヒュッ…
とバールが空を切り
痩せた男の顎を砕く。
痩せた男
玉理 永慈
玉理 永慈
玉理 永慈
玉理は二人の襟を掴むと
そのまま
真っ暗な森へと
引きずり込んだ───。
・
・
鬼王
鬼王
鬼王
鬼王
羅刹
鬼王
羅刹
鬼王
鬼王
鬼王
鬼王
鬼王
鬼王
鬼王
羅刹
羅刹
鬼王
羅刹
羅刹
鬼王
鬼王
羅刹
鬼王
鬼王
羅刹
鬼王
羅刹
鬼王
羅刹
鬼王
羅刹
鬼王
鬼王
鬼王
鬼王
鬼王
羅刹
羅刹
鬼王
鬼王
鬼王
羅刹
鬼王
鬼王
鬼王
鬼王
羅刹
鬼王
鬼王
鬼王
羅刹
羅刹
羅刹
鬼王
鬼王
・
・
家に帰って来た村川莉保の証言を聞いて
伊原は現場に急行したが、
そこには
後ろの窓を壊されたワンボックスカーがあるだけで
人の姿は見当たらなかった。
翌日、
早朝から周辺を捜索したが
やはり、誰も見つけられなかった。
”犯人は逃げたんだろう”
村人たちはそう話していたが、
ワンボックスカー周辺の血痕は
相当な量で、
それがもし犯人のものならば、
そう遠くまで逃げていないはず
そう考え警察は捜査を続けた───。
・
・
秋島
秋島
秋島
玉理 永慈
玉理 永慈
秋島
秋島
玉理 永慈
秋島
秋島
玉理 永慈
秋島
秋島
秋島
玉理 永慈
秋島
秋島
玉理 永慈
秋島
秋島
秋島
玉理 永慈
秋島
玉理 永慈
秋島
秋島
玉理 永慈
秋島
秋島は商品の入った袋を受け取り、
笑顔で手を振って店を後にした。
玉理 永慈
いつも通りの日常。
誰が死んだとしても、
誰を殺したとしても、
変わることの無い日常。
玉理は椅子に座り、
スマホを取り出す。
玉理 永慈
玉理 永慈
玉理 永慈
玉理 永慈
・
・
昔、
”学校に行ってないのは”
”玉理んとこの次男も一緒だろ!?”
そう、両親に言ったことがある。
しかし、
その言葉を聞いた両親は
鼻で笑った。
後で聞いた話しだが、
学校の授業についていけなくなったオレと違い、
玉理の次男─玉理永慈は、
頭が良かったのだそうだ。
つまり、
あいつとは
”学校に行っていない”
という共通点はあったものの、
その根本がそもそも違ったのだ。
それゆえ、
両親はオレのことを鼻で笑った。
だが…。
飯田 雅夫
パソコンに映し出された
一枚の画像。
飯田 雅夫
飯田 雅夫
それは、
玉理永慈が
一人の男性を
殺める瞬間を撮ったモノ。
飯田 雅夫
飯田 雅夫
飯田 雅夫
飯田 雅夫
飯田 雅夫
そう呟いて
飯田はニヤリと笑みを浮かべた。
・
・
『金梃子』 ーENDー
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