世界一のアイドルになるから
そう言っていた君は誰よりも美しい人でした
僕らが初めて出会った時は高校一年の頃だった
教室で音楽を聴いていた時、背後から声を掛けて来たのが君だった
韓国
日本
僕はこの時とっても驚きました 韓国さんはクラスの中でも陽キャといった感じでクラスの中心でした。僕とは正反対な人で喋ったことは一度もないと思います
しかも今聴いていた曲は最近ハマっていたロックだったので韓国さんがそういった曲を聴く人だとは思わなかったからです
韓国
日本
韓国
日本
韓国
その時の韓国さんはいつもの笑顔じゃなくて少し寂しそうな、悩んでいるような感じがしました
日本
韓国
韓国さんは呆気に取られたように口を開いていました
日本
韓国
日本
こうして僕と韓国さんの奇妙な関係が始まりました
韓国さんとは休み時間などは一切話しませんでした。韓国さんのお友達はそういったオタクみたいなのに否定的で僕みたいな陰キャを嫌っている人達も多かったからです
韓国さんはそういった人達といることが徐々に苦痛になっていったと話してくれました。僕といることはとっても楽しいとも言ってくれました
韓国
日本
韓国
僕は韓国さんの、僕だけにしか見せない所がとっても好きでした。この頃からでしょうか、僕は韓国さんに恋をしていました
韓国さんと居られるこの瞬間が人生で最も好きでした。でも、幸せはいつかはなくなるものです。
ある日の放課後、いつものように韓国さんと話していた時でした
韓国
この頃韓国さんは僕のことをイルボンと呼んでいました。基本馴れ馴れしいのは好きではありません。しかし、韓国さんに言われるのは悪くはないと思いました
日本
韓国
日本
僕はこの時、嫌な予感がしました
韓国
日本
韓国
日本
韓国
放課後、もうここには来ることが出来ないんだ
日本
僕は情け無い声が出ました 韓国さんと居れることが1番好きだったのに、韓国さんと会えなくなってしまうからです
韓国
日本
韓国
大丈夫とは言ったものの正直僕は気持ちの整理がついていませんでした
韓国
この時は放心状態であまり話を聞き取れていませんでしたがこの言葉だけは覚えています
韓国
そう言ったあと韓国さんは何処かへ行ってしまいました
この日僕は初めて泣きました。 まだ、幼かったからですが父が亡くなった時も泣けずにいました
僕はこれが初恋です。韓国さんがアイドルになればこの恋は実ることはないでしょう
僕はこの日、最初で最後の恋が終わりました
数年後
日本
僕は大人になり今はとある職につきたくて勉強を頑張っています。明日は待ちに待ったIslandのライブがあるのです
Islandは韓国さんが所属しているグループで最近新曲がバズって波に乗っているアイドルグループです
僕はグループができた頃から推しており(勿論推しは韓国さんです)ずっと成長を見守っていました。最近は人気が出てライブチケットを取ることが難しかったのですが今回、やっと取れたのです
日本
Islandは初めてのドーム公演ということで倍率はとっても高かったです これは神が味方してくれたとしか思えないですね
ちなみにドーム公演は現実でいう、東京ドームでライブするみたいな感じなので相当大きいです
日本
僕はこの日早く寝ました
日本
僕はベッドから降りたとき、スマホが鳴っていることに気がつきました
韓国
/s/[storyId]/_components/chat-script-render/op/miss-call/assets/call-miss.da4ebd87e4b3bbc2.png)
不在着信
僕は電話を掛けて来たのが韓国さんでビックリしました。ちなみにIslandは初期はほとんどファンがいなかったので僕はメンバーに認知されています
日本
韓国
日本
韓国
韓国
日本
韓国
日本
韓国
日本
韓国
日本
日本
日本
わかってたとはいえとても大きな会場に思わず息を飲みました
席に着くとみんなペンライトを推しのカラーにしていたので僕も白に合わせました
日本
どんどん照明が暗くなっていきファンの期待はどんどん高まっていきました
韓国
ファンはおおおーーっと大きな声で声援を送った
メンバー
場内は歓声が響く
日本
初期よりもみんなダンスも歌も上手だった
その時韓国さんが手でハートを作りファンサービスをした。僕にしたかはわからないが少し目が合った気がした
韓国さんを見た瞬間、僕は大切なことを思い出しました
日本
ただ韓国さんが入っているから推したのではない。韓国さんがいや、Islandのみんなが僕に希望をくれる存在だったから
僕はIslandに救われた 生きる希望をくれた だから好きなんだ
もしも韓国さんがアイドルじゃなかったら、僕がもっと有名で韓国さんと釣り合える男だったら。そう何度も思ったが、僕は今、このグループがあるだけで生きようって思うのだ
日本
ステージにいる韓国さんは僕だけに愛を振り撒いているわけではない それでも大好きだと思えれば僕はこの気持ちに向き合えるのかな そう日本は思った
ダイヤモンドのように輝くステージがいつまでも続けばいいのにと思った日本だった
昨日の午後11時20分頃、大人気アイドルグループ「Island」のメンバー韓国さんが暴走した車に跳ねられ
死亡しました
このニュースは朝の情報番組"ハロあさ"の6時45分頃の内容である
台湾
新聞記者 木本涼太
僕は木本涼太、新聞記者だ。 僕は今18年前に事故死したIslandのメンバー韓国について記事を書こうと彼女(韓国)の友人の台湾さんという方に話を聞いている
韓国はドーム公演後に車で轢かれ、亡くなった
またそれともう1つ、彼女との交流が最もあった日本という人の話も記事にしようと思った
台湾さんが言うには彼(日本)は韓国の訃報を聞いたあと、自宅で首を吊って亡くなったそうだ
新聞記者 木本涼太
台湾
台湾さんは懐かしそうに日記を読んでいました。台湾さんも友人を二人、同時期に失ってしまったのに取材に応じてくれて申し訳ない気持ちになりました
新聞記者 木本涼太
台湾
新聞記者 木本涼太
台湾
色々話しているともう時間になってしまった
新聞記者 木本涼太
台湾
新聞記者 木本涼太
台湾
新聞記者 木本涼太
新聞記者 木本涼太
台湾
台湾
新聞記者 木本涼太
最後の回答は予想通りではあった 生前、二人はアイドルとファンという関係で恋愛はできなかった。しかし、死によって二人は解放されたと考えれば運命は残酷だ
木本はそんな二人を思い、空へ手を合わせた
あの日、僕は決めたから
あとがき ここまでご視聴いただきありがとうございました。作者のぬーくみーです。初めての読み切りなので韓国と日本の話を書きました 最後の展開がわかりにくかったと思いますが簡単に説明しますと
ドーム公演終了後、韓国が車に跳ねられ死亡 ↓ ニュースで知った日本が後追い自殺 ↓ 18年後木本という記者が台湾に取材 ちなみに最初からの日本と韓国のお話は全て日記の内容となっています。ですのでほとんど日本の語り口調になっています。日本の喋っている所は台湾が"〜と僕は思いました"を分かりやすく物語風に変えています
この作品は私が好きな曲、サリシノハラ、アカイトに似せた作品となっています ちなみに韓国と日本のスキャンダルの話を書こうともしていました
さて、ここまでお読みいただきありがとうございました。最後まで読んでくれたあなたに最大級の感謝を!
コメント
1件
ちなみにIslandは島でグループの名前は適当につけました。サールはエストニア語で島です