主
主
主
主
主
主
主
主
ほとけside
いふ
いふくんは今日も、コーヒーを飲んでいる
それもミルクも砂糖も入れていないブラックコーヒーだ
僕にはイマイチブラックの良さがわからない
苦味の中に旨みがある、というがそれでも納得できない
甘味の中の苦味ではダメなのだろうか?
人生だって、つらいことよりも楽しいことの方が多い方が絶対にいい
つらいことも、優しい甘さで包み込めば癒える
人には甘さという名の安息が必要なのだ
ほとけ
そんなことを考えながら水色のマグカップに入ったカフェラテを口に運ぶ
コーヒーの苦味とミルクの優しさ、そして砂糖の甘さが僕を包み込む
いつもの落ち着く味に心安らぐ
そもそも、彼も僕と同じ甘党だ
甘党の人はブラックコーヒーが苦手な人が多い
なのにどうして彼は飲むのだろう?
ほとけ
いふ
いふ
いふくんは僕とお揃いの青いマグカップを置きながらそう言った
ほとけ
いふ
いふ
ほとけ
いふ
いふ
いふくんは少し考える素振りを見せる
考え込んでいるその顔すらかわいいんだから、ほんと罪な恋人だ
いふ
いふ
ほとけ
僕には言っている意味がよくわからなかった
ブラックコーヒーには、甘味なんてない
それならば別の何かが“甘さ”の正体なんだろう
一体何のことなんだろう?
全く見当もつかない
僕が考えている間、いふくんは優しく微笑んでいた────────
いふside
俺の言った言葉の意味がわからんのか、首を傾げるほとけ
その姿すらサマになっていて、かっこいい
いつもはかわいいが、顔はイケメンなため、真顔やとキュンとしてしまう
それなのに喋り出したらかわいいなんて、惚れへん人はおらんやろう
いふ
ほとけ
いふ
ほとけ
少し懐かしいことを思い出して、笑みが溢れた
急に笑い出した俺にほとけが怪訝そうにしている
そら向こうからしたらなんもわからんから、疑問しかないやろう
俺が思い出したんは、さっき俺が言った言葉の真意となる出来事や
その出来事について、さらに思い出すことにした
あれは夏の暑さがまだ残る頃のこと
その日は、いつもより仕事が多かった
いふ
ただひたすらに、キーボードを叩いていく
定時はとっくに過ぎ、外はビルの灯りで埋め尽くされとる
その景色も少し幻想的、、、なんてガラにもないことを考えてみる
オフィスに残る俺を含めた数人は、必死に各々のやることを進めとる
残業しとる人数は、夜が更ける共に減っていく
最後の一人になったら、戸締まりせんとアカンから避けたい
普通に面倒くさいって言うんと、帰るんが遅くなるからや
一応帰りが遅くなるとはほとけに伝えたが、きっと彼のことやから 俺が帰ってくるまで待っとるやろう
流石にそんなに長い時間待たせるんは忍びないから、 できるだけ早く帰りたい
俺が単純に早くほとけに会いたいって言うんもあるんやけど(笑)
いふ
いふ
なんとか今日中に終わらすことができた
作っとった資料が完成間近まで行っとったのに、 重大なミスが発覚して作り直す羽目になったんや
ホンマは定時で帰れるはずやったんやけどなぁ(苦笑)
いふ
帰る準備をパパッと終わらし、オフィスを出る
いふ
いふ
いふ
会社から出ると、星が見えないほどのビルの灯りがギラギラと光っとる
そんな中をいつもと変わらず帰る
夜道の静けさは、いつもより遅い時間だけあってより深い
ビュー🍂
ひんやりとした夜風が俺の頬を撫でた
昼はまだ残暑で暑いが、朝晩は寒いこの季節
さっきまで室内に居ただけあって、身に応える
いふ
いふ
すっかり冷えてしまった体に心までも冷えていくようや
そして、脳裏に浮かんだんは愛しい水色の彼
活動の時は不仲って言う体やけど、裏では恋人同士の俺ら
同棲までしとって、メンバーにも言っとる
びっくりはされたけど、受け入れてくれた
仕事から帰っても一人やったけど、今となれば彼が待っていてくれとる
そう思うと少し嬉しくなる
家が汚いと言われる俺らやが、二人で暮らし出してからは案外キレイにしとる
前はお互い自炊もめんどくさくてせぇへんことが多かったけど、 今は大体ほとけが作ってくれとる
休日は二人で少し凝ったものを作ってみたりと、 二人での暮らしを満喫しとる
もちろん二人の関係も良好で、多少喧嘩することもあるけど、 周りからバカップルと言われるぐらいはラブラブや
人生初の彼氏やが、案外普通のカップルと変わらんことを知った
デートして、手繋いで、キスをしたりと当たり前やが男女のカップルと同じや
それやのに世間ではまだまだ偏見は強い
人間は変わっているものを批判する習性がある
しかし、批判されてきた人物は文明に大きな革命を起こした人物や
有名な偉人のほとんどは、「そんなことできない」「おかしい」 そう言われてきた
今、俺らは世間であまりいい印象を持たれていない
やけど、数十年後には当たり前になってるはずや
未来に希望を持たんと変わるもんも変わらんやろ?(笑)
いふ
なんだかバカらしくなってきた
難しく考えて落ち込んどる暇あるんやったら、はよ家帰らんとな
大好きな彼氏が待っとるんやから──────────
ガチャ
いふ
あの後、電車に揺られ無事帰ってきた
時間も遅いため電車内は人が多いわけや無かったが、 俺同様疲れ果てとるサラリーマンを見とると気が滅入った
タッタッタッタッ)))
リビングから軽快な足音が聞こえてくる
ほとけ
いふ
優しくにっこりと微笑みながら俺を出迎えてくれるほとけ
その太陽のような笑顔に何度救われてきたやろう?
ほとけ
いふ
いふ
ガチャ
あの後着替えを済まして、リビングにやって来た
ほとけはご飯の準備をしてくれとった
ほとけ
いふ
青組
青組
今日もほとけが作ってくれた晩御飯を頬張る
味も美味しくて、栄養のバランスもちゃんと考えられた料理は最高に美味しい
いふ
ほとけ
いふ
その後もどんどん食べ進めていく
毎日ほとけが作ってくれた料理が食えるなんて、俺は幸せ者や
青組
俺らはものの数分で完食した
いふ
ほとけ
ほとけ
いふ
確かに言われてみればいつもより体が重い
ほとけ
いふ
いふ
渋々ソファにダイブする
ホンマはいつもほとけに家事任せてばっかやから手伝いたかったんやけどな…
ほとけ
ほとけ
いふ
俺の前に置かれたのは青いマグカップに入ったブラックコーヒー
この青いマグカップは同棲し始めたばっかに色違いのお揃いで買ったものや
ほとけが水色で、俺が青色
シンプルなデザインで気に入っとる
いふ
口に含むと広がるコーヒーの苦味
そこから徐々に広がる旨味
鼻を抜ける芳醇な香りが俺の心を満たす
ほとけ
突然ほとけが真剣な眼差しで言った
いふ
ほとけ
そう言いながら俺の頭を撫でるほとけ
ほとけ
いふ
面と向かって褒められると恥ずかしくて返事がそっけなくなってしまった
ほとけ
まるでそのことを見透かしているかのように愛を囁くほとけ
いつもの明るく元気な声ではなく、ゆったりとした甘い声
その声を聞いただけで、心が絆されていくようや
いふ
普段は言えないようなことでも、スルリと口から出てくる
それだけほとけに心酔しているんやろうか
なんて少し俯瞰してみる
ほとけ
ほとけ
いふ
俺を愛おしそうに抱きしめるほとけ
抱きしめられとる間からほんのり見えたその顔は、とても妖艶でかっこいい
いふ
その顔に見惚れてしまう
と、同時にこの顔は彼女の俺だけの特権なんやと思うと、 心が優越感に満たされる
俺がこんなに独占欲が強いなんて、ほとけと付き合うまで知らんかった
俺しか知らん表情と声、姿があるなんて幸せ以外の何があるんやろう?
ほとけ
いふ
ほとけの言っとる意味がわからんくて戸惑う
ほとけ
ほとけ
愛で歪んだその顔に思わずゾクゾクする
うっすらハートが浮かぶ瞳に心臓が高鳴る
いふ
いふ
ほとけ
二人の間に流れる甘い空気
一見すると恐怖を感じる会話やけど、俺らにとっては愛の証明に過ぎへん
二人の甘い時間に仕事の疲れが和らいでいく
辛いことも、悲しいことも、二人なら乗り越えていける
そう、心から感じた────────
いふ
ほとけ
いふ
人生、苦味だけでは疲れてしまう
やから、それを和らげる甘みが必要や
いふ
あの日と同じようにコーヒーを飲む
確かに口内に広がるのは苦味だけや
しかし、ほとけと言う優しさと愛があるため、それほど苦くない
どんなに辛いことがあっても、 ほとけという甘さがあれば乗り越えていけるんや
やからこそ、ほとけが辛い時は俺の甘さで包み込めたらええな、
そう、心から思った────────────
コメント
42件
水青良すぎます‼︎
フォロー失礼します! めっちゃ好きです✨
やぁぁぁぁぁぁばぁぁぁぁぁぁぁぁ(( こんなこと思い付くなんて天才ですか????(( さすが神は頭の作りが違う()